(記事の執筆者)この記事の執筆者は日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えているオンライン英語学習サービス、ハルヨン代表のはるじぇー @HAL_Jです。
履歴書に書いて評価されるのは「TOEIC600点以上」と言われています。
そのため、英語を使って仕事をしたいと考えている方が目指すべき点数は「TOEIC600点」です。
このTOEIC600点について本記事では以下の3点から解説していきます。
- TOEIC600点は英語力はどの程度なのか
- TOEIC600点は就職・転職活動ではどのような評価をされるのか
- TOEIC600点に到達するには何を、どのように学習するのが良いのか
この3つの観点から解説をしていきます。

- 名前 ヨシヒコさん(写真中央)
- 留学期間 21週間(約1,150時間の学習)
- TOEIC335点(L185点, R150点)→TOEIC670点(L345点, R325点) ※335点アップ
ヨシヒコさんの学習カリキュラムはハルヨン代表の柴田 @HAL_J が作成しました。本記事ではこの学習カリキュラムを最新の2022年版にしたものを紹介しています。
この記事で書かれている教材・学習法を実際のレッスンで体験されたい方はリンク先ページにあるオンライン説明会/個別相談会の申し込みも検討下さい。
TOEIC600点の英語力はどのように評価されているのか
挨拶が出来る、簡単な業務連絡などが出来る
英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度を見てみると、TOEIC L&R試験の点数帯毎にどのような業務ができるのかがまとまっています。

(上記画像の右項目)TOEIC L&R試験の点数に応じた英語スキルは下記になります。
- TOEIC800点以上…通訳なしでの海外出張に一人で行ける、海外赴任できる
- TOEIC600-800点未満…簡単な業務連絡などが出来る、取引先/海外支店とメールでやり取りが出来る
- TOEIC600点未満…挨拶ができる、簡単な業務連絡などが出来る
TOEIC600点の人達が所属するグループ(TOEIC600-800点未満)においては「簡単な業務連絡などが出来る」「取引先/海外支店とメールでやり取りが出来る」が主な業務内容です。
英語を使って、電話(ZOOM)でのやり取りをしたり、会議に参加したりといったテキパキと英語をやりとりするのではなく、デスクワーク中心でゆっくりと英語をやり取りする仕事を担当するのが想像出来ます。
【大学生の場合】TOEIC600点がどのように評価されるのか
大学生がTOEIC L&R試験スコアを最も有効活用できるのは就職活動時です。
一般的に就職活動の際に履歴書に書いて評価される点数はTOEIC600点以上からと言われています。
目安になるのは「過去3年間の内定者受験者数推移と平均スコア※」です。
※TOEIC® Listening & Reading Test 公式データ・資料より

2019年度のデータ、内定者全員が強制的に受験させられることが多いIPテストのデータにおいても、平均547点という中級者水準の英語力が平均点となっています。
544点(2016年度)、539点(2017年度)、538点(2018年度)、547点(2019年度)と平均点が推移しています。
この点数帯だと内定者としては可も不可もなしです。
TOEIC600点ですと、内定者の平均を1回り上回っています。
また、英語を使っての最低限の業務ができると判断されます。
TOEIC600点での就活|英語力の評価
TOEIC L&Rスコア600点は就職活動においてアピールできるスタートラインです。
よって、人事担当者の目を引く点数というわけではありません。
またTOEICを実施するIIBCが発表した「新入社員 TOEIC L&R 最新データ 2018年度」によれば、「鉱業」「石油」「商社」「マスメディア」「公共団体」業界では新入社員のTOEIC L&R平均スコアは600点台。
この業界を志望しているなら他の就活生もTOEIC 600点レベルの英語力を持っていると考えておきましょう。
とはいえ、TOEIC 600点レベルの英語力を評価してくれる企業は多くあります。
以下は「採用時にTOEIC L&Rスコアを参考にしている企業」と「求められるかスコア」をまとめたものです。
もちろんTOEIC L&Rスコアだけが評価対象になるわけではありませんが、TOEIC対策の英語学習は英語力を高める上で必ずプラスになります。
英語力に限らず自分の能力や努力を定量的に示す姿勢は他者に評価してもらう・知ってもらう上でとても重要な軸になるでしょう。
今後の人生やキャリア形成に大きく影響する就職活動ですから、皆さん満足のいく結果を出したいと思っているでしょう。
少しでも英語力をアピールしたい気持ちがあるなら、後悔することのないように英語力を向上させ、強みにしてください。
【社会人の場合】TOEIC600点がどのように評価されるのか
社会人の場合、会社内での「異動・昇進・昇格」の際に、規定以上のTOEICスコアを求められることが多いと考えられます。

英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度においては、英語を使用する部署の中途採用においては53.8%がTOEIC LR試験の点数を要件・参考としており、求められるスコアは「620点」となっています。
そのため社会人にとっても、英語を使った業務を希望するのであれば、TOEIC600点では必要要件にわずかに到達していないと言えます。
もう少し勉強して、TOEIC700点以上の点数に到達する必要があると言えます。
英語力が現在の職場で必要とされているかどうか

「職場での英語の使用状況と現在の英語スキル」のアンケートの赤文字になっている3項目を見てみましょう。
ビジネスパーソンに自身の職場での英語の使用状況を尋ねたところ、現在は「英語は海外との取引がある部署だけで使われる」(33.9%)が最も多く、「社内で英語を使うことはない」(29.2%)が次点です。
しかし、3年後の見通しでは両項目ともに割合が減少、英語は海外との取引がある部署だけで使われる」33.9%⇒24.5%、「社内で英語を使うことはない」29.2%⇒18.0%となっており、英語の必要性は増す未来が予想されます。
また、「人材採用時、配属部署の決定や異動時に、一定の英語能力が求められる」が現在の17.8%から3年後には29.8%に増加。
このアンケート結果からは会社として英語を使用する割合が増えていくことが予想されます。
TOEIC600点の4技能(聞く・読む・話す・書く)を分析
TOEIC L&R試験では英語の聴き取り能力を測る「Listeningパート」と英文読解能力を測る「Readingパート」に分かれています。
「Listeningパート300点+Readingパート300点=TOEIC600点」とした場合、TOEIC600点レベルの英語4技能(聞く・読む・話す・書く) がどのようなものか見ていきましょう。
(聴く力) TOEIC Listeningパート 300点の実力とは?
Listeningパートで300点を取得している人の場合は、聴き取った英語を英語のままで理解するのはまだ厳しいです。易しめの英文であれば、そのまま理解出来ます。
一方、長めの英文、複雑な構成の英文の場合、いったん日本語に置き換えて理解する必要が有ります。
また、英文全部を聞き取るというよりは、知っている英単語・英語表現をところどころ拾って、なんとか話されている内容を理解するという水準です。
TOEIC LR試験のリスニング試験もまだ分からないことだらけです。
英会話でも相手がゆっくり、かつ易しめの言葉を選んで話してくれないと、一度では相手の言っていることを理解できません。
(読む力) TOEIC Readingパート 300点 の実力とは?
Readingパートで300点取得できている人は、高校2~3年生レベルの英文法を習得していると言えます。
英文法でも難易度が高い、 現在分詞/過去分詞による修飾、分詞構文、仮定法過去/仮定法過去完了のwould/could/mightなどの丁寧表現の使い分け、仮定法未来、倒置なども一通り理解は出来ています。
しかしながら、そこまで深く理解は出来ていません。
ただし、浅く広くは高校英文法を身に着けているので、今後も英語学習を続ければTOEIC700点、TOEIC800点といった中級者以上の英語力を身につけられる基礎力はすでに有ります。
ただし、まだまだTOEIC試験の英文や大学入試の英文以外の、実際SNSなどで使われている英文を読むには厳しいです。
簡単なメールのやり取りであれば翻訳ツールがなくても、おおよその内容が理解出来ます。
(話す力)TOEIC600点レベル…話せない。話せてもブロークンイングリッシュ。
多くのTOEIC600点レベルの人はまだ全然英語を話せません。
オンライン英会話や語学留学経験がある人であれば、ごく簡単なやり取りは出来ます。ただし、少し長めの英文を話すと、英文法はグチャグチャで文章の構造もメチャクチャです。
いわゆる、”ブロークンイングリッシュ”と言われるものです。
話されている英文を精査すると「時制が間違っている」「品詞の使い方が間違っている」「3単現のsが抜けている」「冠詞や単数・複数表現の使い分けが出来ない」ということが大多数です。
英会話は場数を踏んでいれば、意思疎通が出来ます。
が、それはあくまで自分が得意とする場面に限った話です。少しでも慣れていない場面、慣れていない会話に接すると途端にしどろもどろになります。
また、少し複雑な内容を伝えるとなると、話し相手があなたの間違った英語を聞き取ろうとする意志がある場合限定で英会話が成立します。
通常は自分がお金を払って、英会話学校やオンライン英会話などの有料サービスを利用しないと英会話が成立しません。
(書く力)TOEIC600点レベル… ほとんど書けない。
英作分であれば、英会話よりも時間をかけられる分、ややましな英文を書けます。
しかし、書かれている英文を精査すると 「時制が間違っている」「品詞の使い方が間違っている」「3単現のsが抜けている」「冠詞や単数・複数表現の使い分けが出来ない」 ことが大多数です。
日本語を直訳したような英文を書いている場合には、内容が理解されないことも多いです。
まだまだ英文法の知識が不足しているし、また英単語・英語表現を知っている表現が限られているため、自分の伝えたいことを英文にするのは困難です。
TOEIC600点は日本人受験生の上位25%
公開テストとIPテスト(団体テスト)、それぞれの割合
2020年は新型コロナウイルスの影響で特殊な年であったため、データもまた特殊です。
そのため例年のデータと同じ傾向である2019年のデータを主に紹介しながら分析をしていきます。
2019年には公開試験の受験者の48.5%、2人に1人はTOEIC600点以上です。
意外と600点以上の人達が多いと思われたかと思いますが、この公開テストは「休日に」「自発的に」「数千円する有料の」TOEIC LR試験を受けている勤勉な受験者達なので、点数は高めになる傾向が有ります。
一方、TOEICを自発的に受験していない人達が含まれている企業や学校が団体で受験するテスト(IPテスト)ではどうなっているのか見てみましょう。

2019年のTOEIC LR試験・IPテストにおいて700点以上の点数を獲得した人の割合は23%(1.3%+1.4%+2.1%+2.9%+3.8%+5.0%+6.5%+8.1%+9.6%=23%)の割合です。
このIPテストだと約4人に1人が600点以上です。こちらの数字の方が日本人全体の割合と近いものになっています。
公開テストが約48.5%、IPテストが23%と2倍以上の開きがあるのがすごいですね。
公開テストだけを見ると、日本人受験者の半分近くがTOEIC600点以上という恐るべき数字になっていますが、実際はそんなこと有りません。
TOEIC600点を取得していれば、平均を上回る英語力があると言えます。
わざわざ休日に自発的にTOEIC LR試験(公開テスト)を受験している方々の英語力の高さに驚かされます。
TOEIC600点に到達するために。英語の先生は誰が良いのか
教わる先生は日本人教師、外国人教師どっちがお勧めか
可能であればTOEIC600点未満の英語学習者は、特にReading Part 300点未満の方は、独学ではなく、英文法・英文読解を専門的に教えている“日本人”の英語教師に教わるのが良いです。
TOEIC600点に到達するまでが英語学習ではしんどいところですので。
そしてまた、英語学習を独学でやり直している初級者がTOEIC600点に到達するのは厳しいことです。挫折する割合も高いです。
すでにTOEIC600点に到達している人たちの多くは「大学受験」という強制的に英語学習をしなくてはいけない時期を体験した人たちばかりです。
逆にその「大学受験」を経験せずに、TOEIC600点に到達している人はあまりいないです。
なお、外国人教師から英語で英文法を学ぶのは、英語初級者には全くお勧めしません。
彼らは日本人の英語初級者の人たちの気持ちが理解できません。また理解できても英語で説明することになるので、その英語を初級者の人たちは理解することが出来ません。
例えば、下記は中学2年生水準のやさしい英文法の説明になりますが、理解できますか。

“Gerunds”は動名詞、“Infinitive”は不定詞です。日本語だと一瞬で分かりますが、英語で英文法を説明されると厳しいですね。
よほど日本語がうまい外国人教師なら英文法の解説を日本語でしてくれますが、そういう外国人教師は極めて稀な存在なので見つけるのが大変です。
逆に日本人の英語教師であればすぐに見つかるので、やはりそういう意味でも日本人の英語の先生から教わるのが良いです。
- TOEIC LR試験で800点(Reading Part 400点以上)に到達するまでは日本人教師がお勧め。
- それ以上の上級の英語を学びたい場合には、英語を母語とする先生がお勧め
TOEIC600点到達までに必要な学習時間
【TOEIC LR試験 100点を上げる勉強時間の目安】 |
---|
200点から300点 ⇒ 300〜400時間 ※英語力ゼロの状態から開始する場合、さらに時間がかかります。 |
300点から400点 ⇒ 300〜400時間 ※345点以下の方はさらに時間がかかる可能性有り。 |
400点から500点 ⇒ 250〜300時間 |
500点から600点 ⇒ 250〜300時間 |
600点から700点 ⇒ 250〜300時間 |
700点から800点 ⇒ 500〜600時間 |
800点から900点 ⇒ 500〜600時間 |
上記がTOEIC LR試験で100点得点を上げるのに必要な時間です。
現時点でTOEIC350点の人がTOEIC600点に到達するのに必要な時間は800時間~1,000時間です。1日3時間の学習をした場合、8ヶ月~約1年は必要です。
高校1年生水準の英語力から大学生の平均点以上の英語力に到達することになるので、やはりこれくらいの時間は必要です。
学習時間に関して1つ注意する必要が有ります。
専門家の指導がなく独学で学習計画を立てた場合、だいたい迷走しますので、その場合にはここで書かれている時間の1.5~2倍はかかる可能性が有ります。
回り道をしたくない方、時間を無駄にしたくない方は早めに専門家の指導を受けられた方が良いです。
現時点でTOEIC400点未満の人が独学でTOEIC600点に到達するのは難易度がそれなりに高いことですので、このレベルに該当する方々は早めに英語学習サービスに課金することをお勧めします。
TOEIC345点以下の人はより多くの時間がかかる可能性有り
TOEIC345点以下の方々だとさらに時間がかかる可能性が有ります。
TOEIC LR試験はTOEIC400点~900点の点数帯であれば、それなりに正確な英語力を測定できます。しかし400点未満の英語力だと測定が困難です。
TOEIC350点以上あれば、少なくとも高校1年生水準の英語力があると言えます。
TOEIC345点未満の場合だと、中学1年生から高校1年生のいずれかの段階の英語力という推測しか出来ません。
現在TOEIC300点の人がTOEIC500点を目指す場合には、550時間~700時間はかかります。
ただし、英語学習を久しくしていない、また英文法の知識が不足している場合には、この学習時間よりも多くの時間を必要とする恐れが有ります。
TOEIC600点到達のためのお勧めの英語参考書
ここから英語学習方法・おすすめの英語参考書を紹介していきます。
それぞれの参考書をやり込む際には、下記記事で紹介しているアプリ(Audipo, Repete Plus)を使用して、黙読・リスニング・音読・暗唱といった定着学習を行いましょう。
より詳しく英語学習方法について知りたい場合にはこの記事を執筆している柴田 @HAL_Jが提供している英語学習サービスのハルヨンの受講を検討ください。⇒ハルヨンのオンライン説明会/個別相談会お申込み

中学英文法のやり直し
中学英文法のやり直す参考書から必要な参考書を紹介していきます。
ここで紹介する英語参考書はTOEIC200~350点から英語学習を開始することを想定して作成しました。
もし中学英語の復習が不要な方はそこは読み飛ばして、高校英語の箇所から読み進めて下さい。
中学英文法・中学英文読解の参考書
中学英語の理解があやふやな人のみここから着手下さい。そうでない方は次の「高校英文法の参考書」から学習を開始して下さい。
英文法の参考書は書店でパラパラと立ち読みして、自分が理解出来る学年の1つ下の学年のものからやり直すのがお勧めです。
中2英語がちょうど良いなと思った人は、中1英語がやり直すのが挫折する割合が減ります。


中学2年レベルだと不定詞が登場します。
「不定詞」という用語は上級者までずっと使う言葉です。

中学2年で受動態も登場します。
こちらも知識があやふやな方は中2英語から教材に着手下さい。


中3英語では間接疑問文も登場します。
「疑問詞 主語 動詞」の語順に注意する必要が有ります。

特殊な用法である let と help(使役動詞とも言います)。そして原形不定詞についての説明が有ります。
原形不定詞という言葉が見慣れない方は中3英語からやり直す必要が有ります。
このページで紹介されている内容(原形不定詞、使役動詞)は上級者になっても頻繁に見かける表現ですので、理解しておく必要が有ります。

まずはこれら3冊を通読することで、英文法の理解漏れを無くします。
すでに本書の内容をある程度分かっている方もいるかもしれませんが、意外と忘れていることがありますので、軽くで良いので通読下さい。
英単語帳は大きく2つに分けられる。
英文法の次は英単語ですが、英単語帳に取り組む前に下記のことを知っておく必要が有ります。
英単語帳には2種類が有ります。
- いわゆる英単語帳
- 文脈の中で覚える英単語帳
それぞれについて紹介していきます。
1. いわゆる英単語帳
英単語と日本語訳が対になって、基本的には短め語句や例文が一緒になって、1冊の本の中にぎゅっと情報を詰め込んだものになります。
中学英語からやり直す方に最初にお勧めする英単語帳は下記の例文で覚える中学英単語・熟語1800です。
この英単語帳もいわゆる英単語帳タイプのものです。

例文で覚える中学英単語・熟語1800の本文は下記画像です。

このタイプの英単語帳のメリットは「一覧性の高さ」と「掲載されている英単語数の多さ」です。
必須英単語を一通り浅く広く覚えてしまうのに向いています。
一方、デメリットを挙げると、浅くしか学べないということです。
例文で覚える中学英単語・熟語1800を読み込むことによって、中学英語で必須となる英単語は学べます。
しかし、英文読解やリスニングの力は付けられないです。英単語帳だけでは長めの英文を読んで、聴く力が養えませんので。
また当然ながら、短い語句や短い例文だけだと、実際にその英文をどのように使うのかまで学べませんので、英会話・英作文の能力は上げられません。
まとめると、いわゆる英単語帳型の参考書は浅く広く必須となる英単語を学ぶのには最適です。
一方で、長文読解やリスニングという長めの英文には対応できるようにはなりません。
また英会話・英作文といった自ら発信するタイプの学習は想定しておらず、英会話・英作文のためには別の参考書で学ぶ必要が有ります。
2. 文脈の中で覚える英単語帳
もう1つのタイプは速読英単語に代表される英語を英文の中で実際に英文を読み込みながら覚えていくというものです。
このタイプの参考書の最大のメリットは、本文の中で登場する英文を丸暗記してしまえば、そのまま必要な場面で使用できるということです。つまり、英会話・英作文の能力も伸ばせるということです。
デメリットとしては、暗記学習をするために最初に英文解釈をして、英文を正確に読める必要があるということです。
最低限、 中3英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版 までまずは読み切って、英文法について一通り理解してからでないと教材を使いこなすことが出来ません。
下記は速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ) Part1、中学英語の長文です。

※画像はハルヨンの高校英文法習得・復習クラスで使用した際の書き込みです。
英文の中で必須となる英単語・英語表現を学んでいく形式の英単語帳です。
いわゆる英単語帳タイプのようにぎっしりと情報が詰まっていないので、英単語の網羅性は高くないです。
網羅性や一覧性には課題がありますが、最終的に長文読解やリスニング、英会話・英作文ができるようになることを目指しているのであれば、「英文の中で英単語を覚える英単語帳」を私は強くお勧めします。
中学英単語のやり直し
すでに紹介した2冊の英単語帳を使用して、必須となる英単語を習得しましょう。
1. 最初に浅く広く英単語を学ぶ

例文で覚える中学英単語・熟語1800を一通り読み切って、最初に浅く広く英単語について学びます。
英単語を暗記する際には下記のアプリを使用して、リスニング音源を徹底的に聴き込んで下さい。
2. 長文を読み、聴く中で英単語を定着させる

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ) Part1、中学英語にある80の長文を読み込み、リスニング音源を聴き込みましょう。
Part2以降は高校英語であるため、現時点では着手する必要は有りません。
3. 仕上げ。再び広く浅くの英単語帳へ
最後に再び例文で覚える中学英単語・熟語1800に戻り、英単語の理解漏れがないかを確認しましょう。
その後に 速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 も2回目に着手しましょう。
まとめると下記の手順での学習になります。
(1回目)例文で覚える中学英単語・熟語1800 → (1回目)速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ) → (2回目)例文で覚える中学英単語・熟語1800 → (2回目)速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)
中学英語は全ての基礎となるものですので、確実に学習をやり込みましょう。
高校英語の基礎固め参考書 共通教材
TOEIC500点に到達し、さらに600点、700点、800点に点数を伸ばしていくためには、高校で学ぶ英単語・英文法をもれなく理解している必要があります。
Reading Partで350点まで到達できれば、L450点, R350点=合計 TOEIC800点も狙えます。
Reading Partの点数アップのためにも、高校英文法の範囲について通読しましょう。
お勧めの参考書は下記の3冊(+補助教材1冊)です。
高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版
私が監修していた語学学校で本書、高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版を使って、多くの生徒が基礎固めを行った、十分な実績のある1冊です。

高校英文法を一通り学び直すのにお勧めの1冊は下記です。
薄めの参考書であるため、一通り確認するだけであれば、それほど時間は必要有りません。
Reading Partで350点未満の人向けの参考書です。
補助教材 Evergreen…辞書のように確認する参考書

高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版は説明が簡易的なものであるため、より詳細に英文法について確認をしたい場合にはこのEvergreenを使用下さい。
TOEICテスト英文法プラチナ講義
高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版を一通り終えた後に着手すると良いのが、下記の易しめのTOEIC LR試験向け英文法書、TOEIC(R)テスト英文法 プラチナ講義です。

本書の対象レベルはReading Part 175点~295点の方向けです。
高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版の内容を一通りこなしていれば、R175点相当に到達していますので、引き続き本書を使って学習を進めて下さい。
本書を通読することで、TOEIC LR試験で必要になる英文法の基礎事項を一通り学べます。
ここで紹介した2冊(+1冊)の使用方法の詳細については下記の記事を確認ください。

最重要の入門英文問題精講
TOEIC LR試験で600点、Reading Partで300点に到達出来ない人は英文法・英文読解についての知識が欠けていると言えます。
また、少し難易度が高い複雑な構造の英文が来たらお手上げという人にお勧めなのが、大学入試対策の参考書である入門英文問題精講 4訂版です。

TOEIC LR試験対策の参考書ではここまで高い水準で英文法・英文読解について学べる教材は有りません。
“最重要”とあえてタイトルに付けてまて、TOEIC LR試験対策の中にあえて大学入試参考書を紹介しています。
急がば回れになりますが、TOEIC LR試験の点数を伸ばせない人は本書に取り組みましょう。
本書はReading Part 350点未満の方々にお勧めの教材です。
高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版 と TOEIC(R)テスト英文法 プラチナ講義 で学んだ内容をさらに発展させましょう。
入門英文問題精講 4訂版 の使用方法の詳細については下記にまとめました。

TOEIC900点、英検1級、TOEFL、IELTSを想定されている方向け 追加参考書
入門英文問題精講 4訂版を終わらせた後に品詞分解についてさらに学ぶための参考書2冊を紹介します。
ただし次に述べる2つのどちらかの条件に当てはまる人にのみお勧めします。
- TOEIC LR試験で860点、900点超えを狙う人
- TOEIC LR試験だけでなく、英検/TOEFL/IELTSの勉強のための基礎力を付けたい人
これから紹介する2冊はTOEIC800点で十分な人には不要な負荷が重い参考書ですので、上記条件に合致しない方は着手する必要は有りません。

大学入試レベルの24本の英文を読み込みながら、読解力・リスニング能力を高めます。
入門英文問題精講の姉妹編です。本書も難易度は高めですが、このレベルの英文を品詞分解しながら読めるようになれば、TOEIC LR試験の英文読解で困ることは有りません。
入門英文問題精講 4訂版を読み切った人であれば本書の内容を理解出来ます。

大学入試問題集 関正生の英語長文ポラリス[1 標準レベル]も英文読解を学ぶ参考書です。入門英文問題精講 4訂版よりも長めの英文で品詞分解について学べます。
これら2冊の詳細に関しては下記の記事を確認ください。

TOEIC試験で不動の基礎力を築く5冊の英単語本
ここから先はTOEIC LR試験の対策参考書を紹介していきます。
身近に英文法・英文読解に関する先生がいる場合は、これから紹介する参考書からいきなり着手していっても大丈夫です。そうでない場合は「先生がいない場合の教材 英単語・英文法・英文読解についての基礎固め」の教材から着手下さい。
TOEIC LR試験で600点、730点、800点、860点を超えるに当たって必要になるのは何は無くとも英単語・語彙・ボキャブラリーです。
また、TOEIC LR試験対策にいきなりとりかかっても知らない英単語・英語表現が頻繁に登場する場合、試験対策どころではないです。
1行読んで2個も3個も知らない英単語が出てくる場合、すぐに挫折します。そのためまずは知っている英単語・英語表現の数を増やしましょう。その上で英文を正確に早く読む訓練(試験対策)をしましょう。
TOEIC600点未満向け 銀のフレーズ
「TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」がお勧めです。

TOEIC600点を目指す人向けの英単語帳ですので、初級者向けです。
英文の中で英単語を覚える 出る語句1800、STANDARD 1800
英語長文を読み込む中で、TOEIC LR試験に必須の英単語・英語表現を学びます。
ここで紹介している2冊をやりきれば、それだけでTOEIC800点に到達することすら可能です。

【ハンディ版】TOEIC L&Rテスト出る語句1800+[音声DL付]
TOEIC LR試験で必要になる英単語を一通り学びます。
現時点でTOEIC LR試験で500点以上(Reading Part 250点以上)の人向け。

TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)
現時点でTOEIC LR試験で600~800点の人向け。全体的に公式問題集よりも難しめです。
帯には「スコア500~700…を目指す方」向けと書かれていますが、600点未満の人が独学で取り組むには難易度が高めかと思います。
Reading Partの英文記事にもリスニング音源が付いているので聴き込んで下さい。
仕上げの金フレ、金のセンテンス
英語長文を読み込む中で覚えた英単語をさらに定着させるための復習用教材として、一覧性と網羅性に優れたTOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズは最適です。

これまで読み込んだ英語教材で学んだ英単語・英語表現に漏れがないか確認していきましょう。
フレーズ単位ではなく、1英文単位で復習できるTOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンスもお勧めです。

それぞれの英単語帳の使用方法
ここで紹介した5冊の英単語帳の使用方法の詳細については下記記事を確認下さい。
内容がとても長くなったため、別記事にまとめました。

終わりに
今回の記事ではTOEIC600点に到達するための学習方法をまとめました。
TOEIC600点は英文法と英単語の基礎力アップの学習のみで到達可能です。特別な試験対策は不要です。
TOEIC600点到達のためには、試験対策をして付け焼き刃対策で短期間の点数アップを狙うよりも、英文法と英単語の学習をして基礎力を上げてその結果としてTOEIC600点に到達することが望ましいです。
仮に付け焼き刃の試験対策で600点に到達しても、基礎力が欠けている状態ではその後の学習で点数がなかなか上がらずに苦労することになりますので。
この記事を書いた人
ハルヨン代表 柴田 @HAL_J
日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えて、
「TOEIC試験対策をいくらしても点数が伸びない初級者・中級者のための学習カリキュラム」
「Reading Part重視でTOEIC860点(A Level)に到達する。英会話・英作文も出来るようになる学習カリキュラム」
これら2つの学習カリキュラムを実現するレッスンをハルヨンでは提供しています。詳細はトップページをご確認下さい。
さらに詳しい情報に関して
この学習記事はハルヨンでのレッスンを土台にして作成しています。
ハルヨンについてより詳しく知りたい方・受講を希望する方は下記のボタンからオンライン説明会/個別相談会へお申し込み下さい。
