この記事ではTOEIC LR試験の公開試験とIPテストの違い。
また、2020年のコロナ禍におけるTOEIC LR試験の特徴についてまとめています。
公開試験とIPテストの違い
最初に結論から言うと、公開テストは個人で申し込む試験であり、IPテストは学校や職場での団体受験です。
名称は異なりますが、試験の内容自体は同じであるため難易度に差はありません。
IPテストの結果では困ることも
ただし、公式認定証が発行されるのは公開テストだけです。就職・転職の場面、また大学での単位認定においてIPテストの結果が受け入れられない場合も有ります。
海外で受験できるTOEIC LR試験は基本的にIP試験であるため、過去にはフィリピン・セブ島で受験したIPテストでは大学の単位が認定されたなかったという事例も実際に有りました。
私がアメリカ・ニューヨークで受けたTOEIC LR試験もIPテストでした。
余談ですが、公式試験と違って監視が緩かったので、問題集にメモを書き込んでいる人たちがいたことが記憶に残っています。いわずもがなですが、日本の試験会場でこれをやると試験は無効扱いになります。
もう1つ余談ですが、海外のIPテストの場合、試験結果が返却されるのが1週間前後ととても早い点が日本国内の公開テストとは違っていました。
公開テストとIPテスト(団体テスト)のスコアの違い
TOEIC LR試験の公開試験とIPテストではスコアにどのような違いがあるのかを実際のデータと共に見てみましょう。
TOEIC LR試験を提供しているIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が公開している公式データ・資料を参考に、TOEIC LR試験の公開試験とIPテストではスコアにどのような違いがあるのかを見てみましょう。
TOEIC700点以上は4人に1人?9人に1人?
2019年の公開テストでは、受験者の4人に1人はTOEIC700点以上です。

2019年のTOEIC LR試験・公開テストにおいて700点以上の点数を獲得した人の割合は約29%(3.6%+4.2%+5.8%+7.1%+8.3%=29.0%)の割合です。
⇒受験者の4人に1人はTOEIC700点以上です。
意外とTOEIC700点以上の人達が多いと思われたかと思いますが、このTOEIC公開テストは「休日に」「自発的に」「数千円する有料の」TOEIC LR試験を受けている勤勉な受験者達なので、点数は高めになる傾向が有ります。
一方、TOEICを自発的に受験していない人達が含まれている企業や学校が団体で受験するテスト(IPテスト)ではどうなっているのか見てみましょう。

2019年のTOEIC LR試験・IPテストにおいて700点以上の点数を獲得した人の割合は約11-12%(1.3%+1.4%+2.1%+2.9%+3.8%=11.5%)の割合です。
このIPテストだと約9人に1人が700点以上です。
会社や学校で本当は受けたくないのに嫌々TOEIC LR試験を受験している人たちも含まれているのがこのIPテストであるため、IPテストの点数は公開テストと較べて低くなっています。
こちらの数字の方が日本人全体の割合と近いものになっています。
TOEIC700点以上の受験者は公開テストが約29%、IPテストが約11-12%と2倍以上の開きがあるのがすごいですね。
休日に自発的にTOEIC LR試験(公開テスト)を受験している方々の英語力の高さに驚かされます。
2020年のコロナ禍におけるTOEIC LR試験データ
TOEIC公開テスト 2020年は通常とは異なる傾向
再びTOEIC LR試験を提供しているIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が公開している公式データ・資料を見てみましょう。
2020年は新型コロナウイルスの影響により、感染防止対策のためTOEIC試験の受験回数が制限され、また受験が「抽選制」になりました。
そのため2020年のデータは2019年までのデータとはかなり異なる傾向を見せています。
- 2020年の公開テストの受験者数…553,636人
- 2019年の公開テストの受験者数…830,954人
このように2020年は約27.7万人も受験者数が減っています。
この点を踏まえた上で、2020年と2019年のデータを比較しながらデータを分析していきます。

2020年のTOEIC LR試験・公開テストにおいて700点以上の点数を獲得した人の割合は約36%(4.6%+5.4%+7.4%+8.6%+9.7=35.7%)の割合です。
受験者の3人に1人はTOEIC700点以上です。

2019年のTOEIC LR試験・公開テストにおいて700点以上の点数を獲得した人の割合は約29%(3.6%+4.2%+5.8%+7.1%+8.3%=29.0%)の割合です。
受験者の4人に1人はTOEIC700点以上です。
2020年の抽選制の年の方がTOEIC700点以上の人たちの割合が7%も多くなっています。
まとめると、公開試験の受験者数は2020年(55万人)、2019年(83万人)であるため、2020年の受験者数は2019年と比べて34%減っています。
この2020年(55万人) の方々はワクチン接種が始まっていない2020年のコロナ禍下においてさえもTOEIC受験をする人達です。そのため2020年のデータは例年よりも一回り高い点数となっています。
2020年は新型コロナウイルスの影響で特殊な年であったため、データもまた特殊になっていました。
なお、2021年の受験者数は2019年よりも少し少ないくらいの数まで回復しているため、2021年以降のデータは2019年と似たような数値になると予想されます。
この記事を書いた人
ハルヨン代表 柴田 @HAL_J
日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えて、
「TOEIC試験対策をいくらしても点数が伸びない初級者・中級者のための学習カリキュラム」
「Reading Part重視でTOEIC860点(A Level)に到達する。英会話・英作文も出来るようになる学習カリキュラム」
これら2つの学習カリキュラムを実現するレッスンをハルヨンでは提供しています。詳細はトップページをご確認下さい。
さらに詳しい情報に関して
この学習記事はハルヨンでのレッスンを土台にして作成しています。
ハルヨンについてより詳しく知りたい方・受講を希望する方は下記のボタンからオンライン説明会/個別相談会へお申し込み下さい。
