TOEICリスニング問題のコツと攻略方法|TOEICリスニング問題とワーキングメモリ

※この記事の執筆者はハルヨン代表のはるじぇー Twitter @HAL_J です。

英語力を図る指標として、また資格検定としても馴染みの深いTOEIC試験。TOEICスコアが伸び悩み、攻略法を探しているという方もいるのではないでしょうか。

今回の記事のテーマは、そんなTOEIC試験のリスニングセクション。リスニング問題解答のコツと、ワーキングメモリをもとにした試験の攻略方法についてご説明します。

目次

TOEICリスニング問題 パート1のポイント

TOEICのリスニングセクションはパート1からパート4の全100問で構成されています。

パート1は6問、パート2は25問、パート3は39問、パート4は30問です。

パート1は写真描写問題です。1枚の写真につき4つの描写文が読み上げられるのでその中から最も適切なものを選択します。文章は簡潔で他のパートに比べ分かりやすいので、時間配分や難易度に関して心配することはあまりありません。

ポイントを挙げるとすれば、問題文が流れる前に写真をよく見ておくこと、それに関連するキーワードを考えておくことでしょうか。

上のような庭の写真であれば  “grass”(芝生)や “gardening”(造園)などが出てくることが予想されます。

また、写真中央の男性だけなく、下記のような細かい点についても問われる可能性が有ります。

  • 背景で複数の人々が歩いていること
  • トラックが停まっていること
  • 木々が道に沿って並んでいること

出題傾向を予め推測しておけば、読み上げられる英文の理解が容易になるはずです。

パート1で読み上げられる選択肢の文章はどれも簡潔なものです。

パート3、パート4と比べると短文なため、これから始まるリスニングパートの小手調べとして位置付けることができるでしょう。

リスニングパートにおいては、リスニング音声が設問を読み上げるのに合わせて解答を進めていかざるを得ないので、時間配分に関してはさほど心配する必要はありません。

言い換えれば、リスニング音声に合わせて解答するリズムを掴み、それに慣れることがリスニングパートのポイントです。

TOEICリスニング問題 パート2のポイント

パート2は会話中の応答の問題です。音声として流れる問題文はリスニングセクションの中で最も短いですが、その分よく分からないと感じる方もいるようです。

会話形式ですので、文頭、特に疑問詞に注意を払いましょう。

これは普段の会話でも言えることですが、疑問詞を聞き逃す求められている情報が何か把握できません。

A: When does the plane to Seoul leave?
B: (A) No, I’ve never been.
(B) It’s an hour behind schedule.
(C) From Gate 52, I think.

ー引用:『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』別冊『解答・解説』p.8より

この問題の場合、文頭の “When”(いつ)を聞き逃してしまうと、“Where”(どこで)だったかなと思い(C)の選択肢を選ぶ恐れが有ります。

文頭の疑問詞をしっかり聞き取ることで必要以上に悩むことを防げ、スピーディーに回答できます。

かといって、質問文をもとに回答を絞りすぎるのも考えものです。

例えば、下記の問題。

Q: Are you riding your bike to work today?
A: (A) Alfonso’s writing the book.
(B) Only if the weather’s nice.
(C) Yes, I’d like to work there.

ー引用:『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』別冊『解答・解説』p.11より

“Are you ~ ?” から始まる疑問文なので “Yes/No” で答えるに違いないと(C) を選択してはいけません。

Yes/Noが省略されている場合がありますので、意味が通るかきちんと確認しましょう。

Part2ではこのように単純に疑問詞に対応した回答を選ばせない、より自然な会話を狙った変化球の問題が毎回出題されています。

TOEICリスニング問題 パート3のポイント

続いてのパート3は会話問題です。

2人または3人による会話を聞いた後に設問に対する4つの選択肢の中からもっとも適切なものを選択します。

パート3から読み上げられる文量が増えますし、会話ならではのリズムと口語表現もポイントになります。

分量が増えるパート3では受動的なリスニングではなく、能動的に自分にとって必要な情報を探し当てていくリスニングスキルが必要となります。

そこで必要となってくるのが、質問と選択肢の「先読み」です。

先読みが出来れば50-100点アップが可能

先読みとは、その設問の音源が流れ始める前に質問、選択肢を前もって読んでおくことです。

具体的には1問ずつ先回りして読んでおくペースで試験を進めていくのが良いでしょう。

以下はPart3とPart4の設問を解く際の流れです。

非常に重要な箇所ですので、繰り返し熟読して流れを理解するようにして下さい。

  1. Part1, Part2, Part3のディレクションが読み上げられている間に、Part3の最初の問題、Part3とPart4の最後にある図表に目を通しておく
  2. Part3の最初の問題では1~2つ目の質問が読み上げられている間に、問題を全て(3問全部)解く
  3. 最後の3つ目の質問が読み上げら始めたら、次の問題の設問1~3までを目を通す。※問題が解けていない場合でも解答のリズムを重視して、次の問題の先読みをするようにしましょう。
  4. 読解力がある人であれば、設問だけなく解答文にも目を通す。

この流れを繰り返し、問題文が流れるときには質問と選択肢に目を通している状態をキープしましょう。

先読みのテクニックを知っているかどうかでListening Partの得点が50~100点変わってきます。

TOEIC LR試験対策の語学スクールでは通常この先読みのテクニックを繰り返し練習させることで、短期間に50~100点アップを目指します。

模擬試験を3~4回は解けばこの先読みの時間間隔を身につけられますので、下記の公式問題集の使用方法記事を参考に、模擬試験に取り組み下さい。

あわせて読みたい
公式TOEIC Listening & Reading 問題集を使った学習方法について 本記事ではTOEIC公式本、TOEIC公式問題集と言われている「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」シリーズの有効活用方法を紹介します。 この記事で書かれている教...

先読みをするのに最低限必要な英語力 TOEIC600点

1点補足すると、先読みのテクニックを使いこなせる基礎力としては最低でもTOEIC600点は必要かと思います。

それだけの基礎力がない方は小手先の試験テクニックを習得するよりも、英文法・英単語の学習をされた方が良いです。

公式問題集を最低限使いこなすのに必要な英語力は「Reading Part 300点以上」、つまり英文法・英文読解の基礎力をすでに備えている人達です。

公式問題集は基本的に英文読解、品詞分解についての解説が有りませんので、最低限これだけの英語力がないと公式問題集を使った独学学習は出来ません。

TOEIC600点未満(Reading Part 300点未満)の方はまずは英文法・英文読解について学び、最低限必要となる英単語について学んで着手されるのがお勧めです。

(TOEIC500点未満の人は下記の教材に着手ください)

あわせて読みたい
TOEIC LR試験対策 英文法の基礎固めの2冊(+2冊) TOEIC LR試験で500点未満の初級者にお勧めの英文法参考書を本記事では2冊。加えて、それら英文法書を使いこなすための補助教材を2冊紹介します。 これらの参考書は負荷...

(TOEIC600点未満の人は下記の教材に着手ください)

あわせて読みたい
TOEIC600点に到達するための入門英文問題精講 4訂版 TOEIC LR試験で600点、Reading Partで300点に到達出来ない人は英文法・英文読解についての知識が欠けていると言えます。 また、少し難易度が高い複雑な構造の英文が来た...

(お勧めの英単語本)

あわせて読みたい
TOEIC LR試験対策 お勧めの英単語本 TOEIC LR試験で730点、800点、860点を超えるに当たって必要になるのは何は無くとも英単語・語彙・ボキャブラリーです。豊富な語彙力があれば、特別な試験対策をしなくて...

先読みをする際に注意すること

先読みをする上で確認すべき情報は「何についての話か」「誰の発言か」そして「4つの選択肢の違い」です。

会話ならではの省略にも注意です。例として以下のやりとりを見てください。

A: Hi, I’m calling to book a train ticket from London to Edinburgh, please.
I’d like to leave around ten o’clock on Tuesday morning.
B: Certainly, sir. I can reserve a seat for you on the train departing for Edinburgh at ten-thirty.
The cheapest fare is eighty-five pounds.
A: OK, I’d like to buy that ticket, please. I’d also like to find out whether there’s room on the train for                     passengers to take bicycles.
B: Yes, there is, but it’ll cost three pounds more to reserve a space for your bike.

ー引用:『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』別冊『解答・解説』p.13より

一番下の行、マーカの箇所では “Yes, there is (room on the train for…)” と省略がなされています。

また “so” や “one”、“that” など前の内容を示す語にも注意が必要です。公式問題集などを解く際にこれらが一体何を指しているのかに注意して取り組んでみると対応力がつくでしょう。

また「設問は対話の中から前半、中盤、後半と順番に出題されやすい」と言うことを覚えておくと良いでしょう。

設問で聞かれる内容は「流れる音源の前半部の内容」→「後半部の内容」というように、トークの最初から後の方へと順を追って出題されることが多いです。

パート3では1つの音源に対して3つの質問が出題されますが、それらの質問のトピックに基づいて音源を3つのパートに区切る(ゾーニング)意識で聞くのが良いでしょう。

もし、自分が処理できる情報量を超えそうな場合にはその情報の中に区切りをいれて、それぞれのより小さなまとまりごとに考えていくことが情報処理の際のコツです。

これを覚えておくことで、途中で内容が分からなくなったときでも2問目、3問目から立て直せます。これはパート4でも同様です。

TOEICリスニング問題 パート4のポイント

最後となるパート4は説明文問題。

アナウンスやナレーションなど、1人の人物による話を聞いた後に設問に答えます。

複数人が登場するわけではないので判断材料が少なく、文章も長い上に内容が硬くなるので語彙も難しくなります。

その問題にどれだけの時間を割き、次の問題にどれだけの時間を残すかの時間のコントロールが鍵になるでしょう。

そのためにパート3でも紹介した先読みを有効活用してください。

パート4では登場人物が1人なので、パート3に比べて状況が掴みづらいです。

しかしイントロダクションで状況説明がなされていることが多いので、イントロダクションもしっかり読んで情報を得ましょう

Questions 92 through 94 refer to the following telephone message.

A: Hello, Ms. Feldman. This is Geraldine Whitney at the Metropolitan Hotel. You asked about the , um, art         exhibitions that’ll be showing while you’re in the city for your sales meeting. I wanted to let you know….

ー引用:『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』別冊『解答・解説』p.118より

the following telephone message(以下の電話でのメッセージ)とあるように、イントロダクションから、電話でのやり取りであることが分かりますね。

このように情報を得ることで内容が理解しやすくなります。

またこのパート4においては、同じく長文のリスニング能力が必要とされたパート3と比べ、難しい語彙が多く使われます。

内容が公式の案内やアナウンスなどであるため、長文を聞き取れる能力にプラスしてやや難しめの長文をすぐに理解出来る能力、すなわち速読力が必要とされます。

パート4においては「読み上げられる英文を瞬時に理解できる読解力があるかどうか」が非常に重要です。

今までのパートに比べて語彙のレベルが上がっており、それらの文章を読んだ時に理解できるだけの読解力が問題を解くための前提条件として必要になってきます。

またさらに、先読みを行うため文章の速読力も必要とされます。

リスニングパートですが、速読力などリーディング分野の力も大切です。

また、リスニングセクション全体を通して使えるコツが消去法です。

正しい答えを探そうとするよりも明らかに違う答えを1つずつ消去していくことで正解にたどり着くことができます。

TOEICの試験の特徴として、紛らわしい誤答が選択肢として出てくることがあまりないということが挙げられます。

ですから、1つの選択肢を聞き逃してしまい、正答が分からなくなった場合でも他の選択肢を吟味することで、結果として正答にたどり着くことが可能です。

リスニングにおいてはすべての選択肢を丁寧に吟味し、直接的に正解を探すだけではなく、消去法を使いながら、正答の候補を減らしていくことも有効です。

完璧に聞き取ろうとすると、プレッシャーや焦りで聞き逃しやすくなってしまうものです。消去法を使って、リラックスして効率的に解答していきましょう。

もう1つのコツは、マークを塗りつぶすことに時間と注意を割かないということ。

次の問題が始まりそうなとき、次の問題を読んでおきたいときなどはマークにチェックを付ける程度にし、後で時間があるときに塗りつぶすのがおすすめです。

受験中の注意力も大事! 必要な情報のみに集中すべし

また、受験中に集中力・注意力を切らさないことも大切です。

45分のリスニングセクションでは音声を聞きながら問題文を理解し、正解を選ばなくてはなりません。

ここで求められるのは音声への「注意を維持」しながら、音声あるいは問題文中から「必要な情報を選び取る」こと。

ですが「集中力・注意力を切らさない」とは言っても、私たちは外部からの刺激すべてに対応できるわけではなく、必要な情報を瞬時に判断し選び取る必要があるのです。

人間の感覚器官には常に膨大な情報が入力されていますが、それらをすべて意識することなんてできません。

脳が一度に処理できる容量には限界があるため、必要に応じて取捨選択の重要な役割を担っているのが「注意」なのです。

この「注意」にはいくつか種類があり、以下のように分類することができます。

  • 「持続的注意」長時間にわたって物事に注意を維持する
  • 「選択的注意」いくつかの情報から必要なもののみを選ぶ
  • 「分割的注意」2つ以上の対象や課題を並行して処理する
  • 「転換的注意」関係のない情報の処理や不必要な行為を抑える

リスニングセクションの最中に、「他の受験者の貧乏ゆすりや鉛筆の音、外から聞こえてくる鳥の声などが気になって仕方がない!」という方もいることでしょう。

そんなときには「関係のない情報の処理や不必要な行為を抑える」転換的注意力が求められます。

リスニング音声だけに集中し、それ以外の情報・外界からの刺激をシャットアウトしなくてはなりません。

またリスニングセクションでは、聞いたばかりの音声を記憶として記録し、その情報を用いて問題文に沿って正解を導き出さなければなりません。

その際に活躍するのが脳内にある「ワーキングメモリ」。一時的に記憶していたことを必要な情報として取り出し、その情報を用いて何か考える際に用いられます。

ワーキングメモリには個人差があり、どの程度鍛えられるのかは学会でも結論を得ていません。

ですが解答の中で見つけた「苦手な処理タスク」を意識して、改善していくことがTOEIC攻略とスコアUPにつながるかもしれません。

例えば、音声タスク(リスニング)に意識を取られて、解答に注意を切り替えられない場合(転換的注意)。いかに意識を切り替えて、解答を効率的に解いていくのかが重要になります。

リスニング音声に気を取られすぎず回答時間を十分に取ったり、あらかじめ問題文を見ておくことなどの対応ができるでしょう。

(次の記事)

Listening Partに引続き、Reading Partの攻略法記事は下記になります。

あわせて読みたい
TOEICリーディング問題の解説|Part5, Part6, Part7 各パート問題の攻略法 ※この記事の執筆者はハルヨン代表のはるじぇーです。 前回の記事ではTOEICリスニング問題のコツと攻略方法について紹介しました。 今回の記事で紹介するのはReading Par...

この記事を書いた人

ハルヨン代表 柴田 @HAL_J

日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えて、

「TOEIC試験対策をいくらしても点数が伸びない初級者・中級者のための学習カリキュラム」

「Reading Part重視でTOEIC860点(A Level)に到達する。英会話・英作文も出来るようになる学習カリキュラム」

これら2つの学習カリキュラムを実現するレッスンをハルヨンでは提供しています。詳細はトップページをご確認下さい。

さらに詳しい情報に関して

この学習記事はハルヨンでのレッスンを土台にして作成しています。

ハルヨンについてより詳しく知りたい方・受講を希望する方は下記のボタンからオンライン説明会/個別相談会へお申し込み下さい。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

目次
閉じる