(最初に・記事の執筆者に関して)この記事の執筆者は日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えているオンライン英語学習サービス、ハルヨン代表のはるじぇー @HAL_Jです。
- TOEIC L&R試験の点数は就職・転職活動において、どのくらい重要視されているのか。
- 有名企業で必要とされている点数は何点なのか。
- 海外・国外への赴任を目指しており、その場合TOEIC L&R試験の点数はどれくらい必要なのか
上記のことが気になる就職・転職活動をされている方にこの記事を執筆しています。
この記事を読んで、希望する就職先・転職先の選考通過や配属に必要なTOEICの点数を確認してください。そして自分に必要なTOEICの点数を獲得するために、英語学習に取り組んでいきましょう。現在では「新卒・中途採用での採用基準」「昇進の基準」「国際部門へ配属・海外出張・海外赴任の基準」としてTOEIC LR試験の点数を参考にする企業は多くあります。
具体的な求人情報から「各企業が入社基準としているTOEIC LR試験の点数」もまとめていますので、参考にしてください。
記事の最後にはTOEIC L&R試験の点数を効率よく上げる学習方法の紹介もしています。
※記事中では「TOEIC L&R試験」のことを「TOEIC」と略称で呼んでいます。
「新卒・中途採用」のために必要なTOEICスコア
大学生の就職活動や、社会人の転職活動における「英語力の重要性」は高まってきています。なぜなら、多くの企業が英語力のレベル推定に「TOEIC L&R試験」を利用しているからです。
英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度においては、新卒採用においては49.1%、英語を使用する部署の中途採用においては53.8%がTOEIC LR試験の点数を要件・参考としています。
同じく英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度からの引用になりますが「社員・職員に期待するTOEIC Programの平均スコア」では新入社員には535点、海外部門では690点の平均スコアが期待されています。
英語を使った仕事をしたいのであれば、新入社員の平均点である535点ではなく、690点を上回るTOEIC700点を最低限の目標に設定しましょう。この700点が足切りの点数になります。
また、英語力を武器に差別化を狙うのであれば、新卒就職活動にはおいて「TOEIC L&R試験で800点 + 英語面接で受け答えが出来ること」が必要になります。商社や外資系企業への就職を狙うのであれば最低限これだけの英語力が必要になります。
また、中途採用で経験職種への転職活動では「TOEIC L&R試験で800~900点 + 英語で仕事を行った実績」が有効になります。
「採用・配属」の基準としてTOEICを導入する企業一覧
企業の求人情報を見ると、採用時や国際部門への配属時に「どのくらいのTOEICスコアが必要か」が分かります。
「採用・配属」の基準としてTOEICを導入する企業を一覧にしてまとめました。
「採用時」にTOEICスコアを参考にする企業
採用時に「TOEICスコアを参考にしている企業」と「求められる点数」を表にしました。
TOEIC | 企業名 |
TOEIC900点以上 | 外資系エグゼクティブサーチファーム リソース・グローバル・プロフェッショナル・ジャパン株式会社 |
TOEIC850点以上 | オーストラリア大使館(商務官) |
TOEIC800点以上 | 楽天株式会社株式会社コナミデジタルエンタテインメント(ゲームプランナー) 株式会社サテライト(海外担当) 大阪ガス株式会社(国際会計) |
TOEIC750点以上 | 株式会社ジェイティービーグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK) アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 (AWS) 三菱自動車工業株式会社ジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン 株式会社アイデックス ラボラトリーズ 株式会社 |
TOEIC730点以上 | 武田薬品工業株式会社 日産自動車株式会社ユニリーバ・ジャパン |
TOEIC700点以上 | ファーストリテイリング日本フローサーブ株式会社ジーシーアークレイ株式会社経営戦略(事業開発・経営管理) 三菱電機株式会社(営業) マツダ株式会社(SE) |
TOEIC650点以上 | オリックス株式会社三菱日立パワーシステムズ株式会社 東芝機械株式会社(工作機会営業) 株式会社本田技術研究所(二輪研究開発) 矢崎総業株式会社(生産管理) タケモトピアノ株式会社(海外営業) |
TOEIC600点以上 | 日本アイ・ビー・エム株式会社全日本空輸株式会社 エイヴィエルジャパン株式会社 日産トレーデイングジャパン株式会社(輸入貿易事務) 日本オラクル株式会社(セールス) 第一実業株式会社(営業) |
TOEIC500点以上 | 株式会社日立製作所株式会社夢テクノロジーYUME TECHNOLOGY CO.,LTD 川崎重工業株式会社(プラント関係) パナソニック株式会社(ソフトウェア設計) 株式会社サンリオコーポレーション(海外営業) |
TOEIC470点以上 | 富士重工業株式会社 ※470点という水準では英語での業務は満足に出来ないので、基礎学力を診断するために採用しているのかな?と推測しました。@HAL_J |
「海外営業部」配属時にTOEICスコアを参考にする企業一覧
中途採用は「英語以外のスキル」や「経験実績」で選ばれる側面があります。TOEICを指標にするか否かでいうと「国内企業」と「外資系企業」で大きく異なります。
日系企業であっても、海外営業部など「英語を使うことが前提となっている部署」や「英語が公用語を方針としている企業」では一定以上のTOEICスコアが求められます。
ただ、日系企業の場合、採用面接官の英語力がそんなに高くないため、英語面接が実施されない場合も有ります。
下記に海外営業部への配属時に「TOEICスコアを参考にしている企業」と「求められる点数」を表にしました。
上の表は、採用ページに記載されている要求スコアを元にまとめました。
海外営業部とはいえ、そこまで極端に高いスコアが求められるわけではありません。
これは採用を行う人事の人間が、自分自身で英語面接を行えないために英語力を正当に評価できないことから生まれる日系企業の独特な採用文化でしょう。
正直な話、TOEIC L&R試験で800点未満の英語力の場合、話す・聞くのやり取りは厳しいです。そのため「TOEIC600点以上」という求人条件では、メール対応など、あまり即時性が求められない仕事を担当することになるのかなと推測しました。
「転職」に関して言うと、日系企業であれ外資であれ「実用スキル」や「実績経験」を重視して採用します。業務遂行に必要な英語力はもちろんですが、比重としては「英語以外の部分が大きい」と思ってください。企業としては「英語が出来る人」ではなく、「英語を使ってお金を稼ぐことが出来る人」を採用したいと考えているので、実務経験・実績重視になります。
「昇進」のために必要なTOEICスコア
英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度によると、3-4割の企業が係長・主任、課長などへの昇進・昇格にTOEIC LR試験の点数を要件・参考にしています。
求められる点数は約500点と必ずしも高い点数では有りません。どちらかというと、英語が出来ない社員を昇格させないための足切りの基準と言えます。
学生時代に英語学習をしていた人であれば、TOEIC500点、600点は難しい点数では有りませんが、全く勉強していなかった人の場合だと1年半~2年半は英語学習をする必要があるのでかなり大変なことかもしれません。
参考にTOEIC500点を目指すための記事を下記に紹介致します。
TOEIC500点、600点はそれほど高くない点数だけれども…
なぜ、これほど多くの企業が可能性があるとしながらも、現実には「異動・昇進・昇格の要件」としてTOEICスコアを導入していない、導入していてもTOEIC500~600点というあまり高くない点数になっているのでしょうか。
のでしょうか。これはおそらく、昇給の対象となるような社員に「TOEIC LR試験に慣れ親しんでいない世代の人」(30代後半、40代以上が該当)が多いからです。
一方で、現在の若い世代が企業の幹部候補となる際には、より多くの企業が「異動・昇進・昇格の要件」としてTOEICスコアを参考にする可能性が高いと予想できます。
「国際部門へ配属・海外出張・海外赴任」のために必要なTOEICスコア
「国際部門への配属」「海外出張・海外赴任への選抜」など、英語を使った仕事をするためには、より高い英語力が求められます。
「国際部門への配属」のために必要なTOEICスコア
すでに紹介しました英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度からの引用を再度紹介しますが「社員・職員に期待するTOEIC Programの平均スコア」において海外部門では690点の平均スコアが期待されています。
また、英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン 2019年度を見てみると、TOEIC L&R試験の点数帯毎にどのような業務ができるのかがまとまっていました。
(上記画像の右項目より)TOEIC L&R試験スコア帯別にみると、「800点以上」は「海外赴任できる」を、「600-800点未満」は「取引先/海外支店とメールでやり取りが出来る」を、「600点未満」は「挨拶ができる」を、現在の英語力に最も近いスキルだと回答した。
TOEIC800点以上になれば、「海外赴任できる」「通訳なしでの海外出張に1人でいける」という能動的な仕事が可能になります。
TOEIC600-800点未満の場合だと「取引先/海外支店とメールでやり取りが出来る」という受動的な仕事しか出来ません。
英語を使って仕事をしたいのであれば、TOEIC800点は必須です。
「海外出張」「海外赴任」のために必要なTOEICスコア
海外出張・赴任者選抜においてTOEIC LR試験を要件・参考にしている企業は4-5割です。
海外出張者の平均点数は620点、海外赴任者の平均点数は635点とあまり高くないですね。すでに紹介したように、TOEIC600-800点未満の場合だと「取引先/海外支店とメールでやり取りが出来る」といった受動的な仕事が出来る水準にすぎないので、海外出張現地でのサポートが必要になります。
繰り返しますが、TOEIC800点以上になれば、「海外赴任できる」「通訳なしでの海外出張に1人でいける」という能動的な仕事が可能になります。
海外出張・海外赴任を目指す方はTOEIC800点を目指して学習を進めましょう。
以下にTOEIC800点を目指すための記事を紹介します。
TOEIC LR試験の点数とスピーキング能力は比例関係にある
TOEIC LR試験対策だけしていても「英語を話す能力」は向上しません。TOEIC試験対策に加えて「スピーキング対策」を行うことで、はじめて英語を話せるようになります。
また、TOEIC LR試験の点数とスピーキング能力には高い相関関係があります。なぜなら、基礎的な英文法の理解・英語の音を正しく聴き取ること、これらができていないと相手の会話の意図を理解できず、自分の伝えたいことをまとめることができないからです。
多くの学習者を見てきた経験から言うと、TOEIC L&R試験で800点以上の上級者の場合、英語が全く話せなくても、1~3ヶ月の期間、英会話に絞って学習を進めれば、それなりに英語を話せるようになります。一方、TOEIC L&R試験で600点前後の中級者の場合だと、3~6ヶ月の期間が必要になります。
TOEIC LR試験で目標点に到達した人はTOEIC SW試験の受験も検討下さい。
TOEIC SW試験対策の最初の一冊としては下記の1冊がお勧めです。
TOEIC(R) スピーキングテスト究極のゼミ–本物のスピーキング力養成と確実なスコアアップを実現! 究極のゼミシリーズ
Speaking試験対策の学習方法は下記の記事を参考にして下さい。Audipoの区間再生と再生速度の変更がSpeaking試験対策には知っておくべき必須の機能になります。
この記事を書いた人
ハルヨン代表 柴田 @HAL_J
日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えて、
「TOEIC試験対策をいくらしても点数が伸びない初級者・中級者のための学習カリキュラム」
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