英語学習において音読学習は非常に有効ですが、順番を間違うと効果をほとんど発揮せず、英語力を伸ばすことが出来ません。
この記事では音読学習を効果的に行うために必要な準備について解説します。
座学学習で音読学習の準備を行う
音読学習を始める前に準備が必要です。
この準備を机に座っての座学学習で行います。座学学習で行うべき手順は下記になります。
- 手順1. 英文の日本語訳を読む、英単語の意味を日本語で確認する。
- 手順2. 英文を精読し、品詞分解を行う。
- 手順3. 重点的に暗記する英文を選ぶ。
- 手順4. リスニング音源を区間再生用に1英文毎(5秒前後)で区切る。
(必要な勉強時間に関しての補足)
この4つの手順は午前10時までの座学学習で30分~1時間程度行って下さい。
手順1. 英文の日本語訳を読む、英単語の意味を日本語で確認する。
初級者・中級者の場合、英文を読んでも理解出来ない箇所が多いため、最初に日本語訳・日本語解説を確認した方が効率的です。
最初は英文を見ずにリスニング音源を聞いてみましょうと学習方法が推奨されることもありますが、あれは上級者向けの学習方法です。
知らない英単語・英語表現が多数ある初級者が、英文も見ずにいきなり英語のリスニング音源を聴くのは非効率的です。初級者・中級者はしなくて良いです。
辞書はWeblioとGoogle検索がお勧め
英単語の意味を調べる場合、お勧めはweblio 英和辞典・和英辞典です。
ウェブ上にあるオンライン辞書を使用するのが一番手っ取り早く意味を調べられる方法です。
また、weblioで適切な意味にたどり付けなかった場合は、Google検索で「(調べたい英単語・熟語) 意味」で検索をすればその英語表現の意味を解説しているウェブ記事を見つけることが出来ます。
下記はWeblioでピンとこなかった英語表現 “nice-to-have”をGoogleで検索した結果
いくつかのウェブ記事を確認したところ、「あると良いもの・助かるもの」という意味であることが分かりました。
文字の入力はパソコンが一番であるため、座学学習はパソコンを前に行うのが効率的です。
座学学習を行う場合は、上にある写真のようにパソコンを使用しながら行うと効果的です。
また、パソコンは英単語の意味を調べるだけでなく、次に紹介している「英単語の画像検索」でもあると便利です。
英単語はGoogle画像検索で理解し、暗記するようにする。
日本語訳を見ていても、言葉の意味や概念が理解できない場合はGoogle画像検索も行いましょう。
例)glance at チラッと見る であれば検索すれば、下記の画像が出てきます。
「Look at ~を見る」とは異なるニュアンス(チラッと見る)が含まれていることが分かります。
百聞は一見にしかず。Googleの画像検索は非常に有効ですのでどんどんと使っていきましょう。
「sign…標識」で検索した場合に表示される画像一覧
「office supplies…オフィス用品、事務用品」で画像検索した場合に表示される画像一覧
このように意味が分からない英単語を辞書で調べてもしっくりと来ない場合はGoogleの画像検索でその言葉に対応する画像を見るのがお勧めです。
画像検索で確認をすれば、「百聞は一見にしかず」で一発で英単語が持つイメージを把握出来ます。
英文精読のゴールは「英文を自分の頭の中で映像化する」ことですので、そういう点からもお勧めです。
また、音読学習の項目で再度説明しますが、音読では「頭の中にある映像を英文にする」ということを行いますので、ここでも英単語を映像化して暗記しておくと学習は捗ります。
この画像検索は英単語の難易度が増すほどに効果を発揮しますので、初級者から上級者まで重宝する暗記方法です。
「orbit…軌道」で検索した場合に表示される画像一覧
難易度が高い理数系の言葉も一発で腑に落ちます。
手書きで英語を書いて暗記するよりは、キーボードでタイピングしながら(あるいはスマホでフリック入力しながら)暗記する方が今の時代に合ったやり方でもあります。
そのため英単語の綴りを確認する練習も兼ねて、Google画像検索で英単語が持つ概念を把握するようにしましょう。
語学力が高い人は辞書を引く回数が多い
語学力が高い人の特徴を1つ上げると「辞書を引く回数が多い」というものがあります。
分からない英単語に遭遇したら、分からないままにしておくことなく、すぐに辞書を引いて意味を調べます。
一方、海外に何年も住んでいても、また配偶者が英語を話す外国人でも英語力が全然上達していない人達はほとんど全員が「分からない英単語の意味を辞書で日常的に調べません」。
こういう人たちは、分からない英語表現に遭遇しても、知っている英単語・英語表現でなんとかその場をやり過ごしています。
海外生活で生活に必要になる知識を増やしていけば、実際英語を使うことなく、身振り手振りでやり通すことも可能です。そのため英語力が低くてもなんとかなります。
私の周りで海外生活をしているけれど、英語力が全然上達していない人たちのことを思い出してみると、彼らが辞書や英語参考書を開いている場面が全く想像できない人たちばかりでした。
逆に着々と英語力を伸ばしている人たちは、分からないことを分からないままにしておくことなく、その場で辞書を引いて調べる人たちです。また、余暇の時間には英語参考書を開いています。
英語学習をしている期間において、1日に1度も辞書を引くことなかったら、それは全然進歩していないことを意味します。
辞書はすぐ引けるようにしておきます。私のスマートフォンのトップ画面にも「Weblio」のアプリが設置されています。
英語力を月日とともに着実に伸ばしていきたい学習者は、分からない英単語に遭遇したら必ず辞書で意味を調べるようにしましょう。
手順2. 英文を精読し、品詞分解を行う。
次に不明な英単語・英語表現の表現を調べて、英文の品詞分解を行っていきます。
注意点としては、TOEIC L&R試験のReading Partで350点を超えるあたりから自信を持って品詞分解が出来るようになってくるということです。
それ未満の英語力の場合、漠然と理解しているような感覚が続きます。具体例を1つ挙げます。
(下記画像の3行目からの英文) Developing nations were under-represented, with competitors facing obstacles…
この with competitors facing obstacles の箇所は付帯状況についての知識がないと読めません。
competitors(選手たち)とfacing(直面している)が主語と動詞の関係になっています。
※画像のレッスンノートはハルヨンの高校英文法上級/TOEIC730点突破クラスで使用したもの
上記画像のような英文が正確に読めてはじめて、TOEIC LR試験のReading Partが300点を超えてきます。
初級者・中級者は焦らずに、最初から完璧に出来ると思わずに、出来る範囲で品詞分解をしていってください。
まずは英文の8割を理解することを目標に品詞分解を行って下さい。
手順3. 重点的に暗記する英文を選ぶ。
理想的には全ての英文を暗唱するまで読み込むのが良いです。しかし、それだと時間がいくらあっても足りません。
そのため自分が特に重要だと思った英文、また自分が将来使いたいなと思った英文に絞って重点的に暗記しましょう。
1英文記事で1英文、もしくは10英文毎に1英文を選び重点的に暗記しましょう。
暗記を促進するために、イラストを書く、グーグル画像検索を行うとなお良いです。
※ハルヨンのレッスンではこの手順1-手順3までを補助しています。
手順4. リスニング音源を区間再生用に1英文毎(5秒前後)で区切る。
AudipoやRepete Plusを使って、区間再生のための準備を行います。
区間再生の詳細に関しては下記の記事で確認ください。
この後に行う音読学習、リスニング学習でも必要な事が書かれているので、必ず下記の記事の内容を確認下さい。
長くなりましたので、次の記事にて音読学習の効果的な実践方法について紹介します。