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TOEICの配点について|TOEIC試験の配点を意識した試験対策とは?

※この記事の執筆者はハルヨン代表のはるじぇー Twitter @HAL_J です。

ご存知の方も多いと思いますが、TOEICは1から4のリスニングパートと5から7のリーディングパートに分かれており、パート毎に形式、難易度、対策法も異なっています。

本記事ではその点を踏まえ、TOEIC L&R試験の各パートの様式や英語力、配点について解説していきます。

目次

TOEIC L&R試験 各パートの様式と求められる英語力、配点

実はこのTOEIC 試験、配点がはっきりとは決まっていません

テスト結果は合格・不合格ではなく、リスニング5~495点、リーディング5~495点、トータル10~990点のスコアで5点刻みで表示されます。 このスコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理によって算出された換算点(Scaled Score)です。

TOEIC L&Rの採点は正解数に基づいて行われます。誤った解答は減点されませんので、答えに迷った場合でもどれか1つにマークすることをお勧めします。特にリーディングセクションにおいては時間配分に注意し、最後の問題まで解答欄にマークするように心がけてください。

出典:テスト結果について|TOEIC Program|IIBC

上記のようにTOEICは正解した問題の配点の合計によってスコアが換算されるわけではありませんから、「配点」という概念がありません。

ですから本記事では問題数を基準として考えます。
スコアは5点刻みですから、ここでは1問5点として配点を換算します。

TOEIC パート1の様式と求められる英語力、配点|リスニングパートの6%

TOEIC パート1の問題数は全部で6問。1問5点とするなら30点です。
リスニング音声に合わせて解答していくリスニングパートですからつまずいてしまうと立て直すことが難しく、ずるずるとミスを重ねてしまうこともあります。
まずはパート1を攻略し、幸先の良いスタートを切りましょう。

パート1は写真描写問題で、1問につき1つ問題用紙に写真が印刷されています。1枚の写真に対して、描写する文章が4つずつ読み上げられるので、その中から最も適切なものを選択する問題形式です。

TOEIC パート1で測られている基礎英語力は短い文のリスニング能力。短く簡潔な文章ですので、「そもそも読み上げられる文中の単語を知っているか」「知っている単語を英語の音として認識・理解できるか」の2つが正解を導き出すカギとなります。

TOEIC パート2の様式と求められる英語力、配点|リスニングパートの25%

パート2の問題数は25問。1問5点として全145点です。
リスニングパートは全100問ですから、1/4を占めています。
会話での応答を扱い、音声として流れる問題文の長さはリスニングの全4パートの中で最も短いのですが、その短さから要点を聞き逃しやすいと感じ、苦手としている人も多いパートです。

“Mark your answer on your answer sheet”(解答用紙の該当部分をマークしてください)という指示が印刷されているのみで、問題文やパート1のような写真・図表はありません。

TOEIC パート2で測られている基礎英語力は短い文のリスニング能力、および会話の中での応答力です。

パート2を厄介にしているのは、このパートの中でのみフォーカスされている「会話の中での応答力」です。

単純な暗記のみによる対応は難しく、会話の中での即時対応力が試されます。

TOEIC パート3の様式と求められる英語力、配点|リスニングパートの39%

TOEIC パート3の問題数は全39問。1問5点とすると195点満点で、リスニングパートの中では最大のボリュームです。

パート3は会話形式で、2人または3人による会話を聞いた後に設問に答えます。
会話は印刷されていませんが、各設問と選択肢は印刷されており、各設問に対する4つの選択肢の中からもっとも適切なものを選択する形です。

パート1・2に比べて一度に聞く文章も長くなり、より実際の英会話に近い状態となっています。また新形式では、旧形式に比べて省略した表現や不完全な文による表現も増えているため、実際の会話に慣れていなければ難しさを感じることも多いでしょう。

このパート3で測られている基礎英語力は、ある程度の長文のリスニング能力と会話を追う能力です。

文が長くなったこと、複数の文が続けて読み上げられることにより、短文を聞くよりも高いリスニング能力が求められるのが、長文におけるリスニング能力です。ただし、パート3においては単語は口語なので比較的平易な表現が用いられています。

また、このパートの会話の内容を一層つかみにくくにしているのは「会話ならではの口語性」です。
会話で行われるテンポのよいやり取りは、口語的な表現や省略によって生み出されていますが、それは一方で文の一部を削ぎ落とすことでもあるので、慣れていなければ意味がつかみにくい場合もあります。

さらに、パート3・4で必要となってくるのが情報処理能力です。当然設問の対話が長くなればなるほど、その対話の内容を質問に答えるまで保持しておく必要が出てきます。ただし、早いペースで英文を理解していく必要のあるリスニングパートにおいては情報処理に限界があるので、保持する能力を高めるよりは、保持する情報を減らしていく戦略をとった方が賢明です。

そのため、意外にも必要とされるのが文章の速読力です。

「リスニングパートでなぜ速読力?」と思うかもしれませんが、正答率を上げるためには質問および選択肢を先読みする必要があります。

そこで必要とされるのが、短時間で文章を読み込める速読力です。

TOEIC パート4の様式と求められる英語力、配点|リスニングパートの30%

TOEIC パート4の問題数は30問。1問5点として換算すると120満点です。
説明文問題で、アナウンスやナレーションなどを聞いた後に設問に答える形式です。
会話は印刷されていませんが、各設問と選択肢は印刷されており、各設問に対する4つの選択肢の中からもっとも適切なものを選択します。
選択肢は読み上げられませんが、各設問は音源の中に含まれており、読み上げられもします。

リスニングパートの最後に待ち構えるパート4は、パート1・2に比べて一度に聞く文章も長く語彙のレベルも高くなっています。
また登場人物が1人とパート3と比較してメリハリがないため聞き取りにくく、難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

文章が長くなるためその量とスピードに圧倒されて「何を言っているのか全然聞き取れない!」という方も増えてくるはずです。
さらにパート4の問題は公式な案内などについてのもので、使われている単語自体もパート3に比べてやや難しくなっています。

また、リスニングパートは音源に合わせて解いていくので、時間配分に関しては基本的に心配する必要はないのですが、パート3・4においては自分で時間を管理する必要があります。

ただし、それはパート全体としてどれだけの時間をかけるか、といったタイムコントロールではなく、1問の音声が流れる中でどれだけの時間をその問題を解くこと自体に使い、どれだけの時間を次の問題の準備をすることに使うのか、といった1問単位でのタイムコントロールです。

TOEIC パート4で測られている基礎英語力はある程度の長文のリスニング能力、および語彙の水準が高い文章のリスニング能力です。

文が長くなり、複数の文が続けて読み上げられるので、短文を聞くよりも高度なリスニング能力が求めらます。

そしてパート4で使われる語彙は比較的公的で難しいものが多いため、長文を聞き取る能力にプラスして、やや難しめの長文をすぐに理解出来る能力、すなわち速読力が必要とされます。
「読み上げられる英文を瞬時に理解できる読解力があるかどうか」が攻略のカギです。

今までのパートに比べてアナウンスやナレーションなど少しレベルの高い語彙が使われる内容となってくるので、それらの文章を読んだ時に理解できるだけの読解力が問題を解くための前提条件として必要になってきます。

TOEIC パート5の様式と求められる英語力、配点|リーディングパートの30%

リーディング問題が始まるパート5は全30問の150点満点(1問5点として換算)です。

短文穴埋め形式で、文章中の空欄に最も適するものを4つの選択肢から選びます。
1問あたりの解答時間の目安は30秒程度。1分以上考えても分からない問題は飛ばすか、一番適切だと思うものをマークして次の問題に進んでしまいましょう。
知識を問うている問題なので、分からないなら悩んでも仕方ありません。

TOEIC パート5で測られている基礎英語力はずばり文法力および語彙力です。
「文法力」と言ってもざっくりとしているので、分かりやすく構成要素を列挙しましょう。

「品詞」「動詞の形(時制、態、分詞)」「代名詞・関係代名詞・限定詞」「前置詞・接続詞」「語彙」に関する正確な知識を測っているのがパート5です。
これらの項目は英語の文章を読む上での基礎となりますから、TOEIC パート5対策はパート6・7の正答率を上げるためにも重要です。

逆に言えばTOEIC パート5を苦手としている場合は基礎的な文法事項(英文を正確に理解するために必要な項目)に対する理解が足りないため、闇雲に演習を重ねてもパート6・7の点数は伸び悩むことが多いでしょう。

TOEIC パート6の様式と求められる英語力、配点|リーディングパートの16%

TOEIC パート6の問題数は全16問。1つのまとまりのある文章から4つの問題が出題され「大問4つ×設問が4問=16問」となります。
問題の形式は、やや長い文章の中での穴埋め問題です。
文章中の空欄に最も適する解答を、4つの選択肢から選びます。

1問あたりの解答時間の目安はパート5と同様に30秒程度。
1問5点として考えると、80点満点です。
パート6では意味的にまとまった連続する文章の中から複数題の穴埋め問題が出題されるので、パート5に比べて見た目としては長くなっていますが、それぞれ独立して考えることのできる問題も多く、その場合パート5(短文穴埋め問題)の延長として考えることができます。

TOEICパート6で測られている基礎英語力は、「文法力および語彙力」と「文脈を追って適切な文の流れを見定める力」です。

文法力および語彙力」はパート5でも求められていましたが、パート6ではさらに文脈の理解も必要です。具体的に言えば、パート5とパート6を大きく分けるのは「文挿入問題」の有無です。下記は文挿入問題の例。選択肢は全て文法的には正しい文章ですから、最も文脈に適しているで文を選ばなければなりません。

132. (A) We could send you one of these right away.
(B) Thank you for returning them.
(C) These will be available early next season.
(D) You may exchange your new suits for a larger size.

引用:Educational Testing Service著『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』国際ビジネスコミュニケーション協会、p.51より

ここで必要とされるのが、文脈を追って正しい会話の流れを見定める力です。
それゆえ、パート5に比べて要求される英語力も高く、難しくなります。

TOEIC パート7の様式と求められる英語力、配点|リーディングパートの54%

TOEIC パート7の問題数は全部で54問で、1問5点とすると270点満点。単一パートとしては最大の問題数で、かつ最も分量があります。
問題の形式は長文読解が中心です。
メール、広告、新聞記事などの文章に対して設問が2〜4問あります。
それぞれの設問には4つの選択肢があり、その中から最も適する選択肢を1つ選択します。

リーディングパートの総仕上げで、様々な要素の総合力が求められるTOEICの中で最もタフなパートです。
適切に解答するには注意の分配能力、解答テクニックなど英語力以外の部分も必要になります。
毎回パート7で時間が足りず、数問未回答になってしまうという方も多いのではないでしょうか。

ここでは1問毎の解答時間はあまり気にしないほうが賢明でしょう。
問題文の長さがまちまちなことに加え、特定の情報が見つかればすぐに解ける問題から解答に時間のかかる問題まで様々なためです。
パート7全体に使える時間だけは大まかに把握しておくようにしましょう。

問題の難易度などによって、どの問題を解きどの設問を飛ばすかといった選択も変わってきます。その都度瞬時に決めなくてはなりません。英語力だけではなく時間把握・管理を適切に行う『タイムマネージメント能力』も問われているのがパート7です。

TOEIC パート7で測られている基礎英語力は総合力と言えるでしょう。
英語の長文を読むために必要なスキル全てです。総合力を高めるために必要な各要素は「文法力」「語彙力」「速読力」「情報処理能力」などがあげられます。

文法力と語彙力は1つ1つの文を正確に読んでいくために必須の能力です。この2つの能力に関してはパート5・6においても必要とされ、測られていましたね。

パート7においては限られた時間内で大量の英文を読み込む必要があるので、速読力も必要とされます。

この速読力を決めるのも文法力と語彙力です。
確固とした文法力と語彙力があれば、それぞれの文を素早く読んで行けるので、当然、文全体としても早く読むことが可能です。

パート7において要求されるもう1つの能力が情報処理能力です。
この能力は他のリーディングパートではそれほど重要ではありませんが、パート7を解答するにあたっては非常に重要です。
短時間で大量の英文の情報を頭の中に保持しつつ、質問に答える作業には短期記憶、情報の取捨選択といった情報処理能力が必要不可欠です。
脳のワーキングメモリに負荷がかかる課題と言えるでしょう。

TOEICの各パート毎の配点(問題構成)から見た対策・解答戦略

パート1~4のリスニングパートはリスニング音源に沿って解答していくため基本的に戦略は必要ないのですが、パート4の解説で述べたように「1問の音声が流れる中でどれだけの時間をその問題を解くこと自体に使い、どれだけの時間を次の問題の準備をすることに使うのか」といった1問単位でのタイムコントロールが必要な場合もあります。

TOEIC L&Rの問題は基本的に点数の差がなく、1問あたりの配点がすべて等しいと考えて良いので配点の高い問題を意識する必要はありません。
リスニングパートで気をつけるべきことは、「解答に必要以上に時間を割かず、次の問題のために時間を残しておくこと」です。

悩んでいると次の問題を聞き逃してしまいますから、わからなかった問題は潔くあきらめ、4つのうちのどれかをマークして次の問題に集中しましょう。

リーディングパートは時間配分がカギとなります。パート5は短文穴埋め問題ですから、1問につき1文が割り当てられています。長文やまとまりのある文章、図表を読み解く必要がありませんから、比較的すいすいと解き進める事ができます。できるだけ速くパート5を解き終え、パート6・7に突入することがスコアアップにつながります。先程も述べたように、1問30秒を意識しましょう。

続くパート6はまとまりのある文章から4つの問題が出題される形式となります。最初に読んだまとまりのある文章の意味がわからなければ4つの設問も解けないでしょう(各設問がヒントとなり理解につながることもあるかもしれませんが)。そういった場合は見極めが必要です。

TOEIC L&Rは受験時に配点が決まっている・明かされている試験ではないので、「高得点獲得のために解かなくてはいけない、配点の高い問題」はありません。

「分からない・自分には合わない」と思ったらその問題は飛ばし(とりあえずマークだけはしておきましょう)、次に進みましょう。時間が余ったらその問題まで戻れば良いだけのことです。

最後に控えるパート7の長文読解には、前半の問題文の方が比較的短く、後半で出題される問題文の方が比較的長いという傾向があります。

これも自分のスタイルに合わせて、取り掛かる問題・読む問題文を選んでしまうことをおすすめします。長い文章を読むのが苦手で正解率が低いという方は短い問題文から取り掛かり、確実に正解を選び取り点数を稼ぎましょう。

また、メール・広告・新聞記事など文章の種類が様々ですから、得意なスタイルから取り掛かる、あるいは苦手なスタイルにじっくり時間をかけて取り組むなどの回答戦略を立て、その解法に慣れておきましょう。

まとめ|TOEICの各パート毎の配点(時間配分)と対策

TOEIC試験でスコアアップを狙うなら基礎的な総合力を伸ばすことが大前提です。

それ以外の点で言えば、苦手なパートで時間を使いすぎないことがテクニックとしてあげられます。
リスニングパートはリスニング音源にそって答えていくので、時間配分を意識する必要はありませんが、リーディングパートはそうはいきません。与えられた1時間の中で戦略的に解答すれば効率も上がり、スコアアップにつながります。

長文が苦手なら長文読解を避けて単語や文法の知識のみで解ける問題を優先する、あるいは先に長文読解から取りかかるなど、自分に合った解答スタイルを探してみてください。
そうすることで自ずと解答率もスコアも向上するはずです。

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この記事を書いた人

はるじぇー (株)ハルヨン 代表取締役

英語学習に関する有益な情報を発信しています。

得意分野は
「中学・高校英文法の学び直し」
「英会話に繋げるTOEIC L&R試験の勉強法」
です。

ツイッターは相互フォローの方針でやっているので、お気軽にフォロー下さい。

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