この記事は英語学習における「音読」の重要性についてです。
自分の中に英文表現を蓄積していくには、ひたすら音読(声を出して読む)したり、ひたすら聴き続ける必要があります。
これは英語学習で上級者に到達した人たちは皆が通った道です。この「ひたすら音読&ひたすら聴き続ける」という行為は、語学学習において避けて通れません。
(音読学習を行う2つの利点)
利点1…英語の基礎知識が定着しやすい
利点2…返り読みせずに、英語の文章を最初から最後まで読むことができる
本記事ではそれぞれの利点について解説していきます。
音読学習の利点1…音読を経た情報は、記憶に定着するのが速い
音読をしていると、さまざまな記憶機能を刺激します。その記憶機能が相乗効果が生み、記憶への定着が早まるのです。
具体的に言うと、音読学習では用いる記憶機能は「運動記憶」と「音の記憶」です。
音読している際の口の運動は構音リハーサルと言います。これらは運動の記憶として保存されます。
また音読学習で口を動かし、自分の声を自分の耳で聞くとき音韻ループと呼ばれる脳の機能が刺激されます。
その音韻ループを刺激する作業を通し、音読を経た情報は、音の記憶に保存されます。
つまり、音読学習においては英文を目で見て覚えるだけではなく、耳で聞いて覚えたり、口を使って覚えているのです。
上記の理由から、声を出さずに黙読学習をしただけの場合と比べて、音読を経た情報の方が記憶に定着するのが速いのです。
音読学習をすることによってより多くの神経を使い、英語の文章に意識を研ぎ澄ませることができます。
例えば、黙読だと理解したフリをしてしまうような情報も、音読学習をすることによって、自分がうまく発音出来ていないことに気づき、自分自身の理解が未熟であることを認識せざるを得なくなります。
音読を介してインプット学習とアウトプット学習を効率的に行える。
音読学習によって情報の記憶定着が早まることの理由は他にもあります。
音読学習は情報を取り入れる機会(インプット学習)になるだけではなく、同時に情報を使う機会(アウトプット学習)になるからです。
インプット学習だけではなく、アウトプット学習も同時に行うことで記憶に定着しやすくなります。これはアメリカで行われた実験で明らかになりました。
音読をする前に、不明な英単語の意味を調べ、英文の構造について整理する精読・品詞分解を行います。声に出して読む(音読)前に、分からない英単語や英文法について調べて、文章の意味を利用出来るようにします(精読と品詞分解)。
その後に音読学習を行えば、「新しい知識のインプット」と「アウトプット(英会話の練習)]を同時に行うことになり、記憶に定着しやすくなります。
音読学習の利点2…返り読みなんて必要ない。英語を英語のまま理解できる
もう1つの音読学習のメリットは、返り読みせずに、英語の文章を理解出来るようになることです。
実のところ音読を行う際は、返り読み※しようと思っても、返り読みが出来ません。
なぜなら音読学習では、文頭から文末に読み進めていくことに集中するので、最初から最後まで順番に読み進めるしかないのです。
返り読み…日本語とは文法が違う英語を、日本語と同じ方法を用いて、意味を理解しようとする方法。
例えば、”He likes dogs.” の場合だと、 「He 彼は、 dogs 犬が、 likes 好きです」という順番で日本語訳をしながら読み進めることになります。
つまり音読をしている際は、返り読みせずに、英語を英語のまま理解せざるを得ません。
英語初級者からすれば、いきなり英語を英語のまま理解するのは困難です。
でも、精読・品詞分解をした英文であれば、日本語を介さなくても次第に意味が取れるようになります。
つまり音読学習を継続すれば、英語を母語とする人達のように、頭の中に英語がスラスラと入ってきて、英語の順番のままに理解出来る英語回路を形成することが期待できます。
私は17歳の時に、英語の文章を音読する習慣を身につけました。その時に行っていた音読学習は1つの文章を20回読むというものです。これは『「超」勉強法 / 著 野口悠紀雄』で学んだ学習方法です。
私は英語を音読するようになって、小学校の時になぜ国語の教科書を音読させられたのかを身をもって理解出来ました。
小学生が国語の教科書で音読学習をするのは、早い段階で日本語回路を構築するためだったのです。
英語学習をしている人で音読の習慣がない人は、音読をする習慣を今すぐに身につけるべきです。
音読と英語学習についてのまとめ
【音読学習の2つの利点】
利点1…英語の基礎知識が定着しやすい
利点2…返り読みせずに、英語の文章を最初から最後まで読むことができる
この記事の冒頭で説明したように、以上2点が音読学習のメリットです。
世の中に様々な英語学習法はありますが、英語回路を作る方法は1つしかりありません。それは「ひたすら音読&ひたすら聴く」ことです。
これは必ず行なわければならないことです。語学の達人シュリーマンがいた時代から、基本的に語学学習で行うことは変わっていません。
シュリーマンは18カ国もの言語を話すことができたと言われています。その彼が言語習得のために行った学習方法は「音読」です。シュリーマンは非常に大きな声で音読をしていました。
そのため隣人から苦情が出てしまい、家を引っ越す羽目になったという逸話があるほどです。
現在はインターネットや電子機器の発達で、学習の困難さはかなり軽減されました。それでもやはり、一定量の学習時間を使って「ひたすら音読&ひたすら聴く」の行為はすべきです。
ひたすら音読と聴き取りをして、英語の基礎を完成させ、次に「書く」「話す」の勉強に着手する。これが日本人にとって良い英語学習の仕方だと思います。
(音読学習の方法について)
今ならただ単に20回音読をするのではなく、スマートフォンアプリのAudipoを使用して効率的に音読学習を行います。
スマートフォンアプリのAudipoを使った学習法については次の記事を参考にして下さい。