文系出身者のスキルを活かせる!データサイエンティストの仕事とは??

皆さんはデータサイエンティストの主な業務内容はご存知でしょうか?

インターネット上にあふれた多量のデータの中から重要な情報を導き出して企業のマーケティング戦略に活かすのがデータサイエンティストの仕事です。

皆さんの中には、データサイエンティストにあこがれてはいるけれど、文系だからと諦めている人はいませんか?

そこで今回は、文系データサイエンティストだからこそ活躍できる業界と文系からデータサイエンティストになる方法を紹介します。

 

データサイエンティストとして活躍できる業界

近年、多くのモノがインターネットに繋がるようになり、企業においても多量のデータ(ビッグデータ)をネットワーク上に所持しています。

そのため、蓄積されたビッグデータをどのように活用するかが企業の事業戦略を立てる上で重要になってきます。

例えば、企業が新しいサービスを立ち上げようとした時、必要となるのは顧客がどんなサービスを今まで利用してきて、今後どのようなサービスを期待しているかという情報です。これらの情報は、過去の顧客データの中に含まれているため、企業が蓄積したデータの中から関連した情報を引き出す必要があります。
そして、引き出した情報を整理し分析することで、新サービス展開のヒントとなる重要な情報(顧客が求めているサービス等)が導き出せるのです。

このように、ビッグデータの中から企業にとって需要な情報を導き出すのがデータサイエンティストの仕事です。

データサイエンティストと聞くと、その名前からAIやプログラミングを取り扱うWeb業界の職種のイメージを持たれる方が多いかもしれません。

確かに、パソコンやスマートフォンが当たり前となっている現在、ECサイトやWebアプリ開発などの分野でユーザーの属性や行動を分析するデータサイエンティストの役割は非常に重要です。

しかし、あらゆる分野でデジタル化が進んだ今、データサイエンティストが活躍できる業界はWeb系だけではありません。現在では製造業、農業、サービス業、金融業、運輸業など多くの業種・分野でビッグデータが活用されています。

これらビッグデータを活用するために、データを整理し分析するプログラムを組むにはプログラミングの知識をもつ理系出身のデータサイエンティストが必要不可欠です。しかしながら、分析したデータを商品企画・商品流通などの各段階でそれぞれどう活かすか考えるためには各分野の経験を積んだ文系出身のデータサイエンティストが求められます。

 

データサイエンティストが扱うデータ

企業は、顧客情報や経理情報、センサーデータなど様々な種類のデータを大量に所持しています。しかし実際は、多くのデータを持っていてもデータを活用しきれていない企業が多いのです。

その理由は、「データが散在していてどのように分析して良いかわからない」、「データの利用方法がわからない」などの知識不足が大半となっています。

そのため、企業の経営上の悩みを解決するためにはデータの活用方法を考えられる人材が求められます。例えば、経理情報に関しては経理、取引記録に関しては営業の経験のある人が携わることで、企業の持つビッグデータを最大限に活用できるのです。

例えば、大手回転寿司チェーンでは寿司皿にRFIDチップを取り付け、コンベア投入時刻と共に、どの種類のお寿司が購入・廃棄されたかをデータ化しています。このことで、客が入店してから会計までの間にどんなペースで何を食べたかを分析できるので、廃棄ロスが75%も削減できました。

このような飲食業の場合、蓄積したデータを最大限活用するには、マーケティングの知識に加えて飲食店で働いている人の経験的知識が重要です。つまり、データを活用するデータサイエンティストは文系・理系に関わらず、その業界に詳しい人がより求められるといえるでしょう。

文系出身者がデータサイエンティストになる方法①独学で勉強する

データサイエンティストに文系出身者の経験的知識が求められているとはいえ、実際のところ文系出身者がいきなりデータサイエンティストを目指すのは簡単ではないといえます。

そこで、理系の分野に苦手意識のある文系出身者でもデータサイエンティストを目指せる勉強方法と必要なスキルについて紹介します。

独学での勉強方法

データサイエンティストに必須のスキル「統計学」や「プログラミング」では、文系出身者には見慣れない記号や数値がずらりと並んでおり、理解するまでに時間がかかってしまう場合があります。独学で勉強してみよう、と思い本を開いてもあまりの難しさに本を閉じてしまう人も多いでしょう。

しかしながら、近年のデータサイエンティストへの需要の高まりを受けて、データサイエンス初学者向けの書籍も多く出版されています。データサイエンティスト必須の統計の知識に関してであれば、非常にわかりやすく解説された統計学の書籍も見受けられるようになりました。

例えば、インプレス社から出版されている『やさしく学ぶ データ分析に必要な統計の教科書』はストーリー仕立てで豊富な図解を交えて解説されているため、挫折せず仕事に必要な統計スキルが身に着けられます。このように文系出身者でもデータサイエンスを学べるツールは揃っているので、データサイエンティストは本人の努力次第で十分目指せる職業だといえるでしょう。

さらに、データサイエンティストを目指す人向けのオンライン講座も増えています。

総務省統計局では「社会人のためのデータサイエンス演習」と題して、データサイエンスに関するオンライン講座を開講しています。このオンライン講座では専門知識を持つ大学教授の講義を受けられ、動画1本あたりの時間は約10分なので、通勤時間にも活用できます。

そして、同じ講義を受講するメンバーとも掲示板で情報交換できるため。勉強の励みにもなります。なお、総務省統計局のオンライン講座は開講期間が決まっているため、定期的に受講開始日を確認しておきましょう。

データサイエンティストに必要なスキル

ここで、データサイエンティストに必要なスキルを紹介します。データサイエンティストには主に3つのスキルが必要です。

1つ目はビジネス力。
企業の課題を把握したうえで、その課題を解決する力のことです。

2つ目はデータサイエンス。
統計学や情報処理の知識をもち、それらを活用する力のことです。

そして3つ目がデータエンジニアリング。
データサイエンスをより具体的に実用化する力のことです。

まず1つ目のビジネス力は、文系出身で営業職での経験がある方ならすでに身についているスキルといえるでしょう。企業の持つ課題を理解し、問題解決のために何をどうすればよいのかを見出す力です。
ビジネス力は他のスキルと組み合わせることで、力が発揮できます。

例えば、企業は多くのデータを所持していますが、部署ごとに異なるデータ管理を行っており、それらの連携が課題となっていることも少なくありません。このような場合データサイエンティストは、コミュニケーション力によって複数の部署との連携が行えます。

次に2つ目のデータサイエンスは、統計学やデータ分析・解析スキルを上手く駆使して、確実な事業戦略を導く力です。そのため、文系出身者の苦手意識の高い統計学やデータ分析のスキルもデータサイエンティストには必須といえるでしょう。

文系出身者にとって、これらのスキル習得は難しいと感じられるかもしれません。しかし、書籍やオンライン講座を用いて座学を進めつつ、文系出身者でも扱いやすいExcelを用いたデータ分析を、実際に手を動かしながら学習していくと、実務に役立つスキルが身に着けられます。

最後のデータエンジニアリング力は、プログラミング能力のことです。エンジニアとしてのエンジニアリング業務だけでなく、機械学習やディープラーニングを用いたビッグデータ処理のスキルが求められます。

ただ、AIに利用されるPython、R、SQL、Hadoopなどのプログラミング言語を用いてプログラムを構築するためには、微分積分・線形代数といった数学の基礎知識が不可欠です。

高校で数学ⅢCの授業を受けていない文系出身者は、まずは高校の数学から学習し始めると、プログラミングの知識をより早く吸収できるでしょう。

 

文系出身者がデータサイエンティストになる方法②データ分析の仕事に就く

さて、独学で一通り勉強すると、早速データサイエンティストの求人を探す人も多いかと思います。しかしながら、データサイエンティストの求人は、学歴不問であっても、実務経験が必須の条件となっているものがほとんどでしょう。

もちろん、データサイエンティストに必要なスキルを学習されている方なら、いきなりデータサイエンティストの職に採用される可能性はゼロではないですが、簡単ではありません。そのため、文系からデータサイエンティストを目指す場合は、まずはデータ分析やマーケティング経験のつめる企業の求人を探すのがおすすめです。

例えば、エン転職で募集されているデータ分析の求人は、学歴不問・未経験OKの正社員募集。実務経験が不問の代わりに、「オラクルマスター Bronze」や「データベーススペシャリスト」の資格を有する人が歓迎されています。
つまり、実務経験がなくても、データ分析に関する資格を取得していれば有利であるといえるでしょう。

また、あなたが化粧品メーカーで勤務した経験があるのなら、化粧品メーカーのデータ集計・分析やマーケティングを行う部門へ転職するとよいでしょう。そして、実際に業務を行いながらデータサイエンティストに必要な実務経験を積んでいきましょう。

また、文系新卒でデータサイエンティストの職に就きたい場合も同様に、自分の興味のある分野の業種で、データ分析やマーケティングの経験の積める職種を選ぶのがデータサイエンティストへの近道です。

さらに、研修がしっかりとしている企業に就職することで、データサイエンティストに必要なスキルが一通り学べる研修に参加できる可能性があります。新卒の場合は特に焦らず、一つ一つの業務を丁寧にこなし、社会人としての経験を増やしていきましょう。

 

文系の知識を持つデータサイエンティストは活躍できる

データサイエンティストは理系の仕事と思われがちですが、文系の知識や経験をもつデータサイエンティストの需要も高まっています。と

はいえ、データサイエンティストは数学やプログラミングなど理系の知識が必要不可欠なため、文系からデータサイエンティストになるのは簡単ではありません。そのため、まずは独学でデータサイエンスに必要なスキルを習得し、データ分析やマーケティングの経験の積める企業で実務経験を増やしていきましょう。

文系ならではの柔軟な発想や高いコミュニケーション能力はデータサイエンティストには非常に重要です。今まで文系だからと諦めていた人も、データサイエンティストの仕事に少しでも興味を持たれたのならコツコツとスキルを身に着けて、ぜひデータサイエンティストを目指しましょう。

<参考資料>

総務省統計局「平成26年 情報通信白書 第3章データが切り拓く未来社会」

総務省統計局「データサイエンス・オンライン講座」

一般社団法人データサイエンティスト協会「スキルチェックリスト」