【理系×英語】エンジニアの転職に必要な英語力・TOEICの点数とは?

ハードウェア、ソフトウェア問わず技術力を武器にして業務に携わる理系エンジニア人材にとって、グローバル化する世界において、いかに戦っていくかはひとつの最重要課題です。

一方で、英語力という定性的な能力は取り扱いしづらく、果たして本当に必要なのか、どの程度必要で、英語ができればどういったメリットがあるのか、はなかなかわかりにくいものです。

本記事では、そういった「英語力×理系エンジニア」というテーマで情報をまとめました。

高まる理系エンジニアx英語人材ニーズ

まず、本項では理系エンジニアを、製造業に属するメーカーエンジニアと、IT業界に属するソフトウェアエンジニアの2者に区別し、エンジニアの英語ニーズについてお伝えします。

理系メーカーエンジニアの英語人材ニーズ

経済産業省の外資系企業動向調査(2017年調査)によると、在日本外資系企業の過半数が、日本での今後の事業拡大を予定しています。また、雇用見通しとしても、97%の外資系企業が増員もしくは現状維持を予定しています。

中でも、自動車・産業車両など輸送機械メーカーの売上高は前年比3.5増、経常利益は31.3%増加しており、日本の市場は有望視されています。日本人のメーカーエンジニアが、求められています。

また、日系海外在留邦人数調査統計によると、外務省の海外在留邦人数調査統計によれば、平成17年には35,134拠点であった日系企業の海外拠点数が10年後の平成27年には71,129拠点と2倍以上に増えています。

特に製造業はグローバル化が進み、日本企業の出荷量のうち3割が海外拠点からの出荷、出荷先も4割が海外市場となっています。製造業海外現地法人数も、2001年から2014年までで6割増加しました。現地法人の売上高も64兆円から130兆円とほぼ倍増しました。

製造業は、垂直統合から水平分業モデルへと移り変わっています。それにより拠点が世界中に散らばる企業が増え、英語でコミュニケーションがとれないと、現場で通用しなくなっています。

こういった現状において、英語を使い、海外で働ける、外国人と働けるメーカーエンジニアのニーズが高まっているといえます。

また、英語のできるメーカーエンジニアは希少価値が高いため、待遇面でも優遇される可能性が高いです。

 

理系ITエンジニアの英語ニーズ

一方、ITエンジニアであっても、英語力の必要性は高まっています。

IT技術の最新トレンドは主にアメリカなど欧米諸国から発信されており、最新技術のドキュメントは基本的に英語で書かれています。

邦訳されるのを待つのもいいですが、そのころには時代遅れとなっている可能性があります。最新技術をキャッチアップし、ITエンジニアとしての技術力を常に高い位置に維持するには、英語の読解能力が必要です。

自身のスキルを上げることは、ITエンジニアとしての市場価値が向上し、転職の可能性も広がるということに他なりません。待遇面でも、有利となるといえるでしょう。

 

理系エンジニアにおける英語力の定量指標はTOEICがおすすめ

転職対策には、TOEIC試験の活用がおすすめ

では、エンジニアは、どれくらいの英語力を持っていなければならないのでしょうか。英語力という定性的なスキルを計測し、転職で活かすためには、出来る限り定量化しておくことが必要です。

日本では、特にTOEIC(LR)試験が一般的に活用されています。英語の基礎力を計測できる試験であり、ビジネス英語の英語表現が頻出するため、業務において英語を使用することを想定した場合、汎用性が高いです。

 

TOEICの点数ごとの英語力

TOEIC試験を受験し、転職活動で評価指標として活用する際にまず知っておくべきは、TOEIC600点がひとつのボーダーラインとなることです。日系メーカーの海外営業職ポジションの場合、TOEIC600点がボーダーであることもしばしばあります。

一方、外資系企業への転職を希望する場合、一般的にTOEIC700点が最低ラインと考えておいたほうがいいでしょう。社内コミュニケーションにて英語を使う必要があるケースだと、700点がボーダーとなります。

外部の企業、顧客企業と英語でのやりとりをする場合、TOEIC800点が最低ラインとなります。

また、TOEIC試験は目安です。実務の現場では、いかに業務を英語で行えるかという書く・話す能力も評価対象となります。スピーキング力/ライティング力を英会話サービスなどを利用して磨くことも、必要です。

 

理系エンジニアが目標の英語力に到達するための勉強方法、勉強時間

エンジニアとして英語力を上げ、市場価値の高い人材となるためには、どのような勉強をすればいいのでしょうか。

英語力は、4技能(スピーキング/ライティング/リーディング/リスニング)に分けられます。

また、目標まで到達するための勉強時間はどの程度必要なのでしょうか。

TOEIC400点台の英語初級者が、転職で評価対象となるボーダーライン、TOEIC600点台に到達するためには、500時間勉強することが必要です。

一方、TOEIC600点からビジネスで英語を使うための最低水準であるTOEIC700点を目指すにはおよそ250時間、1日3時間勉強すれば、3ヶ月かかります。

加えて、700点から800点を超えるためには更に時間を要し、500時間かかります。1日3時間勉強すれば、半年程度で到達可能です。

このことから、エンジニアが英語力を上げ、グローバル企業への転職などを通じてキャリアアップを図るのであれば、最低でも転職活動の半年前程度から準備しておくことが必要でしょう。

 

理系エンジニアが転職先で実際に英語を使用するシチュエーション

無事、転職活動を終えて入社される場合、現場ではどのような状況で英語を使うことになるのでしょうか。

 

①社内コミュニケーション(報連相など)

外資系企業の日本法人に入社すると、マネジメントレベルが外国人であることもしばしばあります。その場合、社内に対する報告・連絡・相談を、電話、メール、時には作成資料にて行う必要があります。その際、相手は外国人であるため、英語を使うことになります。

あくまで社内でのやりとりであるため、表現など厳しくチェックされることはないでしょう。それゆえ、TOEIC700点台が最低レベルとされています。

一方、外資系企業であっても、英語力が求められない求人も存在します。古くから日本に拠点を置いている企業などは、マネジメント体制が日本人のみで成り立っているケースもあります。その場合は、外資系企業だからといって、英語を使いません。

②顧客との会議、交渉

顧客との折衝がある職種である場合、英語を使うことになります。エンジニアであっても、営業担当者に同行する場合、もしくはアプリケーションエンジニア、システムエンジニアなどの職種であれば、直接顧客とやりとりすることもあります。

社内コミュニケーションにおいては、ある程度砕けた表現でも問題ないですが、顧客が相手となるとそうはいきません。企業の代表者として恥じない言語コミュニケーションを求められます。このレベルにTOEIC800点がボーダーだと言われるのは、当然のことでしょう。

入社後も、英語力を向上させる自助努力が重要

以上のような状況で英語を使うことが想定されます。

とはいえ、入社時点で完璧な状態を目指すのは困難です。入社後に経験する業務の中で、使える英語を磨いていきましょう。

例えば、英文メールであっても、日々Ccとして受信するメールを確認し、型としてストックしておけば、単語だけ変えて使うことも可能です。職場の同僚がよく使う表現も、調べて覚えてしまえば応用して使うことも可能です。

英語を使う業務というと、どこかハードルが高いイメージもあるかと思います。ただ、入社してしまえば英語を使わざるをえなくなりますので、あえてアウトプットが求められる環境に転職する、という考え方も、キャリアを作っていく上では有効です。


【参考資料】

経済産業省 2016年度の我が国外資系企業動向のポイント 

外務省 海外在留邦人数調査統計 平成30年要約版 

日本企業も、実践的な英語力を求め始めた (GLOBE+)