4歳で「英語が主軸」、日本語は塾へ。板野友美さんの悩みから考える早期英語教育

板野友美がインターナショナルスクールに通ってる娘を自慢しているみたいだけど….

板野友美→英語喋れない(?)
娘→英語喋れる(日本語やだ❗️)
お手伝いさん→英語しか喋れない

これ、娘とのコミュニケーションどうしてんだ? #板野友美
https://x.com/daVinci0108/status/2095079111131885892

元AKB48の板野友美さんが、インターナショナルスクールに通う4歳の娘さんの日本語教育について語ったことが、Twitter(X)で大きな話題になっています。

参考画像: 9/5時点で5100万回以上表示されていた投稿

https://x.com/daVinci0108/status/2095098647226814960

板野さんによると、娘さんはインターナショナルスクールに通っており、スクールでは基本的に英語を使用しています。また、家庭のお手伝いさんも海外出身で、英語でコミュニケーションを取っているそうです。

そのため現在は「英語が主軸」になっている一方、日本語もしっかり話せるようになってほしいと考え、日本語の塾にも通わせ始めました。

しかし、娘さんからは「塾行きたくない」「ジャパニーズのスクール嫌だ」と言われているとのこと。

また別のYouTube動画では、板野さん自身が、娘さんが長い日本語の文章をどこまで理解できているのか不安に感じていることも話しています。

これらの発言をきっかけに、Twitter(X)では、

  • 「幼児期はまず日本語をしっかり身につけるべきではないか」
  • 「日本で暮らしているのに、なぜ英語を主軸にするのか」
  • 「インターナショナルスクールに通わせる必要があるのか」

といった批判が相次ぎ、大きな炎上になっています。

ただし、SNS上の限られた動画や発言だけを見て、4歳の娘さんについて「日本語の発達が遅れている」「インターナショナルスクールに通ったことが原因だ」と外部の人間が断定することはできません。

また、私たちはインターナショナルスクールや幼児期からの英語教育そのものを否定するつもりもありません。

今回の話題から考えたいのは、もっと大きな英語教育の問題です。

「英語は早く始めた方がいい」「英語に触れる時間は長ければ長いほどいい」「できるだけ英語だけの環境に入れた方がいい」――本当にそうなのでしょうか。

目次

「英語に触れる時間を増やすこと」と「良い英語教育」は同じではない

インターナショナルスクールに通えば、英語に触れる時間は大幅に増えます。

日本の一般的な学校に通いながら、週に数回英会話スクールに通う場合と比較すれば、その差は圧倒的です。

毎日何時間も英語を聞き、先生や友達と英語でコミュニケーションを取るので、特に日常的な英会話を身につけるには恵まれた環境です。

しかし、英語に触れる時間が長いことと、英語教育として優れていることは同じではありません。これは、バックワイズ/ハルヨンが以前から繰り返し伝えてきたことです。

私たちはこれまで、小学校で英語教育を早期化すること、中学校・高校で英語を英語で教えること、そしてフィリピン留学で1日8時間、10時間もの英会話レッスンを受けることについても同じ問題を指摘してきました。

どれも一見すると、「英語に触れる時間」が増えています。

しかし、英語に触れる時間を増やせば、それだけで英語力が伸びるほど英語学習は単純ではありません。

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小学校から英語を始めても、それだけでは英語力は伸びなかった

日本の学校教育でも、英語学習の早期化が進められてきました。

以前は中学校から本格的に始めていた英語を小学校から学ぶようになり、子どもたちが英語に触れる期間は長くなっています。

それなら、日本人の英語力は以前より大きく伸びていてもおかしくありません。ところが、現実はそれほど単純ではありません。

私たちは別の記事で、近年の中学生の英語力について詳しく取り上げました。

そこで問題になっているのは、単純な学習時間の不足ではありません。学習内容を増やし、英語を始める時期を早める一方で、英単語や英文法などの基礎知識を体系的に学び、定着させることが十分にできていない生徒が増えています。

早く始めることと、正しく積み上げることは別です。

これは幼児英語を考える際にも重要な視点です。

  • 「3歳から始めた」
  • 「毎日3時間英語を聞かせている」
  • 「インターナショナルスクールに通っている」

という事実だけでは、その子が10歳、15歳、20歳になったときにどの程度の英語力を身につけているのかは分かりません。

「英語だけで学べば英語が身につく」という考え方にも注意が必要

同じことは、「英語を英語で学ぶ」という考え方にも当てはまります。

英語を身につけたいのだから、授業もすべて英語で行った方がいい。

一見すると合理的に思えます。しかし、特に英語初級者の場合、これは非常に非効率になることがあります。

英文法のような複雑な内容を学ぶ場合、まだ十分に理解できない英語で説明を聞くより、日本語で短時間に正確に理解した方がはるかに効率的です。

バックワイズ/ハルヨンでは、日本人教師が日本語を使って英文法・英文読解などを教え、その上で学んだ内容をフィリピン人教師との英会話・英作文で実際に使う学習法を採用しています。

「英語を学ぶのだから、すべて英語でなければならない」という発想を私たちは取っていません。

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フィリピン留学でも「英語漬けにすれば伸びる」という失敗を見てきた

私たちがこの問題を強く意識しているのには理由があります。

バックワイズ/ハルヨンでは、これまでフィリピン留学をした多くの英語学習者を見てきました。

フィリピン留学では、

  • 「1日8時間マンツーマンレッスン」
  • 「1日10時間英語漬け」
  • 「日本語禁止」

といった環境が、英語力を伸ばすためのメリットとして宣伝されることがあります。

しかし、初級者が英文法や英文読解などの基礎を十分に身につけていない状態で、英会話レッスンだけを何時間受けても、効率的に英語力が伸びるとは限りません。

実際、長期間フィリピンに留学し、毎日大量のマンツーマンレッスンを受けたにもかかわらず、基礎的な英語力が十分に身につかなかった事例を私たちは数多く見てきました。

  • 英語環境に長時間身を置く。
  • 英語を大量に聞く。
  • 英語を大量に話す。

それだけでは足りません。

大量の英語に触れる前に、その英語を理解するための知識を身につける必要があります。

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「英語を話せる」と「英語で学べる」はまったく違う

幼児英語では、もう一つ注意したいことがあります。

幼い子どもが英語で先生や友達と自然に話している姿を見ると、「4歳なのに英語がペラペラ」「やっぱり英語は小さい頃から始めるべきだ」と思うかもしれません。

もちろん、幼い頃から英語で自然にコミュニケーションを取れることには大きなメリットがあります。

しかし、4歳で英語の日常会話ができることと、15歳で英語を使って高度な内容を理解できることはまったく別です。

年齢が上がれば、求められる言語能力も上がります。

  • 物語を読む。
  • 説明文を読む。
  • 抽象的な内容について書かれた文章を読む。
  • 数学や理科、社会について学ぶ。
  • 自分の意見を論理的に説明する。
  • 自分の考えを文章にする。

こうしたことが必要になります。

これは英語だけではありません。日本語についても同じです。

「日本語で家族と普通に話せる」ということと、「日本語で難しい文章を読み、学び、考え、自分の意見を書ける」ということは同じではありません。

だからこそ、バイリンガル教育を考える場合には、「英語を話せるようになったか」だけではなく、日本語と英語のそれぞれを、最終的にどのレベルまで育てるのかを考える必要があります。

英語の時間を増やせば、その時間は何かから失われる

そして今回の板野友美さんの話題から、もう一つ考えておきたいことがあります。

子どもの時間は有限です。

1日は24時間しかありません。

インターナショナルスクールで1日の大部分を英語で過ごせば、それだけ日本語を使う時間は少なくなります。家庭でも英語環境を増やせば、日本語を使う時間はさらに少なくなります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

しかし、日本語と英語の両方を高いレベルまで育てたいのであれば、両方を育てるための時間が必要になります。

今回、板野さんは英語が主軸となる環境を作る一方で、日本語もしっかり身につけてほしいと考え、4歳の娘さんを日本語の塾にも通わせています。

これは板野さんの教育方針が正しい、間違っているという話ではありません。

むしろ、二つの言語を育てるためには、それだけの教育設計と時間が必要になることを示す非常に分かりやすい事例だと思います。

英語を1時間増やせば、その1時間は何か別の活動には使えません。

  • 日本語の絵本を読む時間かもしれません。
  • 家族と日本語で話す時間かもしれません。
  • 外で遊ぶ時間かもしれません。
  • 子どもが好きなことに夢中になる時間かもしれません。

早期英語教育では、

  • 「何歳から始めるか」
  • 「1日何時間英語を聞かせるか」
  • 「英語だけの環境をどれだけ作れるか」

が注目されがちです。

しかし、本来考えるべきなのは、「限られた子どもの時間を使って、最終的に何を身につけてほしいのか」ではないでしょうか。

「おうち英語」にも同じことが言える

これはインターナショナルスクールに通わせている一部の家庭だけの問題ではありません。

いわゆる「おうち英語」にも同じことが言えます。

  • 幼児期から英語動画を大量に見せる。
  • 英語音声を長時間かけ流す。
  • 英語絵本を大量に読み聞かせる。
  • 英会話レッスンを受けさせる。

こうした取り組み自体を否定するつもりはありません。

英語絵本や英語動画は、子どもが英語に興味を持つきっかけになりますし、楽しく英語に触れられる優れた教材もたくさんあります。

問題なのは、「英語に触れる時間は長ければ長いほどいい」と考えてしまうことです。

  • 何時間英語を聞いたのか。
  • 英語絵本を何冊読んだのか。
  • 何歳から英語を始めたのか。

これらは数字で測れるため、保護者にとって非常に分かりやすい指標です。

しかし、英語教育で本当に重要なのはそこではありません。

重要なのは「何時間やったか」ではなく、「何を身につけたか」です。

英語教育は「早く・長く・英語だけで」にすれば成功するわけではない

私たちは以前から、日本の英語教育についても同じ問題を指摘してきました。

  • 小学校から英語を始める。
  • 中学校・高校では英語を英語で教える。
  • 授業中に日本語をできるだけ使わない。

一見すると、どれも日本人が英語に触れる時間を増やす改革です。

しかし、それだけで英語力が伸びるのであれば、日本の英語教育はすでに大きな成果を出しているはずです。

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英語教育では、

  • 早く始める。
  • 長時間やる。
  • 英語だけの環境にする。

この3つが「良いこと」として語られがちです。

しかし、それらは英語を身につけるための手段であって、目的ではありません。

英語は幼児期から始めなければ手遅れになるものではない

そして最後に、子どもの英語教育について悩んでいる保護者に伝えたいことがあります。

英語は幼児期から始めなければ身につかないものではありません。

バックワイズ/ハルヨンでは、中学生、高校生だけでなく、大人になってから本格的に英語学習を始めた人たちも指導してきました。

私たちはこれまで、少なくとも5,000人以上の英語学習カリキュラムの作成に関わってきました。

その中には、中学英文法から英語を学び直した人もたくさんいます。

それでも、英文法、英文読解、発音、リスニング、音読、英会話などを順序立てて学ぶことで、TOEIC800点、900点以上を取得したり、英語のニュースや書籍を読んだり、海外で仕事をしたりできるところまで英語力を伸ばすことは可能です。

もちろん、幼児期から英語に親しむことにはメリットがあります。

しかし、

  • 「3歳から始めなければ遅い」
  • 「インターナショナルスクールに入れなければ英語を話せるようにならない」
  • 「英語に触れる時間は長ければ長いほどいい」

と保護者が焦る必要はありません。

子どもの英語教育で考えるべきなのは「何歳から」ではなく「何を身につけるか」

今回の板野友美さんの話題を、単なる芸能人の子育て炎上として消費するのはもったいないと思います。

板野さん自身も、日本語と英語の両方を身につけてほしいからこそ悩み、日本語教育について試行錯誤しているのでしょう。

そして、この問題は決して板野さんの家庭だけの特殊な問題ではありません。

  • インターナショナルスクール。
  • おうち英語。
  • 小学校英語。
  • 英語で行われる英語授業。
  • 英語漬けのフィリピン留学。

対象となる年齢も教育環境もまったく違います。

しかし、その根底には共通する考え方があります。

「英語に触れる時間を増やせば、それだけ英語力が伸びる」という考え方です。

私たちは、これまでの英語教育の経験から、この考え方には賛成できません。

英語に触れる時間は必要です。英語を実際に使うことも必要です。

しかし、それと同じくらい、何を、どの順番で、どのように学ぶのかが重要です。

英語環境を作ることと、英語教育を設計することは同じではありません。

子どもの英語教育で本当に考えるべきなのは、「何歳から英語を始めるか」でも、「1日何時間英語を聞かせるか」でもありません。

日本語と英語を含めて、その子に最終的に何を身につけてほしいのか。そのために、限られた時間をどう使うのかです。

中学生・高校生以降からでも、英語は十分に伸ばせます

「幼児期から英語を始めなければ遅い」と焦る必要はありません。

ハル英語4技能アカデミー(ハルヨン)では、中学英文法から英文読解、発音、音読、英会話まで、現在の英語力に合わせて学習する順番を設計しています。

日本人教師のレッスンで「分かる」状態を作り、学んだ英語をフィリピン人教師とのマンツーマンレッスンで実際に使います。

英語に触れる時間をただ増やすのではなく、何を、どの順番で学び、どう定着させるのか。

この記事でお伝えしてきた考え方を、実際の英語学習カリキュラムにしたのがハルヨンです。

ハルヨンの英語学習法・オンラインレッスンについて詳しく見る

また、海外で英語を学びたい中学生・高校生・大学生・社会人向けには、フィリピン留学「バックワイズ」も運営しています。

留学してから基礎を学ぶのではなく、日本にいる間から英文法・英文読解・発音などを学び、基礎を身につけてから留学することを重視しています。

フィリピン留学「バックワイズ」について詳しく見る

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この記事を書いた人

はるじぇー (株)ハルヨン 代表取締役

英語学習に関する有益な情報を発信しています。

得意分野は
「中学・高校英文法の学び直し」
「英会話に繋げるTOEIC L&R試験の勉強法」
です。

ツイッターは相互フォローの方針でやっているので、お気軽にフォロー下さい。

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