東京高等裁判所 対ハタチエイゴ訴訟勝訴のご報告
第一審の横浜地裁での主文
- 被告(株式会社ハタチエイゴ、代表取締役 澤木陽太郎)は、原告(柴田)に対し、1000万円及びこれに対する令和3年2月1日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
- 訴訟費用は被告の負担とする。
- この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
(参考)横浜地裁の判決文全文(pdfデータ、文字起こし有り)は下記の記事に有ります。
第二審の東京高等裁判所での主文
- 本件控訴を棄却する。
- 控訴費用は控訴人の負担とする。
(補足説明)
この東京高等裁判所への控訴は第一審の内容を不服とする株式会社ハタチエイゴ(代表取締役社長 澤木陽太郎)によって起こされました。
そのため、控訴人は株式会社ハタチエイゴ(代表取締役社長 澤木陽太郎)です
勝訴のご報告
柴田が知らない間に自分自身の取締役辞任届が作成され、また柴田が感知出来ない方法で、不適切な手続きで辞任の登記がされていた件に関する裁判で勝訴しました。
東京高等裁判所の判決が出ました。第一審の横浜地裁での完全勝訴を維持する内容で、東京高裁においても、私(柴田)が完全に勝訴しています。
裁判では株式会社ハタチエイゴ(以下、「ハタチエイゴ」と言います。)に対して1,000万円の支払を求める訴訟(横浜地方裁判所令和3年(ワ)第610号 訴訟代理人 溝の口法律事務所 田畑淳 音喜多淳)について、令和6年7月10日、判決が出ました。※本来は6,700万円の支払いですが、1,000万円になっている理由については次の項目で補足説明しています。
判決をお読みいただいた皆様には、お分かりの通り、本件は2019年10月に有印私文書偽造及び行使、公正証書原本不実記載で刑事告発していたハタチエイゴ社の代表取締役である澤木陽太郎に対する告発を取り下げることなどと引き換えに、ハタチエイゴ社と丸山要平氏個人が連帯して7,000万円を支払うことで合意したにも関わらず、6,700万円が未払いであることに対する裁判です。
第一審の横浜地裁では株式会社ハタチエイゴ(以下、「ハタチエイゴ」と言います。)に対して1,000万円の支払を求める訴訟について、令和6年1月17日、判決が出ました。当方の主張が全面的に認められ、ハタチエイゴに対して、1,000万円の支払が命じられました。
そして今回東京高裁においても、この第一審の判決が支持され、横浜地裁の判決を不服とする控訴人、株式会社ハタチエイゴ(代表取締役社長 澤木陽太郎)の訴えが令和6年7月10日に棄却されました。
(補足)支払うべき金額が6,700万円ではなく、1,000万円となっている理由
柴田は2019年10月に有印私文書偽造及び行使、公正証書原本不実記載で刑事告発していたハタチエイゴ社の代表取締役である澤木陽太郎に対する告発を取り下げることなどと引き換えに、ハタチエイゴ社と丸山要平氏個人が連帯して7,000万円を支払うことで合意しました。
この合意書では解決金の金額は7,000万円となっておりましたが、一部の解決金については訴訟提起時(2021年の年初時点)で履行期が到来していないことや、その時点でハタチエイゴ社に資産が残されていないにも関わらず高額な印紙代が無駄になることを考慮して、代理人とも協議の上解決金の一部である、1,000万円の一部請求にとどめておりました。
連帯保証人である丸山要平氏個人に6,700万円の支払いを求めています
本件ではハタチエイゴへ柴田への支払いが命じられましたが、ハタチエイゴは「令和2年3月16日以降、フィリピン法人サウスピークによる語学学校の経営は停止しており、それに伴い、被告による留学あっせん事業も停止した。被告の売上はなくなり、令和4年9月時点においても、被告の売上はゼロに近く、従業員は澤木一人であり、事業再開の見通しは厳しい」(判決文)とされており、実質的には事業も財産もない法人です。
未払いである6,700万円に関しては合意書で個人として連帯保証人となった丸山要平氏に対しても請求しております。
しかし丸山要平氏は、それまで丸山要平氏の代理人であった杉浦健二弁護士を解任し、フィリピンの住所では訴状を受け取らず逃げ回っています(もし丸山要平氏から送達先の連絡や代理人の指定があれば、柴田はすぐに丸山要平氏を訴えられます)。
提訴後も杉浦健二弁護士を通じて丸山要平氏からの警告メッセージが届くなど、丸山要平氏と杉浦健二弁護士の間で連絡がつくという奇妙な状況であったにもかかわらず、杉浦健二弁護士は丸山要平氏と無関係として訴状送達先についても一切協力して貰えず、再度送達先を設定して提訴予定です。
私としては時間をかけてでも、フィリピンに出国して訴状の受け取りを避けていると思われる丸山要平氏の責任を徹底的に追及しようと思います。
判決文全文 文字起こし
判決文本文
令和6年7月10日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和6年(ネ)第1075号 解決金支払等請求控訴事件(原審・ 横浜地方裁判所 令和3年(ワ)第610号)
口頭弁論の終結の日 令和6年6月5日
判決
東京都新宿区新宿二丁目5番12号 FORECAST新宿AVENUE
控訴人 | 株式会社ハタチエイゴ |
同代表者代表取締役 | 澤木陽太郎 |
同訴訟代理人弁護士 | 田村勇人・小林衛司 |
被控訴人 | 柴田浩幸 |
同訴訟代理人弁護士 | 田畑淳・音喜多淳 |
主文
- 本件控訴を棄却する。
- 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
- 原判決を取り消す。
- 被控訴人の請求を棄却する。
第2 事案の概要
- 本件は、被控訴人が、被控訴人と控訴人らとの間で、被控訴人が有する控訴人の株式全てを控訴人又は控訴人が指定する第三者に譲渡したり、 被控訴人が控訴人の代表取締役及び取締役を辞任したことを確認したりすることなどの代わりに、控訴人が被控訴人に解決金7000万円 (令和2年1月末日から毎月100万円70回の分割払)を支払う合意が成立したにもかかわらず、 控訴人が同年4月分からの分割金を支払わない旨を主張して、 控訴人に対し、訴え提起時(令和3年2月19日) までに弁済期が到来した令和2年4月分から令和3年1月分までの解決金合計1000万円及びこれに対する弁済期後の同年2月1日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は、被控訴人の請求を全部認容したため、これを不服とする控訴人が控訴した。 - 前提事実及び争点は、原判決を次のとおり補正するほか、原判決の「事実及び理由」第2の1及び2に記載のとおりであるから、これを引用する。
- 原判決2頁12行目の「フィリピン法人」の次に「サウスピーク (South Speak English Institute Inc.)」を加える。
- 原判決3頁1行目の「原告と被告は」を 「被控訴人、控訴人及びフィリピン法人サウスピーク並びに丸山は」 に改める。
- 原判決3頁 6行目の「以下 「原告訴訟代理人」とは同人を指す。」を「以下「被控訴人代理人」という。」 に改め、 以後、 原判決引用部分における「原告訴訟代理人」を「被控訴人代理人」 に読み替える。
- 原判決 3頁11行目の「名誉棄損」 を 「名誉毀損」に改め、 以後、 原判決引用部分における「名誉棄損」を「名誉毀損」 に読み替える。
- 原判決3頁24行目の 「原告と被告は」 を 「被控訴人、 控訴人及びフィリピン法人サウスピーク並びに丸山は」に改める。
- 原判決4頁8行目の「100万円うち」 を 「100万円のうち」 に、同頁15行目の「本件変更設定」 を 「本件変更設定1」 に、 それぞれ改める。
- 原判決 6頁9行目末尾に改行の上、次のとおり加える。 「なお、本ドメインは、被控訴人の名義で取得されたものではあっても、フィリピン法人サウスピークと控訴人の設立に当たって両社の運営に利用するために取得されたものであって、 本ドメインの維持手数料その他の管理費用を控訴人が支払っていたことからしても、その所有者(権利者)は控訴人である。 本件紛争は、もともと控訴人が所有する本ドメインを、被控訴人が自己名義であることを奇貨として、パスワードを変更したり、本件変更設定 1を行ったりしたことが発端であって、 控訴人による本件リダイレクト設定2は、被控訴人に対する侵害行為となるとしても、いわば被控訴人が自ら招いたものといえる。 被控訴人がした本件変更設定2は、 このような自招行為に対する防御にすぎず、かかる防御行為を正当化することはできない。」
- 原判決6頁25行目末尾に改行の上、次のとおり加える。なお、本ドメインの所有者 (権利者)は、被控訴人である。被控訴人は、控訴人を設立する前から個人事業主として英語教育に関する事業を行っており、これに必要であることから本ドメインを取得した。 控訴人が指摘するパスワードの変更や本件設定変更1は、 本件合意に当たって解決済みの事柄であり、それにもかかわらず、 控訴人が本件合意に基づく解決金の支払を一方的に止めて本件リダイレクト設定2を行ったことこそが本件合意に違反する行為であって、本件変更設定 2は、これに対する防御行為として相当性を有している。」
- 原判決7頁8行目の「対等額」を「対当額」に改める。
第3 当裁判所の判断
- 当裁判所も、被控訴人の請求を全部認容すべきものと判断する。その理由は、原判決を次のとおり補正するほか、原判決の「事実及び理由」第3に記載のとおりであるから、これを引用する。
- 原判決8頁 26行目から同9頁1行目にかけての「以下 「被告訴訟代理人」とは同人を指す。 」 を 「原審における控訴人 (原審被告) の訴訟代理人であり、以下「控訴人代理人」という。」に改め、 以後、 原判決引用部分における「被告訴訟代理人」 を 「控訴人代理人」 に読み替える。
- 原判決 9頁13行目末尾に改行の上、次のとおり加える。「なお、上記協議について、 令和元年10月30日の様子を録音した書証(甲15・録音データ、 甲16の1ないし4・反訳書) によれば、まず、本ドメインの所有権については、被控訴人代理人が「ドメインの所有に関しては、われわれのほうと先生のほうで意見が対立している部分があるので、そこを法的にどうこう今言ってもしようがないということで、 ただ、 柴田さん側の意見としては、しかるべき使用料を払っていただいて、 暫定的な合意ができるんであれば、ドメインの使用を認めるっていうことはご提案できるとは思います。」(甲16の1の11頁)、「使用料は、極端な話、その分割金の支払いが終わったらドメインについては譲りますっていう、そういう、もう合意みたいなものでもいいのかもしれないですし。」(同20頁)などと述べたところ、 丸山及び控訴人代理人は、これに応ずる旨の返答をしており、次に、2本ドメインを本件解決金 (分割払) の担保として考えることについては、被控訴人代理人が 「何らかの担保を設定していただくとかっていうことができれば、もう不動産でも、何でも構わないんですけどね、そこはどうですかね。短期間であれば、ドメインの価値が維持されると思うので、そのドメインを担保でいけるかなと思ったんですけど」(甲16の2の8頁から9頁まで)などと述べたり、被控訴人が 「今回、 リダイレクト処理みたいな、ああいうことをしないように」 (甲16の3の4頁) などと述べたりしたところ、丸山の側からも、 「要は何か別のところに、.comっていうところから別のところにリダイレクトするとかっていうことが起きたら、 それは、何かこう完全に価値を毀損させる行為だっていうことだと思うんで」(甲16の4の1頁)、「リダイレクトするとか、そういう大きな変更を承認なしにやったら、それはもう違法行為だっていう契約で結んでもらって構わない」(同2頁)などと述べている。」
- 原判決9頁19行目の「取下げ」を「取り下げ」に改め、 同10頁5行目の「本件商標出願」の次に「の出願取下書」を加える。
- 原判決10頁13行目の「被告訴訟代理人」 から同15行目の「原告は」までを次のとおり改める。「控訴人代理人としては、 代理人としての立場からその見解を依頼者に伝え、その上で依頼者が判断した事項を被控訴人側に伝える立場にすぎないこと、控訴人側には既に本件リダイレクト設定2を解除するようにとの意見を伝えていることなどが回答されたため、控訴人代理人を通じたやり取りでは本件リダイレクト設定2の解除が確実に履行されないと考えた被控訴人は」
- 原判決10頁16行目末尾に改行の上、次のとおり加える。 「なお、被控訴人代理人は、 令和2年5月13日、 控訴人代理人に対し、「柴田氏より突然のリダイレクトなど背信的行為が連続したうえに支払いがなされていないので、このままウェブサイトを常態に戻すと最終的に債務の支払いがなされず、 ドメインの価値を奪われ、 柴田氏が全てを失ってしまう可能性が高いので慎重を期して欲しいとの連絡が入っております。」などと前置きした上で、「丸山氏による不当なリダイレクト処理が停止されていることが当方では未だ確認できないため、これが確認できる資料」 等を送付するよう連絡した (甲32)。」
- 原判決11頁 7行目の「履行した。」 の次に 「したがって、これらに係る債務不履行による損害賠償請求権が発生しないことはもとより、 」 を加え、同25行目の「本件商標登録」 を 「本件商標出願」に改める。
- 原判決12頁2行目の「やむを得ないとしても、」の次に「控訴人は、平成25年8月23日登録に係る商標 「サウスピーク/souspeak」 (登録番号 5609483号)の権利者であったのであり (甲40 44)、 」 を加え、同行目の「原告」 を 「控訴人」 に、 同頁8行目の「本件商標登録」 を 「本件商標出願」に、それぞれ改める。
- 原判決13頁4行目の「被告の」 から同頁 9行目末尾までを次のとおり改める。 「また、前記1 (1) (補正後のもの)のとおり、本件合意に先立つ協議における言動、殊に丸山の側でも被控訴人の了承なく控訴人側で「リダイレクト」を行うことが「違法行為」、すなわち本件合意に違反する行為に当たるという認識を表明しているとみることができることなどに照らすと、本件変更設定2については、本ドメインの利用価値を控訴人が一方的に取得することになる本件リダイレクト設定2に対する対抗措置として不合理なものであったということはできない (一種の担保保全的な措置であったといえる。)から、これが被控訴人の債務不履行に該当すると直ちに認めることはできない。なお、控訴人は、被控訴人の債務不履行により9053万7780円 (本ドメインの価値相当額3053万7780円、 控訴人の逸失収入6000万円)の損害が生じた旨を主張するが、本件合意における解決金の額が7000万円と約定された経緯については、前記1(1)(補正後のもの)のとおりであるところ、この解決金の額から本ドメインの価値相当額を推認することはできないほか、 前記1 (3) (原判決引用部分) のとおり、 新型コロナウイルス染症の影響により控訴人の売上が減少していたことなどに照らしても、上記の損害を認めるに足りる確実な証拠もない。
そうすると、本件において、 控訴人が主張する損害賠償請求権が発生したと認めることができないから、 同時履行の抗弁は理由がない。」 - 原判決14頁9行目の「適示」を「摘示」に改める。
- よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第23民事部
裁判長裁判官 舘内比佐志
裁判官 渡邉和義
裁判官 島村典男