「大学生になったら海外留学をしたい」と考えている高校生は多いと思います。
ただし、大学に入学してから留学について調べ始めるのではなく、大学を選ぶ段階で留学制度まで確認しておくことをおすすめします。
大学によって、留学制度にはかなり大きな違いがあるからです。
全員が約1年間留学することを卒業要件としている大学・学部もあれば、希望者の中から選考を行う大学もあります。
また、留学先の授業料が免除される制度、留学費用の一部または大部分を大学が支援する制度などもあります。
この記事では、大学在学中にアメリカへ交換留学した経験をもとに、留学を考えている高校生が大学選びの段階で確認しておきたいポイントを紹介します。
※留学制度、対象大学、費用、応募条件などは変更されることがあります。実際に出願する際には、必ず各大学の公式サイトで最新情報を確認してください。
大学に入ってから留学を考えるのでは遅い
高校生の頃は、大学の偏差値や学部、キャンパス、就職実績などを中心に大学を選ぶ人が多いと思います。
私自身もそうでした。
しかし、「大学生になったら海外留学をしたい」と考えているのであれば、大学選びの段階から留学制度を調べておいた方がいいです。
同じ「留学制度あり」と書かれている大学でも、その内容はかなり違います。
例えば、
- 全員が留学するのか、希望者だけなのか
- 選考があるのか
- 半年間なのか、1年間なのか
- 留学先の授業料が必要なのか
- 大学から費用の支援があるのか
- 4年間で卒業できるのか
- どの国・大学へ留学できるのか
といった違いがあります。
「国際系の学部だから留学できるだろう」と考えるのではなく、具体的な留学制度まで確認してから大学を選ぶことが重要です。
大学の留学には大きく分けて「交換留学」と「私費留学」がある
大学生が長期留学する方法には、交換留学や大学独自の留学プログラム、私費留学などがあります。
交換留学
交換留学は、日本の大学と海外の大学との協定にもとづいて学生を派遣する制度です。
一般的には、日本の所属大学へ授業料を納め、協定にもとづいて留学先大学の授業料が免除されます。
また、留学先で取得した単位を日本の大学の単位として認定できれば、4年間で卒業できる場合もあります。
費用面でもメリットの大きい制度ですが、希望すれば誰でも参加できるとは限りません。
大学内での選考があり、GPAやTOEFL、IELTSなどの語学力を求められる場合があります。
私費留学
私費留学は、自分で留学先の大学や語学学校を選び、費用を負担して留学する方法です。
交換留学よりも留学先を自由に選びやすい一方、日本の大学の学費に加えて、海外の大学や語学学校の授業料が必要になる場合があります。
また、留学中の単位認定や卒業時期についても大学ごとに異なります。
そのため、大学在学中に長期留学をしたい高校生は、交換留学や大学独自の留学制度がどの程度充実しているのかを、大学選びの段階で確認しておくことをおすすめします。
約1年間の海外留学がカリキュラムに組み込まれている大学・学部
大学や学部によっては、約1年間の海外留学がカリキュラムに組み込まれています。
2026年現在、代表的な大学・学部には以下があります。
国際教養大学
国際教養大学では、すべての学生に1年間の海外留学が義務付けられています。
世界各国・地域の提携大学から留学先を選び、海外で学びます。
「大学在学中に必ず長期留学を経験したい」という高校生にとって、非常に分かりやすい制度です。
早稲田大学 国際教養学部
早稲田大学国際教養学部では、日本語を母語とする学生を中心としたStudy Plan 1の場合、1年間の海外留学が必須となっています。
英語で専門科目を学ぶことを前提とした学部なので、入学後も高い英語力が求められます。
立教大学 GLAP
立教大学のGlobal Liberal Arts Program(GLAP)では、原則として全員が2年次秋学期から3年次春学期まで約1年間の海外留学を経験します。
留学先大学の授業料は免除され、立教大学の学費を納める仕組みになっています。
同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部では、英語コースの学生は2年次に1年間のStudy Abroadを経験します。
中国語コースでも1年間の留学がカリキュラムに組み込まれています。
関西大学 外国語学部
関西大学外国語学部では、原則として2年次に約1年間のスタディ・アブロードを経験します。
海外の提携大学で語学だけでなく、専門分野についても学んでいきます。
近畿大学 国際学部
近畿大学国際学部では、1年次後期から1年間の海外留学プログラムに参加します。
留学先で所定の単位を修得することが卒業要件となっています。
関西外国語大学 英語キャリア学部 英語キャリア学科
関西外国語大学の英語キャリア学部英語キャリア学科では、原則として3年次に1年間の専門留学がカリキュラムに組み込まれています。
※小学校教員コースはカリキュラムが異なります。
このように、大学や学部によっては「留学できる」だけではなく、長期留学そのものが教育課程の一部になっています。
長期留学を大学生活の中心に置きたい高校生は、こうした大学・学部から探すのも一つの方法です。
留学費用を大学が支援してくれる制度もある
海外留学では、授業料だけでなく、航空券、住居費、保険料、現地での生活費など、さまざまな費用がかかります。
そのため、大学を選ぶ際には「留学制度があるか」だけでなく、「大学からどの程度の費用支援を受けられるか」まで確認してください。
代表的なのが名古屋外国語大学です。
名古屋外国語大学には、一定の基準を満たした学生を対象とした「留学費用全額支援」制度があります。
対象となる留学では、留学先授業料、住居費、渡航費、教科書代、保険料、留学ビザ申請料などを大学が負担する制度が用意されています。
大学によっては、奨学金や留学費用の一部補助などを利用できる場合もあります。
同じ1年間の留学でも、大学の制度によって自己負担額は大きく変わります。
大学の学費だけを比較するのではなく、留学まで含めた4年間の費用で比較することが重要です。
2つの大学の学位を取得できる「ダブルディグリー」という選択肢もある
海外留学を重視して大学を選ぶのであれば、「ダブルディグリー」という制度も知っておくとよいでしょう。
ダブルディグリーとは、日本の大学と海外の提携大学の両方で学び、所定の条件を満たすことで2つの大学の学位取得を目指す制度です。
一般的な交換留学よりも海外大学で本格的に専門分野を学べる一方、必要な語学力や成績などの条件も厳しくなります。
また、ダブルディグリー制度は大学・学部・年度によって対象となる海外大学や募集条件が変更されることがあります。
興味がある場合には、大学名だけで判断せず、志望する学部で現在どのダブルディグリープログラムが実施されているのかを公式サイトで確認してください。
留学制度だけで大学を選んではいけない
ここまで留学制度について紹介しましたが、もちろん「留学制度が充実している」という理由だけで大学を選ぶことはおすすめしません。
大学で何を学びたいのか。
卒業後にどのような仕事をしたいのか。
そのうえで、海外留学をどのように活用したいのか。
この順番で考える必要があります。
留学そのものを目的にするのではなく、自分が大学で学びたいことを実現するための手段として留学を考えることが大切です。
留学したい高校生が大学選びで確認すべきこと
「大学生になったら留学したい」と考えている高校生は、大学のパンフレットに「海外留学制度あり」と書かれているだけで判断しないでください。
少なくとも、
- 留学は必修か希望制か
- 全員参加できるのか選考があるのか
- 留学期間は半年か1年か
- 留学先大学の授業料は必要か
- 大学から費用支援を受けられるか
- 4年間で卒業できるか
- GPAなどの成績条件はあるか
- TOEFLやIELTSなど、どの程度の英語力が必要か
までは確認しておくことをおすすめします。
特に注意したいのが英語力です。
交換留学などでは、留学先大学の授業を英語で受ける必要があります。そのため、「大学に入ってから英語を勉強すればいい」と考えていると、希望する留学プログラムの応募条件に間に合わない可能性があります。
留学を考えている高校生は、大学選びと同時に英語学習も始めておきましょう。
大学留学を目指すなら、英語の基礎を早めに作っておく
海外大学の授業を英語で受けるためには、日常英会話ができるだけでは不十分です。
英文を正確に読み、講義を聞き、課題を書き、自分の意見を英語で伝える必要があります。
そのため、高校生のうちから「英会話」だけをするのではなく、英文法・英単語・英文読解・Listeningなどの基礎英語力を身につけておくことが重要です。
TOEFLやIELTSが必要になる場合でも、基礎英語力が不足した状態から、いきなり試験対策を始める必要はありません。
まず中学・高校英文法を理解し、英単語を増やし、英文を正確に読める状態を作る。
その基礎ができてから、TOEFLやIELTSなどの試験対策へ進む方が効率的です。
大学留学を実現できるかどうかは、大学に入学してからではなく、高校生の段階から始まっています。
大学選びと英語学習。この2つを早めに準備しておきましょう。
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