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TOEIC高得点だけれど、英会話・英作文が出来ない人にならないための学習(1) 自分自身で使うための英文法の学習

TOEIC高得点だけれど、まともに英会話・英作文が出来ない

TOEIC LR試験で600点に到達したら取り組むべきなのが、自分自身で使うための英文法の学習です。

例えば下記の英文法に関する質問は、それほど難易度が高いものではありませんが、TOEIC LR試験900点の人でも満足に答えられないことが多いものです。

(質問1)
未来形 willとbe going toのニュアンスの違いは何か。また be動詞 -ing の現在進行形で未来形を表すことがあるが、これはどういう場合か。

(質問2)
To smoke と Smoking、不定詞と動名詞でニュアンスはどのように異なるのか。

(質問3)
過去形、現在完了形、現在完了進行形、過去完了形、過去完了進行形。これらのニュアンスの違いは何か、どのように使い分けるべきか

(質問4)
助動詞 would, could might はどのような違いがあり、どのように使い分けるべきか。

いずれの質問も難易度はそれほど高くありません。

しかしながら、TOEIC LR試験のように受動的に試験問題を解くだけの英語学習しかやってこなかった人の場合、これらの質問に答えられないかもしれません。

TOEIC900点あっても答えられない人はいるかと思います。実際こういった知識がなくても TOEIC900点を取ることは可能です。

しかしながら、こういった知識がないTOEIC800点、TOEIC900点の人たちがどういう人達かというと「TOEIC高得点だけれど、まともに英会話・英作文が出来ない人」、インターネット上で「TOEIC LR試験が役に立たない」と揶揄される時によく引き合いに出される人達です。

「話すため」の英文法、自分が使うための英文法を学ぶ

「TOEIC800点、TOEIC900点の高得点があるけれど、まともに英会話・英作文が出来ない人」にはなりたくない人達はどうすれば良いのでしょうか。

そう考える人には自分が使うための英文法の学習も同時に始めることを強くお勧めします。

この記事では自分が使うための英文法の学習について紹介していきます。

なお最初に補足すると、この「自分が使うための英文法」を学び始められる前提条件は、高校で学ぶ英文法を一通り理解できていて、TOEIC600点に到達しているというものです。

補足 なぜTOEIC600点(R300点)以上からか

高校で学ぶ英文法を一通り理解できていて、TOEIC600点(Reading Part 300点)に到達している

これに満たない英語力ですと、これから紹介する参考書を読んでも十分な理解ができないです。

書籍中に出てくる英文法の用語が理解できません。本文中に出てくる英語例文の内容すらまともに読めません。

なお、TOEIC LR試験をここ数年受験しておらず、自分自身がこの英語力に到達しているのかどうか分からない場合には、下記の入門英文問題精講の内容が一通り理解できるかどうかで判断できます。

大学入試対策の参考書である入門英文問題精講 4訂版

入門英文問題精講 4訂版

本書の詳しい紹介は下記の記事で紹介しているので確認ください。

https://hal4.jp/nyuumon-eibun4-syoukai/

一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法

ここからTOEIC600点以上の中級者の人向け、自分が使うための英文法の参考書を紹介していきます。

有名なところでは一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法が有ります。先に上げた4つの英文法に関する質問も、本書を読破していれば答えられます。

一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法

英文法の奥深さ、またNative English Speakerがどのような気持ちで英語を使用しているのかが学べる優れた参考書です。

大学生が本気を出して夏休みなどの長期休暇に集中的に学習をすれば、2-3週間で読み切ることが出来ます。

ただし、ここまで分厚い参考書を読み切れるのは一部の人だけです。本書はまた挫折率の高さで有名です。

そのため現実的には分からない点があったり、深く理解したい項目をつまみ食い的に、辞書のように読み進める使用方法がお勧めです。

※(おまけ) トイレの本棚に一億人の英文法をおいて、毎日少しずつ読み進める読書法をお勧めします。

一億人の英文法を補填する「ハートで感じる英文法」

1億人の英文法は読み切るのが大変な分厚い参考書です。

そのためより読破しやすい同じ著者(大西泰斗先生)のハートで感じる英文法 決定版を現在はお勧めします。

ハートで感じる英文法 決定版

ハートで感じる英文法 決定版は一億人ほど分厚くなく、かつ電子書籍が有ります。

最大の利点は電子書籍があることです。電子書籍は持ち歩きが簡単ですし、隙間時間にスマートフォンで少しずつ読み進めることが出来ます。

私自身も隙間時間にスマートフォンを使って本書を読み進めました。

一億人の英文法の読破に挫折した人にはハートで感じる英文法 決定版がお勧めです。

ハートで感じる英文法 決定版で一通り英文法に関する知識を得て、その上でさらに深く知りたい項目に関しては一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法で深堀りしていく学習がお勧めです。

TOEIC LR試験の英文をより深く理解できるようになる。

ハートで感じる英文法 決定版一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法はそれぞれTOEIC LR試験対策とも相性が良いです。

例えば分詞構文ではなぜ-ingを使うのか、この-ingにはどういったニュアンスがあるのかといった事を知識として知っていれば、より深くTOEIC LR試験参考書を読み進めることが出来ます。

この場面でNative English Speakerはなぜこの表現をあえて使うのか、という話し手・書き手の意図が理解出来るようになります。

私が特に注意深く区別する1つに、「現在完了形」と「現在完了進行形」が有ります。後者からは前者にはない「躍動感・継続性」のニュアンスが感じられます。

今の時点では「何を細かいこと言っているんだこの人は?」と思われるかもしれませんが、ハートで感じる英文法 決定版を読み切れば、この細かいニュアンスの違いがスッと腑に落ちるかと思います。

さらに深く英語という言語を理解するための「英語独習法」

ハートで感じる英文法 決定版よりも1段階難易度が高いですが、さらに専門的に英語を理解するのにお勧めなのが、英語独習法 (岩波新書)です。

英語独習法 (岩波新書)

本書では「日本語という言語」が「英語という言語」が一対一で対応していないことが詳細に説明されています。

具体例を2つ上げると

  1. 「可算・不可算名詞」、evidenceやfurnitureが日本語の考え方だと複数形にできるけれど、英語ではそうはなっていない。
  2. 動詞と副詞の関係性が日本語のように英語では必ずしも機能していない。英語は副詞までを含んだ動詞表現が好まれる。

こういった普通の日本人が日本語を基盤にして考えると間違ってしまうことについて触れられています。日本人が英語をより深く理解するためにお勧めの1冊です。

日本人が著者であるせいか、次に紹介する日本人の英語よりも平易で読みやすかったです。

英語を母語とする教養ある著者による「日本人の英語」

英語学習で欠かすことの出来ないベストセラー、日本人の英語を最後に紹介します。

日本人の英語

I ate a chicken.

この一文がなぜNative English Speakerにとって不気味であるのか。本書の影響で、日本の英語学習者の間では有名です。

意味が分からなかった人は本書の冠詞の項目を確認下さい。

また、私は「関係代名詞の非制限用法を使用することで、いかに格調高い英文を書くか」という項目に感銘を受けました。

Native English Speaker目線で、こういった英文が格調高いと紹介されているのは(しかも日本語で!)、本書の白眉である点です。

全体的に難易度が高めなので、TOEIC LR試験で800点前後の人に日本人の英語はお勧めです。

それ未満の英語力の方はハートで感じる英文法 決定版英語独習法 (岩波新書)から読み進めましょう。

この記事を書いた人

ハルヨン代表 柴田 @HAL_J

日本にはほとんど全く存在しない「大人が英文法・英文読解を学び直せる場所」という学習方針を中心に据えて、

「TOEIC試験対策をいくらしても点数が伸びない初級者・中級者のための学習カリキュラム」

「Reading Part重視でTOEIC860点(A Level)に到達する。英会話・英作文も出来るようになる学習カリキュラム」

これら2つの学習カリキュラムを実現するレッスンをハルヨンでは提供しています。詳細はトップページをご確認下さい。

さらに詳しい情報に関して

この学習記事はハルヨンでのレッスンを土台にして作成しています。

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