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中国の「教育虐待」とそっくりなフィリピン留学・韓国系スパルタ校の超長時間学習

画像: 1日に「18時間」も受験勉強し、ストレスで髪がごっそり抜けた女子も…科挙より過酷な中国「大学受験」の恐ろしい現実より / 現代ビジネス https://gendai.media/articles/-/137050?page=1

中国では「教育虐待」、フィリピンでは「スパルタ留学」?

https://x.com/LiYuchigz9r/status/2091247489861218757

ほんとに日本で勉強したくてたまらないよ、
中国の教育の仕方はほんとにプレッシャーが半端ないよ、
朝6時起床で夜10時就寝、学校に16時間もいるんだ😭
海外のネットの皆さんはこの気持ち、ほんとに分かってくれるかな?

ほんとに日本人の学生として一度生きてみたいよ、
残念ながらそれはただの空想でしかないんだ、
明日からはまたあの「刑務所」に戻らなきゃいけないよ、
これからお金を貯めて絶対に日本に行ってみるんだ

先日、中国の学校教育に関する上記の投稿をXで見かけました。

別の投稿では、中国の高校3年生の時間割として、朝6時から勉強が始まり、夜22時30分まで授業や自習が続く時間割も紹介されていました。

それを見て、私は「これは教育なのか、それとも教育虐待なのか」と思いました。普通の子どもに1日15時間も勉強させる必要があるのでしょうか。睡眠や運動、友達と遊ぶ時間まで削って、とにかく勉強させる。それで本当に学力が伸びるのでしょうか。

もちろん、中国のすべての学校がこのような環境というわけではありません。

しかし、朝から夜まで子どもを学校に拘束して勉強させ、そこにいる学生自身が「刑務所」と表現するほど苦痛を感じている事例があることは事実です。

そんなことを考えていたとき、ふと思いました。これ、フィリピン留学でも似たようなことをやっていないか。

朝から夕方まで大量の授業。毎日の単語テスト。夜まで強制自習。平日は外出禁止。

中国で子どもにやらせれば「教育虐待ではないか」と問題になりそうな教育が、フィリピンに場所を移した途端、「英語漬けの素晴らしい環境」「本気で英語を学びたい人向け」「短期間で英語力を伸ばすスパルタ留学」として商品になります。

しかも、日本人が数十万円を払って自分からそこへ入っていく。

やっていることは五十歩百歩ではないか。

私はフィリピン留学に長く関わっていますが、この業界には以前から、ある種の「長時間やらせれば教育熱心」という信仰があるように感じています。

フィリピン留学にある「スパルタ式」とは何なのか

フィリピン留学では「スパルタ校」という言葉が普通に使われています。特に韓国系の語学学校を中心に発達してきたスタイルで、長時間の授業、単語テスト、EOP(English Only Policy)、強制自習、門限や外出制限などによって、学生を英語学習に集中させます。

実際、セブにあるCG Academyのスパルタキャンパスでは、朝8時から16時55分まで9時限の時間割が設定されています。その後も17時05分からEvening Class、19時からVocabulary Test & Essay Writing、20時10分から22時までSelf Studyが続きます。平日の外出も制限されています。

1日最大12コマ・平日外出禁止・EOPで学生を管理

CG Academyを取材した動画でも、学校側がスパルタキャンパスの特徴として「1日最大12コマ」と説明しています。

さらに、平日は外出禁止。8時から17時まではEOP(English Only Policy)。単語テストに合格しなければ、土日も外出できないというルールも紹介されています。

最近、このCG Spartaを取材したフィリピン留学関係者のSNS投稿も見かけました。

(留学エージェントの集客広告より)
セブ島留学No.1のスパルタ校『CG Sparta』を取材してきた。

平日は外出禁止。
EOP(English Only Policy)の厳格化。
毎日の単語テストとエッセイ。
1日12コマの授業数。


完全な詰め込み式の語学学校。
圧倒的な量でやり抜く『量質転換』やから、半端ない環境でキツいの確定してるけど、頑張ってみるのはあり!

別の投稿では、「自分を甘やかさずに追い込みたい」ワーホリ準備組や社会人には最高の環境とも紹介されていました。

私は、この「圧倒的な量」という言葉にフィリピン留学業界の教育観が非常によく表れていると思います。

学生を長時間拘束し、大量の授業を受けさせること自体が、教育サービスの価値になっているのです。

「大量に勉強する」と「大量に授業を受ける」は違う

誤解してほしくないのですが、私は「長時間勉強するな」と言っているわけではありません。むしろ逆です。

英語ができるようになりたいのであれば、大量に勉強したほうがいい。 英語は数十時間勉強したくらいで身につくものではなく、数百時間、数千時間という学習時間が必要になります。

だから、「まず圧倒的な量をこなすことで、やがて質も上がっていく」という「量質転換」の考え方そのものを否定しているわけではありません。私が疑問に思っているのは、なぜ「大量に勉強する」が「大量に授業を受ける」に変換されるのかということです。

1日8時間英語を勉強することと、1日8時間授業を受けることはまったく違います。

たとえば4時間の授業を集中して受け、その後4時間を復習、リスニング、音読、暗唱、語彙学習、英文読解などに使った人と、朝から夕方まで8時間授業を受け続けた人。この2人を比較すると、後者は授業時間が2倍だから、英語力が2倍伸びるわけではありません。

そもそも8時間目のマンツーマン授業で、1時間目と同じ集中力を維持できる人がどれくらいいるのでしょうか。疲れた状態で先生となんとなく会話を続けても、時間割上は「マンツーマン8時間」としてカウントされます。

実際、フィリピン留学では、授業数が多すぎてすべてのレッスンに集中できないため、あえて力を抜いて受ける授業を「捨てレッスン」と呼ぶことがあります。

せっかくお金を払ってマンツーマンレッスンを増やしたのに、疲れて集中できないから一部を「捨てる」。ここまで来ると、何のために授業数を増やしているのか分かりません。

私はここに、中国の受験勉強で「今日は15時間勉強した」という数字を積み上げるのと似たものを感じます。学習成果ではなく、投入した時間そのものが成果になっている。

セブ島・CGアカデミースパルタ校に実際に留学した人のマイナス評価

ここで留学エージェントの宣伝文句ではなく、実際に留学された人の感想を見てみましょう。

全くの初級者にはきつい。授業が全部英語だから進歩が遅い。8ヶ月いた生徒も正直初心者に毛が生えた程度だった

フィリピン留学感想
9月〜12月までセブ島留学してました🇵🇭

行く前は良い情報だらけだったから正直なレビューをここに!(私の経験なので他の学校は知らないけど参考になれば)

⭐︎学校
•CGアカデミースパルタ校

良い点

•先生が明るくて楽しい!当たり外れは当然あるがしっかり英語教えてくれる。

マンツーマン4時間、グループ(最大4人)4時間だから、発言量は自ずと多くなった!これはフィリピンしか経験できないのかなと思った。

でも周りの生徒も中級以下だらけだからコミュニケーションを英語で取る中で正しい英語は喋らないからインプットにはならないが、アウトプットの練習にはなる。

悪い点

•とりあえず環境が悪い、食が合わない。虫、不衛生、ご飯は甘いかしょっぱい、野菜がなくてフライドチキン大好きな文化

•日本人多い。閑散期だったが日本人は50%程度。日本人と交流したくなくても避けられない。(ちなみに春夏は日本人が80%以上になるらしい)

•校則破って先生生徒の恋愛がザラ(ちょっと不快だった)

•フィリピン人給料安過ぎて不憫に感じる

•平日外出れない(自分で選んだけどきつかった、これは私が悪い)

•正直先生の質は安定してない

最後に

•3ヶ月で英語が喋れるなんて魔法はない。

•全くの初心者はきついと思う。授業は勿論全部英語だから伸びるのも遅いと思う。(8ヶ月いた生徒も正直初心者に毛が生えた程度だった)

•日本でインプットは済ませてアウトプットで来ることをお勧めする。

•何も考えずただクラスを受けてるだけだと伸びにくいと感じた!復習と勉強の戦略を先生と相談しながらでも立てることが必要と感じた。

・EOP(英語しか使ってはいけない規則, English Only Policy)は無いようなもので日本人で集まりゃ勿論日本語乱用

(口コミ投稿はここで終わり)

姉妹キャンパスのCG Academy Baniladの失敗体験談「来た時とほぼ変わらない」

また、CG Academyの姉妹キャンパスであるBanilad Campusに留学した別の日本人留学生も、初級者のフィリピン留学について非常に興味深い感想を投稿しています。

留学40日目、約6週間が経過した時点で、「聞き取れないものは、聞き取れない。言いたい事が口から出てこない。来た時とほぼ変わらない。」と投稿しています。

https://www.threads.com/@re.start_50/post/DaDbYz4ndAJ

さらに授業についても、英語で言いたいことを考えている途中で先生が先回りして文章をまとめてしまい、結局「yes, yes」と答えるだけになってしまうことへの不満を書いています。

そして、私が特に注目したいのが、留学中に書かれた「来る前の私へ」という投稿です。

「足りないよ。中学英語の参考書2.3周やったくらいじゃ足らない。参考書の例文を瞬時に英語に変換できるまでやり込んでから行きなさい。」

https://www.threads.com/@re.start_50/post/DZ480ylnafK

長時間授業を受ければ英語が伸びるわけではない

上記の口コミで特に注目したいのは、マンツーマン4時間+グループ4時間、合計8時間もの授業を毎日受けていたという点です。

1日8時間も英語の授業を受ければ、ものすごく英語が伸びそうに思えます。実際、この留学生も「発言量は自ずと多くなった」と、アウトプットの量については評価しています。

しかし一方で、3ヶ月の留学を経験した本人が、「何も考えずただクラスを受けてるだけだと伸びにくい」と書いています。

さらに、8ヶ月滞在していた別の生徒についても、「正直初心者に毛が生えた程度だった」とかなり厳しい感想を残しています。

ここが重要です。1日8時間授業を受ける環境に長期間いたとしても、それだけで英語ができるようになるわけではありません。 本人も「日本でインプットは済ませてアウトプットで来ることをお勧めする」と書いています。

留学してから基礎を学ぶのではなく、日本で準備してからフィリピンへ

フィリピン留学では、学校選びだけでなく、留学前にどこまで英語の基礎を身につけておくかが重要です。

フィリピン留学のバックワイズでは、留学してから英文法や語彙を一から学ぶのではなく、日本にいる間に基礎を固め、フィリピンでは英語を実際に使うことに時間を使うことを勧めています。

留学前の事前学習からフィリピン留学まで一貫して学習を設計し、限られた留学期間を「基礎を学ぶ時間」ではなく「学んだ英語を使う時間」に変える。 これがバックワイズのフィリピン留学です。

【留学前から学習を設計するバックワイズの詳細を見る】

https://backwise.jp

EOPで日本語を禁止しても英語を話せるようにはならない

さらに、この口コミにはもう一つ興味深い点があります。CG Academyのスパルタ校はEOP(English Only Policy)を掲げていますが、本人によれば、実際には「EOPは無いようなもので日本人で集まりゃ勿論日本語乱用」だったとのことです。また、閑散期でも日本人が約50%いたとも書いています。

つまり、学校側が厳しい規則を作れば、自動的に英語漬けになるわけでもありません。 特にEOP(English Only Policy)は、ある程度の英語力がなければ機能しません。

TOEIC L&R600点未満、英検2級未満くらいの英語力では、そもそも英語だけで日常的なコミュニケーションを取ること自体が難しい。日本語を禁止したところで英語を話すようになるのではなく、単にみんな無言になるだけです。

英語を話せない初心者が日本語を使ってもペナルティ

実際、留学エージェントがCG Academyを取材した動画では、EOPについて興味深いやり取りがあります。

取材者が、「初心者で、英語で話したいけれど話せない人が、英語と日本語を混ぜて話してしまった場合はどうなるのか」と質問したところ、学校側は、見つかった場合は「もちろんペナルティ」と回答しています。

さらにCG Academyでは、EOPを守っているか確認するために、いわゆる「EOPポリス」が校内を巡回しています。動画では3人のスタッフが学生の会話をチェックし、英語以外の言語を使っていないか確認していることも紹介されています。

つまり、英語を話したくてもまだ十分に話せない初心者に対しても、日本語を禁止し、英語だけで話すことを求める仕組みです。

しかし、話すための英文法や語彙が頭に入っていない人から日本語を取り上げても、英語が頭の中から湧いてくるわけではありません。

そのため、語学学校バックワイズではEOPを導入していません。英語を話せない人から日本語を取り上げても、英語を話せるようになるわけではない。 無意味な規則で学生を縛るより、まず英文法・語彙・発音など、英語を話すために必要な土台を作るべきだと考えています。

平日外出禁止にして、朝から夜まで時間割を埋め、EOPという規則を作っても、実際の学習効果を決めるのは、結局その時間に何をしているかです。

授業を増やしすぎて、結局「捨てレッスン」になる

CG Academyだけではありません。以前、バックワイズの記事「フィリピン留学の失敗体験談から分かる落とし穴」で他校の口コミも調べましたが、1日8レッスンを受けていた留学生が、途中から「授業を減らしておけばよかった」と感じた事例もありました。授業についていけず、一部をキャンセルして自習へ切り替える学生もいたそうです。

QQ Englishの口コミ – 思ったより英語力が伸びない。授業についていけなくて泣いている子もいた

先生が言ってることが聞き取れない!
丸一日英語漬けは正直言って精神的にもきついです。

思ったよりも英語力が伸びなかったり、先生の授業についていけない、と悩んだり泣いている子もいました……。その気持ちすごくわかります。

ついていけなくて、途中からレッスンをキャンセルして自習の時間に変えた人もいました。

私は1日8レッスンにしていたのですが、確かにもう少し減らせばよかったと最初は後悔……。

(文章の引用元)
50歳から英語が身につくの? フィリピン短期留学・実際の効果
モノクロの人生に色をつける⑮学ぶということ / 松尾たいこ https://gendai.media/articles/-/69192?media=frau

韓国系スパルタ校で1日10時間学んでも、7ヶ月目でTOEIC430点

また、韓国系スパルタ校で、1日10時間ものレッスンを受けながら、7ヶ月目でもTOEIC430点程度だった初級者の事例もあります。

長時間のレッスンについていくことができず、時には泣いてしまうほど苦労していました。7ヶ月間の留学費用は200万円を超えていましたが、それだけの時間とお金をかけても、英語の基礎不足を十分に埋めることはできませんでした。

この事例については、別の記事で詳しく紹介しています。

【フィリピン留学失敗談|韓国系スパルタ校で1日10時間学んでも英語力が伸びなかった事例】

https://backwise.jp/ryuugaku-shippai-agent

長時間授業を受ければ、その分だけ英語が伸びるという考え方は間違っています。

1日4時間の授業を8時間に増やしたからといって、英語力が2倍伸びるわけではありません。

それどころか、疲れて集中できなくなり、「捨てレッスン」が生まれるほど授業を詰め込むのであれば、明らかに非効率です。

授業を増やすことと、学習効果を高めることは別物です。

本当に重要なのは、何を授業で学び、何を自習し、何を繰り返し復習するのかを取捨選択することです。1日8時間の授業を用意することより、その人に本当に必要な4時間を選ぶことのほうが難しい。

全部やらせるのは簡単です。何をやるべきか取捨選択せず、とにかく長時間やらせる教育は、教育者の怠慢か無知のどちらかです。

実際にスパルタが合わず、姉妹キャンパスへ移る人もいる

興味深いことに、CG Academyを留学エージェントが取材した同じ動画では、スパルタの環境が合わない学生についても語られています。

取材者が、「スパルタの環境が合わないと言ってやめていった友人もいるのか」と質問すると、学校側は「もちろんいますね」と回答しています。そのような学生は、無料でセミスパルタのBanilad Campusへ変更することができるそうです。

もちろん、厳しい環境が合う人もいるでしょう。しかし、「厳しいほど伸びる」「追い込むほど伸びる」という単純な話ではありません。

実際にスパルタ環境が合わず、より自由度の高いキャンパスへ移る学生がいるのであれば、重要なのは「どこまで学生を追い込めるか」ではなく、その学生にどのような学習環境が必要なのかを判断することです。

何をやらせるかだけではなく、何をやらせないかを決める。それが責任ある教育者の仕事です。

中国の高校生の時間割を見て「素晴らしい教育」と思うだろうか

ここで、冒頭で紹介した中国の高校生の話に戻ります。

中国では、大学入試「高考」を控えた高校生が、朝から夜まで長時間勉強する事例があります。

2025年の報道でも、朝7時30分過ぎに始まり、夜9時40分過ぎまで続く約14時間の学校生活や、高校3年生になると週に1日、場合によっては2週間に1日程度しか休めない学校があることが紹介されています。(CNA)

私がSNSで見かけた中国の高校・高校3年生の時間割も強烈でした。

朝6時から早朝自習が始まり、通常授業を終えた後も、夕方から夜にかけてリスニングや自習が続き、最後の「晩晩読」が終わるのは22時30分です。

朝6時から夜22時30分まで。食事や昼休みを挟むとはいえ、1日の大半が授業と自習で埋め尽くされています。

参考画像: 中国の高校、3年生の時間割

もちろん、中国のすべての高校生がこのような生活をしているわけではありません。

しかし、この時間割を見て、「素晴らしい教育だ。圧倒的な学習量だ。これだけ勉強すれば学力が伸びる」と思うでしょうか。

私は思いません。「いくらなんでもやらせすぎだろう」と思います。

中国、子どもに1日15時間勉強とかさせるの、虐待に近いので、やめてあげてほしい。

経済成長に寄与するのは以下の2つであって、普通の子どもに一日15時間勉強させても、たいして効果がない。
(1)上位5%の知的能力を高めること。
(2)基礎学力がちゃんと身についている人の割合を高めること。

https://x.com/fromdusktildawn/status/2093889497431970169

睡眠時間、運動する時間、友達と遊ぶ時間、本を読む時間、ぼーっとする時間。そういうものを削って、とにかく朝から夜まで勉強させる。勉強時間という数字だけを見れば確かに「圧倒的な量」になります。

しかし、長時間机に座らせることと、学力を伸ばすことは同じではありません。

実際、上海の中学2年生5万4,102人を対象にした2025年の研究では、睡眠時間と学業成績の関係は「睡眠を削って勉強すればするほど成績が上がる」というものではありませんでした。約8時間前後の睡眠が高い学業成績と関連しており、数学では8〜9時間、英語では7〜8時間の睡眠を取っている生徒の成績が最も高いという結果でした。(Nature)

中国国内でも、こうした長時間学習は問題視されています。中国教育部は2026年、過度な宿題を禁止し、休憩時間を侵害しないことなど、学生の学習負担を軽減するための政策を打ち出しています。(Reuters)

中国では問題になるのに、フィリピン留学では「スパルタ」として売られる

ここでフィリピン留学の話に戻ります。

朝から夜まで勉強する。毎日テストをする。自由時間を削る。外出を制限する。とにかく圧倒的な量をやらせる。

中国の高校生がこの生活をしていれば、「さすがにやらせすぎではないか」「睡眠や自由時間を奪ってまで勉強させる必要があるのか」という話になります。

ところが、フィリピン留学になると、かなり似た発想が「スパルタ教育」「英語漬け」「本気の人向け」「圧倒的な量による量質転換」という魅力的な商品説明に変わります。

もちろん、高校生が強制的にやらされることと、大人が自分のお金を払ってスパルタ校を選ぶことは同じではありません。

しかし、私が問題にしているのはそこではありません。

「長時間拘束して、大量に勉強させれば、それだけ教育効果が高くなる」という教育思想は同じです。

中国の高校生の時間割を見て「やらせすぎだ」と感じるのであれば、フィリピンの語学学校が朝から夜まで学生の時間を埋め尽くしているのを見て、なぜ「素晴らしい学習環境だ」と評価するのでしょうか。

場所が中国からフィリピンに変わっただけで、長時間やらせることが優れた教育になるわけではありません。

日本でも「1日13時間勉強」が商品になっている

これは中国や韓国だけの話ではありません。日本でも2026年、中学受験を目指す小学生が親元を離れ、34泊35日、1日13時間勉強する合宿に参加していることが朝日新聞で報じられました。34泊の費用は約80万円で、参加者は約100人。22泊以上の長期合宿への参加者は前年から倍増したとされています。

小学生が1日13時間、それを35日間続ける。塾側は勉強に集中でき、問題への向き合い方が変わると説明しています。一方で、臨床心理士からは「志望校に合格しなければ将来が心配」という家庭の不安や、親子を受験へ追い立てる社会そのものへの問題提起もされています。

私はここにも、フィリピン留学のスパルタ校と同じ構造を感じます。長時間勉強させること自体が、教育サービスの商品価値になっている。 「これだけ勉強させます」「遊べない環境です」「逃げられません」「自分ではできないほど追い込みます」。それが「本気」「集中」「スパルタ」といった魅力的な言葉に置き換えられます。

「とにかく長時間勉強させる」は教育者の怠慢ではないか

「とにかく長時間勉強させる」という教育は、何を学ばせるべきか取捨選択できない教育者の怠慢ではないか。

私は、ここが一番の問題だと思っています。

教育者の仕事は、学生の一日を勉強で埋めることではありません。この学生には何が足りないのか。今は何を優先すべきなのか。何を先生が教える必要があり、何は自分で勉強できるのか。そして何を今はやらなくていいのか。それを判断するのが教育者の仕事です。

その取捨選択を放棄すれば、教育はものすごく簡単になります。全部やらせればいいからです。

授業を増やす。教材を増やす。宿題を増やす。毎日テストする。夜まで自習させる。外出を禁止する。これなら「ものすごく勉強させている学校」には見えます。

でも、それは優れたカリキュラムなのでしょうか。

13時間かけてやっていることを、適切な取捨選択によって8時間でできるようにする。8時間かかっていることを6時間にする。そして余った時間を睡眠、運動、遊び、家族との時間に戻す。それこそ教育者が考えるべきことではないでしょうか。

教育は足し算なら簡単です。教育者の力量が問われるのは、むしろ引き算です。

「教育虐待」を大人が自分で買えば「スパルタ留学」になるのか

ここまで中国の高校、日本の中学受験、フィリピン留学のスパルタ校を見てきました。

もちろん、大きな違いがあります。中国の高校生や日本の中学受験をする小学生は子どもです。一方、フィリピン留学では、多くの場合、大人が自分の意思で学校を選び、自分のお金を払って留学します。

だから、フィリピン留学のスパルタ校そのものを「教育虐待」と呼ぶのは違います。

ただ、私が気になるのは、子どもにやらせれば「教育虐待ではないか」と批判されるような教育方法が、大人向けの商品になると突然「スパルタ」という魅力的な言葉に変わることです。

朝から夜まで勉強させる。自由時間を減らす。外出を禁止する。大量の授業を入れる。毎日テストする。本人が自分から勉強し続けられないから、逃げられない環境に入れる。

それを子どもに強制すれば、「そこまでやらせる必要があるのか」「本人の自由や睡眠はどうなるのか」という話になります。

ところが、大人が数十万円を払えば、「自分を追い込める最高の環境」として売ることができる。

私はここに違和感があります。そもそも教育サービスの価値は、「どこまで学生を追い込めるか」ではなく、「どこまで効率よく学生の能力を伸ばせるか」で評価されるべきです。

学生を朝から夜まで拘束することは簡単です。外出を禁止することも簡単です。授業を12コマ入れることも、毎日テストをすることもできます。

難しいのは、その学生に本当に必要な学習だけを選び、不要なものを削り、それでも英語力を伸ばすことです。

「厳しい学校だから伸びる」「逃げられないから伸びる」「長時間やるから伸びる」。

そんな単純な教育で英語ができるようになるなら、教育者は必要ありません。刑務官がいれば十分です。

「勉強時間を増やす」と「成果を増やす」を混同しない

では、長時間勉強すること自体が悪いのかというと、そうではありません。

英語ができるようになりたいのであれば、大量に勉強する必要があります。 8時間勉強できるなら、8時間勉強すればいい。問題は、その8時間を何に使うかです。

英文法や英文読解を教えてもらう。発音を修正してもらう。英会話で実際に使う。先生にしかできないことは、先生にやってもらえばいい。

一方、単語を覚える、英文を読む、理解した英文を何度も聞く、音読する、暗唱する、復習する。こうした学習まで先生に監視されながらやる必要はありません。むしろ英語学習では、授業で教わったことを、自分一人で何度も反復して身につける時間のほうが重要です。

1日8時間勉強するなら、8時間すべてを授業で埋めるのではなく、授業と自習を適切に組み合わせればいい。

増やすべきなのは「授業時間」ではなく「学習時間」です。

自分で長時間勉強することまで否定しているわけではない

実際、CG Academyの取材動画では、朝5時ごろに起きて、夜中1時、2時まで自分で勉強している学生もいると紹介されています。自習室も深夜1時まで利用できます。

私は、こういう長時間学習まで否定しているわけではありません。本人が必要だと考えて、自分の意思で朝から夜まで勉強することと、学校が大量の授業、テスト、強制自習、外出禁止によって学生の時間を埋めることは別です。

8時間勉強したければ8時間勉強すればいい。10時間勉強したければ10時間勉強してもいい。問題にしているのは「長時間勉強すること」ではなく、「長時間拘束して大量の授業を受けさせること」が教育の質として売られていることです。

そして、「長時間学習」と「長時間授業」、さらに「長時間拘束」はまったく別物です。

フィリピン留学で見るべきなのは「授業数」ではなく「学習設計」

フィリピン留学を選ぶとき、「マンツーマンが何時間あるか」を比較する人は多いです。4時間より6時間、6時間より8時間。料金が同じなら、授業が多い学校のほうがお得に見えます。学校側にとっても「1日8時間マンツーマン」「最大12コマ」という数字は非常に売りやすい。

しかし、本当に比較すべきなのは授業数ではありません。その人の英語力を分析して、何を学び、何を捨て、授業と自習をどう組み合わせるのか。1日の学習全体がどう設計されているのか。

先生が学習計画を設計する。先生が必要なことを授業で教える。学んだ英語を実際に使う。そして授業外では、自分で何度も反復して身につける。私は、この循環のほうが「朝から夜まで授業を詰め込む」よりはるかに重要だと考えています。

大量に勉強することは必要です。でも、大量に授業を受ける必要はありません。

バックワイズでは1日最大4時間の授業でも英語力は伸びている

実際、バックワイズの留学生も、朝から夜まで大量の授業を受けていたわけではありません。

セイキさんは、留学前12週間の事前学習と8週間のフィリピン留学を組み合わせ、TOEIC L&Rは595点から830点まで235点伸びました。

https://backwise.jp/student-seiki-2024

マヒロさんも、留学前24週間の事前学習と16週間のフィリピン留学を組み合わせ、TOEIC L&Rは推定250点から675点まで425点伸びました。

https://backwise.jp/intern-mahiro-2025

お二人とも、フィリピン留学中に受けていた授業は1日最大4時間です。

1日8時間、10時間、12時間と授業を詰め込まなくても、英語力は伸ばせます。重要なのは授業数ではなく、留学前から基礎を作り、授業で学び、授業外で復習・反復するという学習全体の設計です。

「授業が多いほど伸びる」のであれば、最大4時間しか授業を受けていないお二人の英語力がここまで伸びたことを説明できません。

中国の高校生を朝6時から夜22時30分まで勉強させる。日本の小学生を35日間、1日13時間勉強させる。フィリピンの留学生を平日は外出禁止にして、朝から夜まで授業とテストと自習で埋める。国も年齢も目的も違いますが、そこには「長時間やらせれば成果が出る」という共通した教育観が見えます。

朝から夜まで学校に拘束されることは、教育の質ではありません。平日に外出できないことも、教育の質ではありません。授業が8コマ、12コマあることも、それだけでは教育の質ではありません。

英語を身につけるには長時間の学習が必要です。しかし、長時間の授業や長時間の拘束が必要なわけではありません。

「どれだけ長く勉強させるか」ではなく、「限られた時間の中で、何をやらせ、何をやらせないか」。

授業を増やす。教材を増やす。宿題を増やす。テストを増やす。そんな足し算なら簡単です。

難しいのは、本当に必要なものを選び、不要なものを捨てることです。

学生を長時間拘束するのではなく、限られた時間で最大限の成果を出せるようにする。それが教育者の仕事です。

授業を詰め込むフィリピン留学ではなく、英語力を伸ばすための留学へ

英語力を伸ばすために必要なのは、授業を大量に受けることではありません。今の英語力を把握し、何を学び、何を繰り返し、何をやらないのかを決めることです。

オンラインレッスンのハルヨンでは、日本人教師が学習計画を設計し、英文法・発音・英文読解から、音読・暗唱、英会話まで、必要な学習を組み合わせます。

フィリピン留学を考えている方には、留学してから英語の基礎を学ぶのではなく、日本にいる間に基礎を固め、フィリピンでは英語を使うことに時間を使うことを勧めています。

「授業数が多い学校」ではなく、自分に必要な学習がきちんと設計された環境で英語を学びたい方は、オンラインレッスンのハルヨン/フィリピン留学のバックワイズにご相談ください。

【ハルヨンの詳細を見る】
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