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英語がペラペラでも「教養がある人」にはならない|英語を学ぶ本当の意味

イラスト: 英語を学んで「外の世界へ繋がる扉」を開けたのに、入口で勉強し続ける人

英語がペラペラでも「教養がある人」にはならない

先日、ある著名な英語学習者の動画を久しぶりに見ました。英語力は非常に高い人です。英語資格でも圧倒的な結果を出していて、海外で働いた経験もあり、英語学習について長年発信しています。

ところが何本か動画を見ていて、不思議なくらい話を面白いと思えませんでした。なぜだろう。

実は以前、この人とは直接話したことがあります。そのときにも同じ印象を持っていました。

改めて過去の発信まで見ていくうちに、一つの仮説が浮かびました。

「この方は英語についてはものすごく詳しい。でも、この方からは英語の外側にある世界がほとんど見えてこない」からではないか。

英語を極めた先に、何があるのか

英語学習者の中には、驚くほど努力できる人がいます。単語を何千語も覚える。英文法を勉強する。発音を練習する。TOEICで満点を取る。英検1級を取る。IELTSで高得点を取る。これは本当にすごいことです。

でも、最近私は別のことを考えるようになりました。

英語ができるようになったあと、その英語で何をするのだろう。

英語圏の小説を読む。海外の歴史を知る。異なる文化や宗教について学ぶ。外国の人と話して、自分とはまったく違う価値観を知る。世界で起きている社会問題について考える。

英語は、本来そういう世界へアクセスするための強力な道具でもあります。

ところが、英語をかなり高いレベルまで身につけた後も、ずっと英語の参考書や英語資格、英語学習法の話をしている人がいます。

何年経っても、おすすめの書籍として出てくるのは英単語帳、英文法書、発音教材、資格試験の参考書。

英語を母語とする人たちが普通に読んでいる小説、ノンフィクション、歴史書、科学書などの話が、いつまで経っても出てこない。

私はここに不思議さを感じます。

せっかく何千時間もかけて英語を身につけたのに、その英語を使って「何を読んだのか」「何を知ったのか」「何を考えるようになったのか」が見えてこない。

資格や参考書の話はたくさん出てくるのに、「この英語の本が好きだ」「この一文が忘れられない」という話が出てこない。

参考: (お気に入りの英文) 赤ちゃんの頬に降った雪が溶けた

英語学習そのものが目的になると、「英語を勉強する→英語力が上がる→資格を取る→さらに英語を勉強する」という循環が延々と続きます。

ものすごく遠くまで走っているように見えて、実は同じ競技場を何周もしているだけなのかもしれません。

「自分の半径5メートル」から出ない話

その著名な英語学習者は、英語以外についてまったく話さないわけではありません。海外で働いた経験、人種差別についての話、仕事、資格、キャリアなどについても発信しています。

ただし、その多くが「自分が経験したこと」から始まり、「自分が経験したこと」の周辺で終わるように私には見えました。いわば、自分の半径5メートル以内の世界です。

もちろん、自分の経験を語ること自体は悪くありません。実体験だからこそ話せることもあります。私が気になったのは、その先です。

海外で人種差別について考えたのであれば、その国の移民政策や多文化社会の歴史を知りたくならないのだろうか。海外で長く働いたのであれば、なぜ日本と働き方が違うのか、制度や歴史まで知りたくならないのだろうか。

英語をこれほど習得したのであれば、その言語で書かれた小説や歴史、思想、科学について知りたくならないのだろうか。

「自分がどうしたか」から「世界はなぜこうなっているのか」へ、関心が飛び出していかない。私はそこに物足りなさを感じました。

「勉強ができる」と「教養がある」は違う

ここで私は、勉強と教養は別物なのだと思いました。

資格試験の勉強には明確な目的があります。英語を勉強すれば英語力が上がる。資格を取ればキャリアに役立つ。専門知識を身につければ仕事に生かせる。つまり、多くの場合は自分への投資です。

もちろん、私は資格の勉強を否定したいわけではありません。私自身、英語教育を仕事にしています。TOEICや英検などの資格試験も重視していますし、目標を設定して努力することには大きな価値があると思っています。

ただ、「自分に役立つから学ぶ」だけでは得られない知識もあります。

小説を100冊読んでも資格はもらえません。歴史を勉強しても給料が上がるとは限りません。政治や社会制度の本を読んでもTOEICの点数は上がりません。それでも読むのは、自分とは関係のない世界を知りたいからです。

100年前の人間が何を考えていたのか。戦争を経験した人は何を感じたのか。移民として生きるとはどういうことなのか。自分とは違う宗教を信じる人は世界をどう見ているのか。そういうものを知るうちに、頭の中に「自分ではない人」が増えていきます。

私は最近、教養とは知識量だけではなく、自分とは関係のない世界に関心を持つ能力なのではないかと思うようになりました。

話が面白い人の頭の中には、他人がたくさんいる

これは「話が面白い人」にもつながります。面白い人と話していると、話題がどんどん横へ飛びます。

英語の話をしていたはずなのに、アメリカ史の話になる。絵本の話から移民問題になる。AIの話から日本の雇用制度になる。海外生活の話から宗教や文化の違いになる。一見関係なさそうなものが、その人の頭の中ではつながっています。

そして話の中に、作家、歴史上の人物、研究者、外国人、昔の人、自分とは違う境遇の人……たくさんの「他人」が登場します。

逆に、「私はこう勉強した」「私はこの資格を取った」「私はこう成功した」「私の場合はこうだった」という話が延々と続くと、どれだけ優秀な人でも、私は途中で退屈してしまいます。

話の世界に一人しか住んでいないからです。

英語力が高い。資格を持っている。仕事ができる。それらはもちろん能力です。でも、「この人ともっと話してみたい」と思わせる知的な面白さとは、少し違うものなのだと思います。

英語絵本は「半径5メートル」の外へ連れていってくれる

そして、この話は英語教育を仕事にしている私自身にも跳ね返ってきます。

英語を教えていると、どうしてもTOEIC600点、TOEIC800点、英検2級、英検準1級といった数字を追います。もちろん大切です。でも、それだけを最終目的にしたくはありません。

私が最近、英語絵本を読んでいて面白いのは、まさに自分の「半径5メートル」の外へ簡単に連れていってくれるからです。

英語絵本というと「子どもが簡単な英単語を覚えるためのもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。実際には、そんな作品ばかりではありません。

英語絵本には、移民、人種、貧困、戦争、家族、先住民、環境問題などを扱った作品があります。英文自体はそれほど難しくなくても、描かれているテーマは大人が読んでも十分に重い。

たとえば『Watercress』には、中国系移民の家族と過去の記憶があります。

『A Different Pond』には、ベトナムからアメリカへ渡った家族の生活があります。

短い一冊の絵本から、英語→家族→移民→戦争→歴史→アメリカ社会と、どんどん世界が広がっていきます。英語を勉強しているつもりだったのに、気がつけばアメリカの歴史や移民について調べている。私は、この感覚がすごく好きです。

英語絵本を英語学習に取り入れる方法や、大人にもおすすめしたい作品については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

【大人にもおすすめの英語絵本・英語学習への活用法】

https://backwise.jp/english-picture-books-learning

英語を勉強した結果、自分の能力だけが高くなるのではなく、昨日まで知らなかった世界が一つ増える。私は、こういう英語学習のほうが豊かだと思います。

英語を学んで「半径5メートル」の外へ出る

英語力が高いことと、教養があることは同じではありません。資格をたくさん持っていることと、知的な人であることも同じではありません。そして、自分の能力を高め続けることと、世界に関心を持つことも別です。

英語を何千時間も勉強して、世界中の人と話せるようになった。それなのに、話す内容がずっと自分のことだけだったら、少し寂しい。

せっかく外国語を学ぶのであれば、自分の半径5メートルの外に出るために使いたい。

知らなかった人を知る。知らなかった歴史を知る。自分とは違う価値観を知る。そして、それについて誰かと話す。

英語を学んでいると、ときどき「何点取ったか」「どの資格を持っているか」がゴールのように感じてしまいます。でも、本当はその先があります。

英語を使えるようになったからこそ、それまで知らなかった世界に触れられる。

私が英語を学び続けたい理由は、最近はこちらのほうが大きくなっています。

英語は、自分を高性能にするためだけの道具ではない。世界を広げるための道具でもある。

英語教育をする側としても、そんなところまで伝えられる先生でありたいと思っています。

TOEIC600点、TOEIC800点を目指す方へ

英語を使って世界を広げるためには、まずその土台となる英語力が必要です。英語の本を読む。海外のニュースを理解する。外国の人と自分の考えについて話す。そのためには、中学・高校英文法、語彙、発音、リスニング、読解といった基礎を身につける必要があります。

私が運営するハル英語4技能アカデミー(ハルヨン)では、TOEIC600点・800点、英検2級・準1級などを一つの目標として、日本人講師とフィリピン人講師によるオンラインレッスンを提供しています。

また、短期間に学習時間を確保して英語力を伸ばしたい方には、フィリピン留学の語学学校バックワイズという選択肢もあります。

資格やスコアはゴールではありません。でも、英語を使って「半径5メートル」の外へ出ていくための土台にはなります。

「今の英語力から何を勉強すればいいのか分からない」「TOEIC600点・800点まで、どのくらい勉強すればいいのか知りたい」という方は、LINEから気軽にご相談ください。

ハルヨンやバックワイズの学習方法、レッスン内容、料金などを詳しく知りたい方には、オンライン説明会も実施しています。

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