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Duolingoは「ドパガキ」と相性が良すぎる|英語を勉強した気にさせる害悪コンテンツ

「ドパガキ」とDuolingoは、ものすごく相性がいい。

「ドパガキ」とは、SNSやショート動画など、短時間で次々と得られる強い刺激を求め続ける状態を指すネットスラングです。

この記事を書こうと思ったきっかけは、Xで253万回以上表示されたこちらの投稿です。

デュオリンゴみたいな無意味に見せかけて本質的に人々の精神をハックしてるアプリすごすぎる。本当はみんな外国語を使えるようになりたいわけじゃなくて、「外国語学習」を通じてカラフルな画面を毎日ぽちぽちするのが好きなんだ https://x.com/WangChangHardy/status/2101254291935613189

この投稿には、Duolingoを何百日、何年と続けている人たちから大量の反応が集まっていました。

それを読んでいると、かなり面白いことが分かります。

英語を身につけるためにDuolingoを始めたはずなのに、いつの間にかDuolingoを続けること自体が目的になっている。

カラフルな画面をポチポチする。正解するとすぐ反応が返ってくる。ポイントが貯まる。ランキングが上がる。連続記録が伸びる。そして今日もアプリを開く。

英語を身につけるためではなく、Duolingoを続けるためにDuolingoをやる。

TikTok、YouTube Shorts、Instagramのリールなど、短い刺激を次から次へと求める「ドパガキ」とDuolingoは、あまりにも相性がいい。

Duolingoは英語力より「連続記録」を伸ばすゲームになっている

バズった投稿への反応を見ていると、こんなDuolingo利用者がいました。

「761日連続でやっているけれど、今では学習より続けることが目的になっている」

「580日目。連続記録を途切れさせないことだけが目標になっている」

「Duolingoを数年やっていたけれど、続けることが目的になっていると気づいて、緑のフクロウには消えてもらった」

さらに、連続日数3年目の利用者からは「Duolingoは外国語学習アプリではなく、メンタル管理アプリだと思っている」という感想まで出ています。

完全に手段と目的が逆転しています。

英語を勉強するのではなくDuolingoを「回す」。英語力ではなくポイントを貯める。英語力ではなくランキングを上げる。英語力ではなく連続記録を伸ばす。

そして、この連続記録を守るための仕組みまであります。

こちらは、1,800日の連続記録を「復活」できる期限が残り1日になった画面です。

Duolingoには、学習できなかった日があっても連続記録を守れる「連続記録フリーズ」や、途切れた連続記録を修復する仕組みがあります。課金やアプリ内通貨を使って、連続記録を守ることまでできます。

英語を勉強しなかった日の「連続学習記録」を、お金を使ってまで守る。

もはや何の記録なのか。

580日、761日、1,800日。ここまで来ると、英語力を伸ばすことより、「連続記録を切らさない」というゲームそのものに夢中になっているように見えます。

英語を身につけることより、アプリをやめさせない仕組みの方がよくできています。

Duolingoを1年間続けても英語を話せない

さらに面白いのが、Duolingoを肯定している人の感想です。

「1年間やって、まあ喋れはしないけど、確実に分かる単語は増えた。Duolingoがなかったら分かる単語は0だった」

1年間でたったそれだけ?

1年間英語学習を続けて「喋れないけど、分かる単語は増えた」。それを成果として喜べるくらい、期待値が低くなっています。

別の利用者は「毎日Duolingoをやっているけれど、ペラペラ喋れるようになるわけではない」と書き、友人から「1年間Duolingoやってるくせに全然喋れないよね」と馬鹿にされたそうです。

「Duolingoの最大の効用は、言語学習に対する心理的ハードルを劇的に下げること」という擁護もありました。ただ、その人自身が「Duolingoだけで話せる、書けるようになるのは正直厳しいので、他の教材も併用したい」と書いています。

最大の効用が「英語ができるようになる」ではなく、「英語学習への心理的ハードルを下げる」。

話したり書いたりできるようになるには、結局ほかの勉強をしなければならない。

それなら最初から、その勉強をすればいい。

Duolingoが英語初心者に人気なのは「勉強した気」になれるから

Duolingoがこれほど支持される理由は、英語学習の効率とは別のところにあると思います。

英語は勉強した方がいい。英語くらい話せるようになりたい。でも英文法は面倒くさい。英単語を覚えるのも面倒くさい。英文を読むのも疲れる。音読や暗唱なんてやりたくない。

英語はできるようになりたい。でも、面倒な勉強はしたくない。

そこでDuolingoです。

スマホを開いて3分ポチポチする。正解する。褒められる。ポイントが貯まる。今日の課題達成。連続記録更新。

これで「今日も英語を勉強した」と思える。

Xにも「超初級を毎日3分くらいやっている。ペラペラ話せるのが目的じゃないし、楽しい」という利用者がいました。

このくらいの超ライトユーザーには最高でしょう。毎日3分遊んで、海外旅行で使えそうな表現を少し覚えたい。その目的なら好きにやればいい。

問題は、本気で英語を身につけたい人まで同じことをやっていることです。

Duolingoだけでは英語が伸びないのに「勉強した気」になれる

YouTube Shortsを30分見たら、「時間を無駄にした」と分かります。

Duolingoを30分やったら、「今日は30分も英語を勉強した」と思えます。

ここが害悪です。

本来なら、その30分で中学英文法を勉強できる。英単語を覚えられる。英文を読める。音読できる。

1日30分なら、1年間で約183時間です。

183時間使って「喋れないけど単語は増えた」では、あまりにも学習効率が悪い。

しかも本人は勉強していないとは思っていません。毎日アプリを開いている。連続記録も伸びている。だから「自分は毎日英語を勉強している」と思える。

英語を勉強した気にさせる。これがDuolingoの一番の害です。

毎日Duolingoを頑張った結果、チェスをマスターしました

そして今回、Xを見ていて一番笑った投稿がこれです。

「うちの子は毎日せっせとDuolingoを頑張ったおかげでチェスをマスターしました」

参考画像: デュオリンゴに内蔵されているチェス機能

Duolingoには現在、チェスもあります。

別の利用者も「Duolingoをやっていなかったらチェスなんて触っていなかった。その点は感謝している」「カラフルな画面をポチポチするだけでチェスのルールと戦法を学べる神アプリ」と書いていました。

もはや英語はどこへ行った。

でも、これはDuolingoの本質をよく表しています。

外国語を身につけたいというより、カラフルな画面をポチポチするのが楽しい。

英語でもいい。数学でもいい。音楽でもいい。チェスでもいい。問題を解いて、すぐ反応が返ってきて、ポイントが増えて、記録が伸びる。

「外国語学習アプリ」というより、学習っぽいことをして気持ちよくなるアプリと考えた方が分かりやすい。

Duolingoは「やらないよりマシ」でも学習効率が悪すぎる

Duolingoの話になると必ず出てくるのが、「何もしないよりマシ」です。

比較対象がおかしい。

本気で英語を身につけたい人が比較するべきなのは、「Duolingoを30分やる」対「何もしない」ではありません。

「Duolingoを30分やる」対「英文法を30分やる」「英単語を30分覚える」「英文を30分読む」「理解した英文を30分音読する」です。

Xには「高校までの英語を普通にやっていたら、Duolingoよりもはるかに読み書きができるようになるので、そちらを頑張ろう」という投稿もありました。

その通りです。

中学英文法を勉強する。高校英文法を勉強する。基本的な英単語を覚える。英文を読む。理解した英文を繰り返し聞いて、音読する。そして実際に使う。

地味です。

ポイントはもらえません。ランキングもありません。連続記録もありません。カラフルなキャラクターも褒めてくれません。

でも、英語を身につけたいなら、そっちをやってください。

なお、この記事ではDuolingoに絞って書きましたが、英語学習アプリそのものの問題点については、別の記事で真面目に検証しています。 Duolingoだけでなく、abceedやELSA Speakも取り上げ、「なぜ英語学習アプリだけでは英語が伸びにくいのか」を6つの理由に分けて解説しています。

https://hal4.jp/why-english-learning-apps-fail/

Duolingoは英語を勉強した気にさせる害悪コンテンツ

Duolingoをやめた人の投稿に、この記事を一言でまとめたようなものがありました。

「学習体験として質が低すぎてやめた。ただ、やめさせない仕組みはマジで良くできてる」

580日。

761日。

3年間。

ここまで続けた利用者自身が「連続記録を守ることが目的になっている」と言っています。

英語を身につけることではなく、Duolingoを続けることに夢中にさせる。しかも本人には「毎日英語を勉強している」と思わせる。

本気で英語を身につけたいなら、そんなものに1年も2年も付き合っている時間はありません。

数年続けた末に「これ意味なくね?」と気づいて、Duolingoを削除した人もいました。

気づいたなら、緑のフクロウには消えてもらえばいい。

「ドパガキ」のまま人生を終わりたくない人へ

カラフルな画面をポチポチして、ポイントを貯めて、連続記録を伸ばして、「今日も英語を勉強した」と満足する。

そんなことを1年、2年、3年と続けている時間が一番もったいない。

本気で英語を身につけたいなら、英文法、発音、英文読解、音読・暗唱、英会話を順番に学んでください。ポイントもランキングも増えませんが、英語力はその方が伸びます。

ハル英語4技能アカデミー(ハルヨン)と語学学校バックワイズでは、英語学習アプリを毎日ポチポチして「勉強した気」になるのではなく、実際に英語を身につけるための学習計画を作っています。

「ドパガキ」のまま何年も時間を溶かしたくない人、本気で英語を身につけたい人はご相談ください。

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