コーチング指導ではうまくいかない
私はフィリピン留学の語学学校バックワイズにて、コーチング指導を中心に据えて、学習カリキュラムを作っていました。
ここでいうコーチングはどのようなものかというと、
- 教材のカリキュラムを提示して、どの順番で教材を使用すれば良いのか
- 教材をどのように使用すれば良いのか。
- 黙読・リスニング・音読の学習をどのように進めれば良いのか。
- 学習時間の管理。最適な学習を行うための時間の使い方を指導する。
という指導を指します。
このコーチング指導では、すでに英語学習について理解し、実践した経験のある中上級者、上級者の留学生においてはこのコーチング指導はそれなりに上手くいきました。
割合としては上位3割の優秀層ではそれなりに機能していました。ただし、残りの7割、下記の条件に該当する初級者~中級者ではうまくいきませんでした。
- これまでに英語学習を真剣に行ったことがない
- 大学入試の時にも英語はそれほど勉強していない
- 英語学習で何が重要なのか自分で判断できない
- どの程度まで英語学習をやり込めばよいのか、どこまで負荷をかければ良いのか分からない
コーチング指導では初級者、中級者の英語力はそれほど伸ばせなかったのです。
コーチング指導の課題
コーチング指導の弱点として「英文法・英文読解の指導が弱い」ことがまず挙げられます。
私が関わっていたフィリピン留学だけでなく、日本にあるコーチング指導を売りにするサービスにおいても「英文法の指導が十分にない」という理由でハルヨンへの入校を決めた人達が複数います。
コーチング指導では一つ一つの英文をどう読み解けば良いのかという詳細な英文法・英文読解の指導(レッスン)をしません(出来ません)。
「そもそも何が分からないのかが分からない」という状態の初級者~中級者の留学生はそもそも質問が出来ません。つまり、分からない箇所はずっと分からないままなのです。これでは英語力は伸ばせません。
参考書の使用手順をまとめたマニュアル、学習の方法をまとめたマニュアルを渡して伝えるだけのコーチング指導では初級者~中級者の場合、英語力を伸ばせないことが多いです。
初級者~中級者の方々は、レッスンを受講することで詳細に1つ1つの英文についての解説を聴く必要が有ります。分かったつもりになっていた英文が実は分かっていなかったというのは、本当によくある話です。
この考えからハルヨンではコーチが指導するコーチング方式ではなく、先生がレッスンを提供するレッスン方式を採用しました。
上手くいかなかったコーチング指導の実例
私が関わっていたフィリピン留学で必ずしもうまく機能しなかった箇所について最後に紹介します。
初級者・中級者はコーチング指導では駄目で、実際にレッスンを提供しなければならないと考えるにいたって私の失敗体験談です。
フィリピン留学の反転授業
フィリピン留学で行われていた反転授業
①レッスンに向けて予習をする
②レッスンでたくさん間違える
③さらに予習・復習を頑張る
④表現の幅が広がり、語彙が増える
この赤く丸をつけた箇所、
- ①レッスンに向けて予習をする
- ③さらに予習・復習を頑張る
これら自習学習に関わる箇所が初級者・中級者で機能しなかったことが多かったです。
初級者・中級者に自習学習をしてもらおうとしても、そもそもどうやって自習学習を進めて良いのか分からず、自習学習の方法を確立出来ずにそのまま留学生活が終わってしまう人も珍しく有りませんでした。
自習学習という「放置」では駄目だったので、ハルヨンでは日本人教師がレッスンを行うようにしました。
自習学習は授業時間を減らすための「放置」だろう、とよく言われていました。確かに、この自習学習の時間を有効活用出来ない方々にとっては、結果として「放置」だったかと思います。
フィリピン留学の事前学習制度
- フィリピン留学の事前学習制度
- 日本人スタッフが事前面談を行い、留学前の事前学習に関しての指導を行う
- 留学前の事前学習で英文法と英単語について学ぶ ※事前学習でTOEIC(R)試験の点数を200点上げる生徒もいます。
フィリピン留学では現地セブ島には日本人教師が皆無であり、フィリピン人とのマンツーマンレッスンでは英文法・英文読解について学ぶことが出来ません。
そのために、日本で事前に英文法について学んできてもらうために始めた苦肉の策がこの事前学習制度です。
ただすでに述べたように、マニュアルを渡すだけの指導(コーチング)では上手くいかないことが多かったです。
難関の大学入試試験を突破した人達であれば、この事前学習制度を上手く使えます。
実際、東大卒の女性は留学前の事前学習だけでTOEIC800点※にまで到達していました。※TOEIC600点から800点への200点アップ。
一方、勉強経験がない初級者の場合だと、購入した参考書を一度も開くことなく、セブ島に来ていました。当然英文法の知識が皆無であるため、英語でのマンツーマンレッスンを有効活用することは出来ませんでした。
初級者~中級者にはもっと手厚い英文法・英文読解の指導が必要でした。その後悔が現在運営中のハルヨンというサービスを始めることに繋がりました。
さらに詳しい情報に関して
コーチング指導ではうまくいかない生徒の割合が多いため、グループレッスンをハルヨンでは導入しています。