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浅場眞紀子先生インタビュー|TOEIC Speaking & Writing試験の魅力とは

TOEIC L&Rである程度の点数を取れるようになった後、「次に何を勉強すればいいのか」と迷う人は少なくありません。

TOEIC L&RではListeningとReading、つまり「聞く・読む」力を測ります。一方、実際に仕事や海外生活で英語を使うためには、「話す・書く」というアウトプット能力も必要になります。

今回は、企業向け英語研修などに長年携わり、TOEIC Speaking & Writing対策の参考書も執筆されている浅場眞紀子先生に、TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)の魅力や、スピーキング学習を始めるタイミングについて伺いました。

特に印象的だったのが、「TOEIC L&Rで600点未満なら、まずインプット学習に集中した方がいい」という話です。

英語を話せるようになりたいからといって、基礎がない状態で英会話の回数だけ増やしても、なかなか英語力は伸びません。

英文法や英単語などを学び、その知識を使って話す。インプットとアウトプットを組み合わせることが重要です。

※この記事は2020年に行ったインタビューをもとにしています。TOEIC Speakingの問題構成などは現在と一部異なりますが、英語学習についての考え方を中心に掲載しています。

なぜTOEIC Speaking & Writingに注目したのか

――最初に、浅場先生のご経歴について教えていただけますか。

私はもともと外資系企業に勤めており、約10年間トレーダーとして働いていました。そのうち3年間は、駐在員としてアメリカに滞在していました。

海外で英語を使って働く中で感じたのが、TOEIC L&Rで800点以上を取得できる「聞く力」「読む力」だけでは、ビジネスの現場では十分ではないということです。

実際の仕事では、相手の話を理解したうえで、その場ですぐに判断し、英語で対応する必要があります。

そうした「ビジネスの現場で生き抜くための英語能力」を企業に提供したいと考え、2014年に共同経営者とQ-Leap株式会社を立ち上げました。

――そこでTOEIC S&Wに注目されたのですね。

はい。

TOEIC L&Rの勉強を通して身につけた語彙や英文法を使って、今度は実際に話したり書いたりする能力を伸ばせる試験として、TOEIC S&Wに注目しました。

私が初めてTOEIC S&Wを受験したのは2010年頃です。

当時は企業向け語学研修の講師として働きながら、自分自身の英語力を向上させるためにも外部試験を活用していました。

日本で生活していると、日常的に英語を使う機会はそれほどありません。

そのため、自分の英語力を数値で確認できる目標を設定することは、英語学習を継続するうえでも意味があります。

TOEIC800点でも英語を話せない人はいる

TOEIC L&Rは、自分の英語力の伸びを点数で確認しやすい試験です。

一方で、企業向けの英語研修をしていると、「TOEIC L&Rでは800点以上取れるのに、実際の仕事ではほとんど英語を話せない」という人もいました。

TOEIC L&Rだけを勉強していれば、ListeningとReadingの能力は伸ばせます。

しかし、それだけでSpeakingやWritingの能力まで自動的に伸びるわけではありません。

そこで、TOEIC L&Rである程度の基礎力を身につけた人が、その次の目標としてSpeakingやWritingに取り組むことには大きな意味があります。

TOEIC S&Wを学ぶ3つのメリット

――英検、TOEFL、IELTSなど、英語の4技能を測る試験はいろいろあります。その中でTOEIC S&Wを選ぶメリットは何でしょうか。

大きく3つあります。

1つ目は、TOEIC L&Rを勉強してきた人が、それまで学んだ英単語や英文法をそのままアウトプットに活用しやすいことです。

2つ目は、英文を音読する、写真について説明する、質問に答える、自分の意見を述べるといった形で、実際に英語を使う練習ができることです。

3つ目は、英語を理解するだけではなく、状況を把握したうえで自分の考えを英語で伝える練習になることです。

TOEIC L&Rで学んだ知識を、「知っている英語」から「使える英語」に変えていくためのきっかけとして活用できます。

試験を受けなくてもSpeakingの練習になる

TOEIC Speakingでは、英文を声に出して読んだり、写真を英語で説明したり、質問に答えたり、自分の意見を述べたりします。

実際に試験を受ける予定がなくても、こうした問題を使って練習すること自体に意味があります。

英語を見たり聞いたりしたときに理解できることと、自分自身でその英語を使えることは別だからです。

英語を話せるようになるためには、自分の頭の中にある語彙や英文法を使って、自分で英文を組み立てる経験が必要になります。

※現在のTOEIC Speaking Testは11問、約20分で実施されます。問題構成はこの記事を公開した2020年当時から一部変更されています。

TOEIC L&R600点未満なら、まずインプット学習を優先する

――TOEIC Speakingの学習は、どのくらいの英語力になってから始めればいいのでしょうか。

私は生徒さんにも、「TOEIC L&Rで600点未満の人は、まずインプット学習に集中してください」と伝えています。

TOEIC L&Rで600点を取れない状態では、英文法や英単語などの基礎がまだ不足している可能性があります。

その状態で高額なスピーキングレッスンをたくさん受けても、学習効果は限定的です。

英語初級者の方が「早く英語を話せるようになりたい」と考える気持ちは分かります。

しかし、まずは英文法をある程度理解して、知っている英単語を増やす必要があります。

自分の中に英語の材料がなければ、それを使って話すこともできません。

英会話の「場数」だけ増やしても伸びない

「英語を話す力」といっても、必要になる英語は人によって違います。

友人と趣味や近況について話す日常会話もあれば、仕事で相手の話を正確に理解し、自分の意見や対応策を伝えるビジネス英語もあります。

まず、自分がどのような場面で英語を使いたいのかを考える必要があります。

そのうえで、その分野で必要となる英単語や英文をあらかじめ学んでおく。そして、学んだものを実際の英会話で使います。

目標もないまま漠然と英語を話し続けても、スピーキング能力はなかなか伸びません。

オンライン英会話や英会話スクールを利用すれば、英語を話すこと自体には慣れるかもしれません。

しかし、インプット学習をしないまま英会話の場数だけ増やしても、使える表現は増えていきません。

「インプット学習で学んだことをアウトプットする」という順番が大切です。

最初から完璧な英語を話そうとしなくていい

――初めてTOEIC Speakingを受験する場合には、どの程度を目標にすればいいでしょうか。

TOEIC L&Rで600点程度を取得した段階であれば、最初から完璧に話せる必要はありません。

まずは、現在自分が持っている英語の知識を使って、相手に伝えようとするところから始めればいいと思います。

そこから、英文法の間違いを減らし、語彙を増やし、相手や場面に応じて適切な英語を使えるようにしていきます。

スピーキングも、いきなり高いレベルに到達するものではありません。

英文法や語彙を増やしながら、実際に使う練習を繰り返す必要があります。

発音を学ぶとListeningにも良い影響がある

――ハルヨンでは、発音や発話を意識した音読学習を重視しています。

それはいいと思います。

私も授業では、発音のトレーニングを重視しています。

ここでいう発音学習は、ネイティブスピーカーと全く同じ発音を目指すという意味ではありません。

自分の発音を英語本来の音に近づけていくことで、それまで聞き分けられていなかった英語の音にも意識が向くようになります。

自分で正しく発音できる音は、Listeningでも認識しやすくなります。

英語を聞き取れる範囲を広げるという意味でも、発音学習には取り組んだ方がいいと思います。

WritingをするとReadingにも良い影響がある

同じことはWritingとReadingの関係にも言えます。

例えば、自分自身で英語のメールを書いてみると、英文を作るために語順や文構造を意識する必要があります。

自分で英文を作った経験が増えると、Readingで英文を読んだときにも、文の構造が以前より見えやすくなります。

SpeakingやWritingは、単に「話す力」「書く力」だけを伸ばすものではありません。

アウトプットをすることで、自分が英文法や語彙を本当に理解できているのかも確認できます。

英語4技能をバラバラに勉強しない

英語の4技能である「聞く・話す・読む・書く」を、すべて別々の能力として考えない方がいいと思います。

TOEIC L&Rで英文を読んだり聞いたりする。

そこで学んだ英語を、自分で話したり書いたりしてみる。

そして、うまく使えなかった英文法や語彙を、もう一度インプット学習に戻って確認する。

このように、

インプット
↓
アウトプット
↓
不足している部分を確認
↓
再びインプット

という流れを作ることで、英語の理解は深まります。

TOEIC L&Rだけ、英会話だけ、と1つの技能だけを繰り返すのではなく、学んだ英語を実際に使ってみることが大切です。

TOEIC L&Rの先にSpeaking・Writingを考える

TOEIC L&Rは、英語学習者にとって非常に使いやすい試験です。

特に英語初級者から中級者の段階では、英文法、英単語、Listening、Readingなどの基礎力を伸ばすための目標として利用できます。

一方で、TOEIC L&Rの点数を取ること自体が英語学習の最終目的ではありません。

英語を実際に使えるようになりたいのであれば、その先にはSpeakingとWritingがあります。

ただし、基礎がない状態でいきなり英会話の量だけ増やす必要はありません。

まず英文法や英単語を学ぶ。
英文を正しく読めるようにする。
発音を学び、英文を音読する。
そして、理解できる英語が増えてきた段階で、それを実際の英会話やWritingで使っていく。

インプットとアウトプットを往復することが、4技能を伸ばしていくためには重要です。

浅場先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。

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