「英語を学ぶ」から「英語で何かを学ぶ」

TOEIC LR試験などの試験対策を通じて「英語という言語を学ぶ」仕組みを作ることは出来た。けれど、それ以上の領域、「英語で何かを学ぶ」といった領域まで踏み込むことが出来なかった。

これが私がフィリピン留学(語学学校サウスピーク 移転前アドレス souspeak.com)時代に課題として感じていたことで有り、そしてハルヨンでは改めていきたいと強く感じていることです。

最初になぜ「英語で何かを学ぶ」まで踏み込めなかったのか、その原因を3つ順番に挙げていてきます。

「英語で何かを学ぶ」に踏み込めなかった原因1…フィリピン人講師の離職率が高い。

最初にあげる原因は、語学学校にいるフィリピン人講師達の離職率が高いことです。

“格安”のフィリピン留学を支えるフィリピン人講師達なので、当然給与は安いです。月給の相場は月額16,000円から24,000円です。これはフィリピン人にとっても安い給与です。そのため本当に優秀なフィリピン人であれば、格安フィリピン留学の現場には長くいません。

そしてフィリピン留学やフィリピン系オンライン英会話の関係者達は言いませんが、フィリピン人講師達の教養レベルがあまり高くないことも影響しています。

わりと知られている例としては、フィリピン人講師たちは算数が本当に苦手です。中学1年生程度の因数分解を解けるフィリピン人講師はほとんどいません。もっと易しい4桁と2桁の足し算とか、台形の面積の求め方とかこの水準の算数が出来ない場合も珍しくはないです。

もちろんフィリピン人全員がそうではないとは思いますが、語学学校で働く特別なスキルが無く20代の若い女性フィリピン人講師の場合だと、この簡単な算数を含めて、教養の水準は日本人目線で見ると厳しいものが有ります。

「英語で何かを学ぶ」に踏み込めなかった原因2…一部の日本人生徒のレベルが低い

語学学校には入学試験がないので、日本人生徒の教養面の知識の欠如が問題になったというのも有ります。英語力は中級レベルでも、教養面がかなり危ういという生徒もいました。主に大学生などの学生が該当します。

例えば、「外国で投票率上げるために投票を義務化し、投票しない人に罰金を課すことについてどう思うか」といった議題で討論しましょうとした場合、こういったことをこれまでに考えたことがなくて、英語以前に日本語でも何も話せないとなった学生がいました。

TOEIC LR試験ではこの水準の知性を求められることはないので特に問題になりません。しかし、その先にあるTOEFL iBT試験やIELTS試験では求められます。

そして、語学学校のレッスンマニュアルは基本的にこういう英語力以外の学力の低い学生たちが来ることを前提にしなければならないので、私はこういった学生たちを最低基準にして学習カリキュラムを作っていました。

本件に関してもう1つ例を上げると、試験を越えた話題では、時事ネタについての討論が導入したかったけれど、導入出来なかったレッスンになります。

2020年であれば、「新型コロナウイルスの各国の姿勢についてあなたはどう考えるのか。どの国の方針に賛同するのか、また母国の方針についてどのような課題を感じているのか」となりますが、英語以前に日本で考えたことがないと何も話せないです。

フィリピンに関する設問だと、「中国の戦狼外交についてどう考えるか。また、フィリピンは当初南沙諸島問題の事も有り反中国の姿勢であったが、現在は一転して親中国の姿勢になっているがこの事についてどう考えるのか」となります。

普段から英語ニュースに触れていればこれらはそれほど難しくない設問ですが、基礎知識がないと何も答えられないです。そしてこの水準の時事ネタの場合だと、フィリピン人講師と日本人生徒の両方に課題が有り、実現は不可能でした。

英語を学ぶ語学学校なので、求め過ぎだったのかもしれませんが、私にとっては不満でした。

結局、フィリピン人講師と日本人生徒の双方に課題があったので、「英語で何かを学ぶ」については諦めざるを得なかったです。

英語学習にフォーカスしましたが、その結果生徒がどうなるのかというと、「TOEIC LR試験で800点を取ったんですけど、英語で何を話したら良いのか分からないんです…」という生徒が出来上がることになります。※もちろん全員じゃないですが。

英語という言語だけを学んでいると、特に教養面がほとんど全く問われないTOEIC LR試験だけに絞って学習をするとこうなってしまいます。この点は忸怩たる思いでした。

こういった課題は常に感じていましたが、私自身がもろもろの事情で語学学校サウスピークの現場にいることが出来なかったので、残念ながら「英語で何かを学ぶことが出来るレッスン」については諦めてました。

◆「英語で何かを学ぶ」に踏み込めなかった原因3…私自身が語学学校の現場にいなかった

日本語で文章を読めない生徒ほど、英語力の伸びは悪い

また、偶然ではなく必然なのですが、知的好奇心に乏しい留学生に英語だけを教えても、TOEIC LR試験のReading Partはすぐに伸び悩む傾向が有りました。

こういった生徒は母国語である日本語での読解力が低いので、当然ながら外国語である英語での文章読解が苦手なのです。つまり、日本語で活字が読めない人は、英語でも活字が読めない。

仮にTOEIC LR試験で800点に到達しても、Listening Part 450点、Reading Part 350点というように、ここから先これ以上英語力は伸びないであろうという点数配分になる傾向が有りました。

一方、これから先も伸びていく点数配分はどういうものかというと、Listening Part 400点、Reading Part 400点といういうようにLとRのバランスが良い場合です。

さらに付け加えると、Listening PartよりもReading Partが得意でR450点以上に到達している人の場合だと、ほんとうにすぐにTOEIC900点に到達します。

こういった人達の学習履歴を見てみると、下記写真ファイルの記事一覧にあるように、大学受験時に難易度が高く、思考力が問われるすでに英文を読み込んでいます。

大学受験参考書ポラリス 記事一覧

※上記の記事一覧は 大学入試問題集 関正生の英語長文ポラリス[1 標準レベル] より引用

社会問題の項目を見てみると、「貧困の差は必ず生まれる!?」「遺伝子検査の問題点」「自動運転で街はどう変わるか」と、日本語の現代文レベルの難しい文章であることが分かります。

英文読解で極めて高い水準の英語力を示すのは、10代の受験勉強時にこのような英文を読み込んできた人達です。換言すると、旧帝大や難関私大に合格してきた人達です。

そして、日本語ですら教養が求められる疑問について考えたことがなければ、当然こういった英文は読むことは出来ません。

しかしながら、英語学習をするのであればこれは避けてはいけない道です。そうでないと、「TOEIC LR試験で800点を取ったんですけど、英語で何を話したら良いのか分からないんです…」という生徒に行き着くだけですので。

ハルヨンでの試み 英語で何かを学ぶために

ハルヨンではフィリピン留学時代に出来なかった、「英語で何かを学ぶ」ための教材も導入しています。

TOEIC800点突破クラスで使用する教材

Reading Partで400点以上に到達し、さらにL 450点、R 450点以上に到達出来るようになるために、あえてTOEIC LR試験からは少しずれますが、大学受験対策の参考書を使用します。

入門英語長文問題精講 3訂版

大学入試問題集 関正生の英語長文ポラリス[1 標準レベル]

こういった参考書を使用するのに加えて、柴田 @HAL_J がレッスン中に書く記事に関わる問題提起も行っています。

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